中学生の頃のお話し


僕ら悪ガキ仲良しグループで

ある遊びが流行っていた

あまり褒められたモノではないので

割愛する


ある日

最下位が罰ゲームをやろう

となった

何をやらせるか?

とことん恥ずかしいヤツがいい

テンション爆上がりで

決定した罰ゲームとは


駅前ロータリーで歌を歌う!


だった

ノリでそんな事になってしまったが

これは大変だ

少し冷静になった僕達は

自分達で決めておいて

自分達で緊張した


ホントにこれやる?


途端に及び腰になる奴もいた


やると決めたのだ ヤル


そして いざ勝負!


僕はあっさりと、負けた…


ホントにやる?

今度は僕がみんなを振り返って訊いた


ヤツらはニヤニヤしながら頷く


クソッ 上等だ やってやる

僕はステージ代わりの花壇に登った

なんだ?コイツは

周囲の視線が刺さる

条件はフルコーラスだ キツイ

なかなか踏ん切りがつかない


チキショー やっちゃらー!

頭の中で叫んで

大きく息を吸い込んだ


チューウッ!チューチュチュ♪

なっつーのーおじょおさんー♪


とにかく大声で歌った

歌うと言うより叫んでいた

チョー恥ずかしい

顔がもげ落ちる程恥ずかしい


おじょおさん〜♪おじょおさん〜♪


叫び終わった僕は

周囲の反応や様子など見る余裕はなく

加速装置を発動させ

音速で逃げた


数日後

いやーアレは笑った と

仲間達は上機嫌だ


おのれ見ておれ 今日こそは

と 再び勝負に挑んだ


ガーン!また 負けた!

ヤツらは大爆笑

何歌うんか?

と楽しくて仕方がない様子


僕は自分の不甲斐なさと

やり場のない怒りにワナワナと震えた


再びステージに立つ

また大きく息を吸い込んで


白い〜マットの〜♪

ジャーングルゥに〜♪


しまったァァ!

タイガーマスクは三番まである

たが、走り切るしかない


立ち止まって僕を見上げる観客

そうだ!

聴け!魂の叫びを!

男の生き様を見るがいい!


ゆけっゆけっタイガー〜♪

タァイガァマッスゥクゥー♪


また走って逃げた



またまた数日後

今度こそ一矢報いてやる


僕の怒りは頂点に達していた

何かに変身しそうだ

今日こそ勝つ!

昨日までの僕とは一味違うぞ!


アレッ?また負けた…

ヤツらは内臓が飛び出る程笑っている


フンッ やるよ やりゃぁいいんだろ?


三度ステージに立つ


壁際に〜寝返りううてぇ♪

背中で〜聞いている〜♪


アレッ?変だぞ?

恥ずかしくない?

と言うより…


気持ちイイ!


声もよく出ている


スーパー気持ちイイッ!


ジュリー完コピだ!

気付けば振りまで付けていた


アンア〜アンア〜♪

アンアア〜〜♪


僕はもう逃げはしなかった


ウツトリ聴いてくれた

奥様方の拍手に

お辞儀を返す余裕ぶりを示し

悠々と仲間達の元へ歩いて行った


ヤツらはなんだかしらけた顔で

おまえスゲーな

と言った


その後もこの勝負は

少しの間続いたが

ガキらしくすぐに飽きてしまった


この上なくくだらない

ガキの勝負だった


だがしかし

この罰ゲームは

その後の僕の人生に

大きく役立つこととなった