#若いときに買った苦労【柔道部物語:泣かないで】 | 3587-3823のブログ

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【柔道部物語:泣かないで】

 舘ひろしさんの「泣かないで」という曲が大ヒットしていた昭和の終わりごろのお話です。

 我々の大学には、夜間部に短期大学があり、希望者は、卒業時に試験を受けて全日制(4年制)に編入出来る制度があります。

 2年下の後輩に、体育推薦ではなく一般入試で夜間部に入学し、柔道部に入部してきた物好きな学生がおりました。(わざわざ自分から苦労する事は、無いと思うのですが)

 軽量級で柔道の方も目立って強くいはありませんが、まじめに稽古に励んでいる後輩でした。

 ある日、夕食後にトイレに行く為、廊下にでると、とある部屋の入り口に数人の後輩が何やら集まっていました。

 何をしているのかと思い一緒に覗いてみると、夜間部の後輩が、うつぶせでヘッドホンを大音量にして、「泣かないで」を聴きながら、感情をこめて大声で歌っていました。

 ヘッドホンの音量が大きかったせいか、自分の声の大きさに気が付かず、酔いしれている様子を数人の後輩と一緒に眺めていると、よほど気も良かったのか、引き続き数回もリピートし自分の歌に酔いしれておりました。

 ようやく歌い終わり満足した様で、ヘッドホンを取り振り返ると、入り口から覗いている数人の顔を確認し、酸欠の鯉のように口をパクパクさせて、パニック状態に陥っていました。

 同時に大爆笑が起こり、廊下で悶絶する者や涙を流しながら笑い転げ、大騒ぎになり、他の部屋からも同級生や後輩が廊下に出てきて、大騒ぎになってしまいました。

 その日から、彼は、「泣かないで君」という名誉ある名前が付けられる事となりました。

 そんな彼も、卒業後は、県警に就職し、努力してノンキャリアながら警察署長迄出世しました。

 ある日、キャプテンをしていた、自分の同級生が警視庁の機動隊に進み、柔道の試合の時に、偶然、後輩であった「泣かないで君」を見かけ、懐かしく思い、声をかけた所、お付きの人から「気軽に話しかけないよう」に注意され、後輩に話しかけただけなのに、怒られたと激怒しておりました。

 警察社会の階級制度は、とても厳しいと感じました。

若いときに買った苦労

 

 

 

 

 

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