Ψ(さい)のつづり -86ページ目
五月晴れ
色とりどりの
つつじも
咲き乱れ
野生の藤が
木々に絡まり
気付いたら
一体化していて驚くけれど
代わりに
お化粧をほどこしてくれる
ああ
ほんの
些細な事でもいいから
あたりまえや
いつものことを
ひとつずつ
少しずつ
変えていこう
丁寧な言葉遣いをする
ありがとうをきちんと言う
ごみ捨てに行く途中で
道端のごみを拾って一緒に捨てる
ミュージックアプリを
別のものに変えてみる
慌てず
すばやく
油断せず
どっしりと構える
おせっかいはせず
ジャッジも
コントロールもいらない
自分に
一点集中

時間というギフトをいただいた
庭の草を
サマーカットにして
ざくざくざく
本当は五分刈りにしたいけれど
でもすぐまた
伸びてくるから
根詰めない程度にね
ライオンじゃなければいいでしょう
人間や犬の毛なんて
月一カットでいいんだから
かわいいものだわ
カチカチの土が
ふわふわに
なるように
カットした草たちは
土の上にかけて
日よけをしてあげましょう
草も栄養になるから
敵みたいに引っこ抜かなくていい
くすりなんて
もってのほか
それから
おいしいクロワッサンを買いに行って
ランチにいただき
いい気分
そのまま
のりのりんどう
お片づけも
はじめたけれど
大量の写真や
お手紙を前に
途方に暮れて
日も暮れる
出直します
カラヤン聴いて
詩集を読んで
今日は少しはやく寝ましょう

百合を三本植えました
昨年の秋
百日紅の
苗木と一緒に
さるすべりは
そのときは
もうすっかり枯れ木のよう
つい最近まで
桜が咲いても
紫陽花や
無花果の若葉が
ちょっと顔をのぞかせても
まわりの草は
勢いよく
にょきにょきしても
枯れ木も枯れ木
かさかさのお肌
本当に根付かずに
枯れてしまったのかと
百合の球根も
一緒にしんみり
してしまったのかと
思ったけれど
春は
われわれを
見捨ててはいなかった
ひゃくひゃくつながりの
百合シスターズにも
百日紅にも
ぴちぴちの
若葉が
出てきました
その後の成長は
目を見張るものがあり
もうすっかりしっかり
一安心
たえなばたえねじゃなくってよ
だって
あなたたちは
みちびき犬の
いのちを
つないだ
存在なのだから
いつまでも
ながらへて
ああ
ながらへて
ながらへて
フォゲットミーノット
じゃないんだね
そうよ
直球じゃなくて
変化球なの

毎日が
大掃除の日
日々
生きていると
自分にも
おうちにも
埃が積もる
埃を掃わないと
誇りはもてない
それに
クローゼットの奥には
存在感を消すことで
長年生き延びてきた
まものたち
それらは
もはや
壁の一部としてしか
こちらも
認識していないため
あらためて
捨てる対象にすら
なっていない
ヴィンテージなら
価値が増して
ワインにも
味わいが深まる
しまいには
アンティークで
世の宝になるけれど
今のわたしには
もう必要がない
あれやこれやは
みんな
さよならしましょ
ありがとう
ありがとう
ありがとう

ブロッケン山に
今夜
集う者
めいめいの
目的のため
めいめいの
正義のため
めいめいの
自己実現のため
いつもはばらばらに
跋扈しているように見えて
一年に一度
集う
ヴァルプルギスの夜の
乱痴気騒ぎ
ファウストも
新米も
たどり着くことすら
かなわない
山頂までの
険しいみちのり
世迷いごとが
あふれかえり
常識が
非常識
最凶が
最強
されど
とどのつまり
すべてが劇中劇
あべこべ
油断大敵
最後には
ひっくり返る
運命だから
ブロッケンの
光の輪には
敵わない
すべてが
光を
美しく魅せるための
仕掛けなのだから


