Ψ(さい)のつづり -23ページ目
台風が
空をきれいに
拭き上げたあと
満月が
やってきた
本当に
まんまるで
すばらしく
まんまる
くっきり
はっきり
うさぎもみえる
まばゆい光線が
八つのびて
準備万端
あれ
もしかして
少しまん丸が
上から
欠けてきたかも
まだ日付も変わったばかり
予想より早い
でも
氣のせいではなく
やっぱり
はっきり
欠けてきて
おに
にゃんこ
そして
三日月へとすすむ
そうか
今日は
一晩で
満月から新月へ
そしてまた
満月に戻る夜
三日月に祈って
目を開けたら
暗くなった夜空から
大きな流れ星が
上からまっすぐ
降ってきて
三日月を
彩る
新月になると
うっすらと赤いボタンが空にある
お日さまと
お月さまの
みえる大きさは
きっかり
同じなんだということに
あらためて
驚く
赤いボタンの時間は
ここまでの道のりからは
想像もできないくらい
とても長い
いつか
光がまた出てくると
思いながら
待っていたけれど
3が3つならぶころ
とうとう
眠ってしまった
そして
赤いボタンは
寝静まる世界を
完全に
掌握
したんだ

必要なものが
すぐに
見つかって
適材適所で
ささっと
使えたら
どんなに
氣持ちいいだろう
いらないものばかり
だと思いながら
いつか
いるかもしれない
の粘着力は大きい
そのねばねばにくっついて
いろんなものが
居座ろうとする
早く
出ていってもらおうと
思うのに
ちょっとした
なつかしさに
つけこまれる
ああ
こんなときも
あったね
とか
まだあったんだ
という具合に
この
サバイバルゲームに
本日付で
負けを喫すると
おそらく
10年越しに
なってしまうから
身も心も
ジャンヌダルク
一掃するわ
さようなら

切磋琢磨
している間はいいけれど
いつまでも
きりのない
ものには
自分で
切り込みを入れる
すると
そこから
自然と
さけ目が広がっていき
とうとうちぎれて
飛んでいくものもあれば
剥がれ落ちていく
ものもある
わたしは
遥かに
軽やかになり
世界を
俯瞰することができるようになる

もぐらになって
真っ暗な
世界で
暮らそう
暗そうな
世界?
とんでもない
鼻がよく利く
耳もよく聞こえる
目で見る世界が
すべてじゃないんだよ
試しに
やってみよう
土を掘ったら
ひんやりして
涼しくて氣持ちいい
土をかぶったら
重くて大変そう
うまく
トンネルをつくれば
スペースがあるから
重すぎない
トンネルを
掘って
掘って
掘り進めよう
だんだん
あたたかく
なってくる
ねえ
知ってる?
地面の
奥の
奥の
奥は
お日さまみたいに
あったかいんだ
この地球の
真ん中は
とっても
熱い
熱い
愛にみちあふれたハート

反省反省
また
反省
更新更新
また
更新
そうして
あらためて
身の回りと
向き合うと
ほんとうに
不思議におもう
どうやって
いままで
折り合いを
つけてきたんだろう
どうして
ここで
やっていけると
思っていたんだろう
全然
はまらない
パズルのピースが
わたしなのに
ここに
こうやって
息をしている
わたしを
不思議そうに
見る人たち
ただ
そこに
いるだけで
浮いてしまうのが
わたしなのに
でも
いまは
もう
その視線も
こわくない
わたしの
視線の先には
わたしだけが
いるから
わたしの
目の前には
未来だけが
あるから


