Ψ(さい)のつづり -2ページ目
夏を想わせる
強い日差しが
急にかきくもり
空は
いつの間にか
黒い雲におおわれている
日差しが弱くなってきたら
やろうと思っていた
あれこれに
とりかかるのが
ちょっと
遅れてしまったようだ
涼しくなってから
降り始めるのに
長くはかからなかった
雷鳴が先ぶれを出す
その後
大きな
粒の
一滴一滴が
地面を
あっという間に
濃い色に染めあげていく
雷も
合いの手を入れて
大粒の雨を
盛り上げていく
わたしは
傘を広げて
その力強さを
受けとる
ようやく
屋根の下に入ると
濡れそぼった
からすが
屋根から
飛び立つ
稲妻が
空に裂け目を
入れ
大地をゆるがす
音と振動
そのほれぼれする
逞しさを
讃美する

自分が望んで経験したこと
望まなくても
経験することになった
たくさんのできごとたち
それらすべては
時間をかけて
熟成させると
調和のとれた
豊かな
実りになる
果実を
ありがたく
いただきながら
これからも
訳知り顔になることなく
前を向いて
おそれずに
新たな
経験に
飛び込む

火星がかっかと
燃えるように
太陽が
じりじりと
チカラを増していく
わたしたちは
まっかっかになりながら
ふうふう言っている
でも
ここは
地獄ではなく
極楽だから
お茶も
木陰も
氷も
ひんやりスイーツも
ある
だから
暑さにも
感謝して
氣持ちよく
干された
お布団に
くるまって
眠ろう

いま泣いたカラスがもう笑った
ならかわいいけれど
いま捨てたゴミがもうたまった
はおもしろくない
生きるって
どうして
こんなに
よごれを
出して
しまうんだろう
洗濯物は
日々あるし
せっせと出す
ゴミには
きりがない
せめて
家を
美しく
保ちたいと
部屋を掃除するけれど
まだまだ
余計なモノを
持ちすぎているようだ

どこからか
かすかに
笛の音がきこえてくる
しめやかなその
笛の音は
うぐいすの歌声にも
似て
裏になり表になり
しながら
森の方からそっと
響いてくる
神社の神事かと思えば
そうでもなく
その
完成された
古の音色は
しばらくすると
止み
その余韻と
うぐいすの歌
再び
世界が時を刻む


