マネキン人形との生活 | むすび

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天巫泰之

高校生の頃に作詞作曲し、ラジカセで録音した「マネキン人形との生活」があります。
音質は悪いですが、歌詞は、マネキンに恋をして、まわりから反対されても結婚し、最後に、マネキンから「あなたはあなた自身を愛しているのです。愛は信頼の中でしか生きていけないのです」といわれる歌詞です。

いずれ、今のような社会、時代になると思っていました。

二次元キャラクターに恋愛感情を覚える人たち、初音ミクと結婚式をあげた方もいますが、少なくとも、私が高校生時代には、二次元キャラクターとの恋愛に、なにか思うことがあったのが歌を聴くとわかります。

アイボというペットロボットにも思うことがありました。
私と過ごしていた猫のミャーちゃん。ペットフードも飽きる。病気をする。外にでかけて心配をかける。ケガをして帰ってくる。だけど甘えてくる。一緒におやすみしてくれる。
なによりもぬくもりがありました。

失恋と別れ、出会いをくりかえして、さまざまな経験をして、人はいろいろなことを感じ、考えるようになります。人の気持ちをくみとること、人の気持ちを感じられるようにもなります。

二次元キャラクターとの交際?は、傷つけ合うこともないし、人間側の都合がまかりとおります。争いもおきないでしょうが、人間関係は摩擦と刺激、異なる考えと感性の衝突があり、自分の思うようにならないからこそ生まれるものがあると思います。楽ではないからこそ、感動と喜びも生まれるのだと私は思っています。


(了)