ナニワのオッサン、カレーの聖地・ナイルレストランでムルギーランチを食べて感動する。 | 井蛙之見(せいあのけん)

井蛙之見(せいあのけん)

毎日、いい音楽を聴いて、好きな本を読み、ロードバイクで戯び
楽しく話し、酒色に耽り(!)、妄想を語り、ぐっすり眠る。
素晴らしきかな人生!
井の中の蛙 大海を知らず 
されど、空の蒼さを知る
(五十路のオッサン、ロードバイクにハマる。)

12月9日(土)二日目①

朝風呂に入り、さっぱりしたところでフロントにカギを預け、駅前の「富士そば」に向かう。

あれだけ夜中煩かったのがウソのように土曜日の朝は静かだった。

カラスだけがにぎやかに啼き、丸々と太った鳩は人が近づいても逃げる様子もない。

まだ駅前の機関車広場あたりには外国人も含め数人確認できた。

富士そばには16年前朝にも行った。こんな時間でも結構な人が入っていた。

ここでも外国人の姿があった。厨房では年配の方がせわしく働いておられた。

こんな時間なのに売り切れの品物もあるらしい繁盛ぶりで、前回と同じく

かき揚げそば(540円)をいただく。店の作りが16年前とは変わったように思う。

関西とは温かい汁(つゆ)の味と、なによりもだしの色が真っ黒でまるで違う。

かき揚げは比較的厚め。これはいい。麺は極細で柔らかめ。

味に関してはノーコメント。これはこれでよろしい。

 

 

帰り際、駅前で100円の缶コーヒーを買い、ホテルに戻る。

ナイルレストランは11時30分開店なので時間を適当につぶし、チェックアウト期限

30分前に連泊なので荷物を預け肩掛けバッグひとつの軽装で出る。

都営地下鉄・浅草線 新橋→東銀座

駅から出て左折し店の場所を確認し開店時間まで1時間半ばかりあるので

進行方向に歩く。

適当なところで途中で左折し、コンビニでシャルドネ茶を買い、さらに歩いていくと

目先にシャレオツな交番があった。

場所を確認すると、大阪では「ええとこだっせ」と唄われる京橋である。

橋を渡るとその横に「警察博物館」というところがあり、無料なので入ってみる。

小さな子供連れの家族とかカップルとかおひとり様のオネエサンといった先客がいて

展示の白バイに跨ったり小さなアトラクションなどを愉しんでいた。

しばし時間をつぶして、来た方角に「銀座一丁目」から順に戻ってゆく。

驚くほどに外国人だらけ。道路に面した大型店は海外の有名ブランド店ばかりが並ぶ。

アンパンで有名な木村屋を見つけたので粒あん(200円)を3個買う。

この大きさは4つ入って150円くらいの奴しか買ったことがない。

しかし、開店したばかりなのに大賑わいだ。

 

もう行くところも思いつかないので「ナイルレストラン」に30分前から並ぶ。2番目だ。

開店。ムルギーランチ(1600円)とインドビール(マハラジャピュルスナー)(750円)

を頼む。ビールには揚げナン(せんべいみたいなものが2枚)ついてきた。

先にビールと潰した揚げナンを片付け、いよいよ待望のムルギーランチだ。

やわらかく煮込まれた鶏レッグが豪快に乗るムルギーランチはインド人の店員さんが

骨を外してくれる。

 

これをサフランライスと盛り付けられたマッシュポテトとキャベツ、グリンピースが

入ったカレーと混ぜて食べる。辛さがあとから追いかけてくる。スパイスの配合が絶妙だ。

70年以上も同じ味を貫いておられる。変わることは決してないそうだ。

食べ終わるのがなんとも惜しい、そんな幸せな時間だった。

インドカレーを愛する者やカレーを供する者たちにとって、ここは聖地だ。

これぞ「銀座ナイルレストラン物語」(水野仁輔)やメディアで見て憧れたカレーだ。

私もスパイスカレーを作り、その一部のカレー粉に「インディラカレー」を使うので

味のディテールは(特に後味や香り)はよくわかる。

 

会計時「うちも赤缶じゃなくてインディラカレーを使ってるんですよ!」といったら

「香りがいいでしょう!」という言葉が返ってきた。

「最高です!」と言って店を後にした。

とてもいい気分だった。