映画『すずめの戸締まり』を観て | むすび

むすび

天巫泰之

テレビで録画していた、「すずめの戸締まり」を観ました。
感動しました。
こんなに素晴らしい映画をみると、続編だけはつくらないでほしいと思います。

そして、物語のなかにでてくる、「要石」、神さまたちを思うと、切なく、申し訳なく思うのです。要石といえば、鹿島神宮さまと香取神宮さまの境内にも、地震を鎮める石として祀られています。

私が山で遭難しかけたときに、助けてくださった山の神さまたち。
ほかにも、知らず知らずに助けていただいたことは数知れないでしょう。
それでいて、なにかトラブルがある、災害にあうたびに、私達は「この世には神も仏もないものだ」と言います。

日本各地の神社、小さな社、祠に鎮まる神さまたちは、日々、感謝されることもなく、拝まれることもなく、私たちを力のかぎりサポートしてくださっています。
突然、起きてしまう災害には気づかないこともあるでしょう。
それでも、大地震から少しでも被害がないようにと、力を尽くして、なかにはすべての力を使い果たして、この世界からいなくなってしまった神さまたちもいると聞きます。

とある大地震のあと、あちこちの神社に参拝すると、それまでの神気、パワーが感じられず、かすかに感じるものだけで、どうしたのだろうと思っていました。

そんなある日、表にはでていない、とても力の強い能力者の人たちが、少しでも被害を抑えようと、力を使い果たしていて、パワーもしばらくは戻らないでしょうと話してくれました。

神社や祠、あちこちの土地で、土地や人々、動物、植物たちを守り、サポートしてくださっている。神さまのような存在だからこそ、おなじ場所にいる。
私たち人間なら、とてもできないことです。

猫に化身した要石、神さまたちも、何十年も大地から闇のエネルギーがでてこないように、鎮めていても、さすがに嫌になることもあるのだろうと、神さまたちが可哀想でなりませんでした。

                  (了)


星谷光洋MUSIC『大好き』