ペンホルダーは死なず!4(卓球王国Web・アーカイブ) | ペン表卓球への道

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大阪市在住のサラリーマンです。趣味は、卓球、読書などです。大学時代までやっていた卓球を再開しました。現在、卓球練習を週1回2時間、試合を月2回のペースでやってます。

  今日は、卓球王国Webのアーカイブ「ペンホルダーは死なず!Vol.4」の紹介です。


 テーマは、世界で勝てる日本独自のペンホルダーのスタイルとは一体何なのか?と言うことです。

 ポイントは、「ペンホルダーでの両ハンド攻撃と強化なスマッシュ」そして、「日本独自の技術力と戦術、コートまわりの速さ」である。



日本独自のペンホルダーのスタイルを創れば世界で勝てる!


ペンホルダーは死なず!Vol.4       (高島規郎著)

    2021.05.30卓球王国Web
   <卓球王国2007年4月号より>
 


(出典:「卓球王国Web」より・小野誠治選手)




1、ペンホルダーの特性を発揮するための5つの概念



① 世界で活躍したペンホルダーの選手は、「両ハンド攻撃をする」という信念を持っていた


 中国は60年代、荘則棟選手(61、63、65年世界選手権優勝)が出現。彼はひじをローリングさせるバックハンドを使って、世界の頂点に立った。

 日本でも小野誠治選手(79年世界選手権優勝)、その前には高橋浩選手(日本代表として荘則棟に3勝1敗)、河野満選手(77年世界選手権優勝)もバックハンドを振って世界で活躍したり世界の頂点に立った。

 これらの選手はバックは止めるだけでなく「バックハンドを振って、両ハンド攻撃をする」という信念を持っていた選手たちである。

 現在、日本でペンホルダー選手が少なくなってしまった原因は、バックハンドの難しさのせいだろう。選手も指導者もバックハンドを容易に振れるシェークハンドに流れていったのだろう。


②親指を浮かせたショート、ローリングバックハンド、リスト打法

この3打法を使い分ける


 ペンホルダーのキーポイントはバックハンドと言っても過言ではない。

 ひとつは、ふつうの親指を浮かせたバックショート、二つ目はローリングのバックハンド、三つ目はスナップで弾くように打球するリスト打法である。

 この3つの打法を使い分ける必要がある。

 それにひじを締めるようなバックハンドとひじをローリングさせるバックハンドがあるので、これらのバックハンドを身につけていけば攻守のレベルは格段に上がる。

 日本選手は韓国選手までのフットワークがないので、数種類のバックハンド打法を身につけるしかない。

 これは、さほど難しい技術ではないし、もし身につければシェークハンドのバックハンドにも対応できる。ただ相手の戦型やボールの球質によって使い分ける必要はある。

 また、ループドライブに対してはリスト打法で返し、速いボールに対してはローリングバックハンドを使えば良い。また、台から離れて打つ場合は、大きなスイングのバックハンドというように、使い分けることが必要だ。


③ペン裏面不要論?

多彩なバック打法があれば裏面は不要

 高島氏は「ペン裏面打法不要論者」である。

 もし今まで挙げたようなバックハンドのバリエーションがあれば裏面打法を使う必要はない。

 中国の王皓は今のように裏面を使いながら表面も使えるようにすれば、もっと強くなると思う。

 馬琳は同じペンホルダーでありながら裏面も表面も使える。だから安定して大きな大会で優勝にからむ。

 ペンホルダーが現代の卓球から消滅しないのは、その強力なフォアハンドがあるからだ。

 単板、もしくはシェークよりも軽量のペンラケットでもシェークに匹敵するか、それ以上の豪打がフォアハンドで打てる。それに、ペンホルダー選手がスマッシュを打つと誰も取れないようなボールが出る。

 日本のペンホルダーはスマッシュが打てなければペンをやる意味はない。


④日本選手が勝負すべきは、技術力、戦術、それにコートまわりの速さだ


  日本選手はパワーとかスピードを追求しすぎてはいけない。勝負すべきは、技術力、つまりテクニック、戦術、それにコートまわりの速さだ。

 筋力、背筋力で勝負するような卓球ではヨーロッパや韓国選手に力負けをするだろう。

 小野誠治選手は筋力はさほどでもないが、身長が高く巧緻性に長けていた。

 河野満選手もパワーではなく、抜群のテクニック、それにバックハンドのバリエーション、そして台上プレーのうまさがあった。相手ボールのパワーを真正面から受けるのではなく、まず相手のパワーを封じてからラリー展開ができた。

 ペンホルダーはシェークよりも、台上で先手を取れる。ペンは体の前でラケットが自在に動く。だから、細かい変化をつけられるし、台上で先手攻撃がしやすい。

 

⑤中国や韓国の真似ではなく、日本独自のペンを創り出せば、必ずや世界で勝てる


 ヨーロッパ、中国、韓国の選手などはパワー志向の卓球をやっているが、日本選手がそれを見習って、追従しても彼らには勝てない。

 日本選手の技術力、戦術、コートまわりの速さを生かしていけば、ペンでもシェークでも世界で勝てるはずだ。

 もちろん世界で戦うための最低限の筋力は必要だし、その体を作りながら、さらに技術を身につけていけば良い。

 中国が卓球のすべてで、最高峰で、絶対で、それを見習わないといけないと思っていたら、日本は永久に中国には追いつけない。

 日本のペンホルダーは、中国や韓国だけの真似ではなく、日本独自のペンホルダーを創り出していけば、必ずや世界で勝てると断言できる。


ペンホルダーは死なず。「日本独自のスタイルを創れば世界で勝てる」高島<卓球王国2007年4月号より>Penholder Never Dies.ペンホルダーは死なず。Vol.4 [...リンクworld-tt.com



2、まとめ(私的感想)

 1、世界で勝てる日本独自のペンホルダー?

  ①両ハンド攻撃をする

②多彩なバック技術、バックハンドの3打法を使い分ける

・親指を浮かせたバックショート、ローリングバックハンド、スナップで弾くリスト打法

③強力なフォアハンドスマッシュ

④日本選手の武器は、技術力と戦術そしてコートまわりの速さ

⑤日本独自のペンホルダーを創り出せば、必ず世界で勝てる


2、私的感想(今取り入れるべきこと)

①両ハンド攻撃と多彩なバック技術

②技術力と戦術、台上プレーの旨さ

③スマッシュの強化


(出典:「卓球王国Web」より・高島規郎選手)

高島規郎●たかしまのりお

大阪府出身。72、78、79年全日本チャンピオン・75年世界3位・元全日本監督。守備範囲の広い華麗なカットと鋭い攻撃で「ミスター・カットマン」の異名をとった。現役引退後は全日本チームの監督を務めた。また同じカットマンの松下浩二を指導している。卓球理論家として『卓球 戦術ノート』(卓球王国刊)なども執筆