19日の火曜日は午前中に速攻で仕事を片付け、仕事先から市内を散策に出掛ける。

実は今回の旅行の大きな目的があり、そのひとつは

「タイで金を買う」と言うことである。

「金=Gold」なのだが、何故タイで金を買わねばならないのかという事から少し書いてみるが、タイの中華街や金に興味が無い人はここでページを閉じた方が良いと思われる(笑)



他の国はあまり良く分からないが、タイはまだまだ金本位制がメジャーなようで、街のそこかしこに金を売る銀行ならぬ「金行」が点在しており、Tシャツに短パンというラフな装いのタイ人が多く出入りし、様々に加工された金製品を見定めている光景を良く見る。

「有事の金」とは良く聞くが、思わぬタイミングでの国際的金融危機が起こり、紙屑同然になってしまう可能性の高い自国通貨よりも安定度の高い金を持っていた方が安心だという事なのだろう。

そして何より、金は札束よりも持ち運びも容易だし、宝飾品としてのニーズも高いという点もあるだろう。

実際、1990年代後半に起こったアジア通貨危機によりタイバーツも大暴落し、その際に偶然にも金を買っておいたタイの友人が大きな難を逃れた話も聞いていたから「やっぱ金っていいのかねぇ!」等と思ってしまうのである…。

そんな金に興味を持ったのもかれこれ数十年前で、比較的小遣いに余裕があるときにバンコクを訪れると僅かながらにも金を買うようにしていた。

そしてタイ人の多くは金のネックレスを身に付けている人が多く、私もそんなタイ人の気分を味わうなら自身も金の装飾品であるネックレスでも身につけてみようと思ったのが購入するきっかけとなったのである。

しかもその頃の金の価値の上昇率はハンパなく、購入して数ヵ月もするとあっという間に10%台に届く勢いで価格が跳ね上がっていたのだ。

これこそまさに「うなぎ登り」である(笑)

チキンなオレは20%上昇をしたところで売りに出してしまったが、今もその金を持っていたとすれば価値は3倍になっていたのが悔しくてならない(泣)






とりあえず現地のタイ人スタッフには余計な事を言わず、

「悪いけど中華街まで送ってくれないか」

とだけ告げた。

どうしても日本語が喋れるタイ人がいると通訳等で甘えが出てしまうのが嫌だからタイ人は同行させず、「今回は全て自力で乗り切ってやろう」と前々から思っていたのだ。

バンコクの中華街はタイ語で「ヤワラー」と呼ばれ、メインストリートのヤワラー通りはタイ語で「タノンヤワラー」と呼ばれる。

「タノン」というのは大きな通りやメジャーな小さな通りを指す言葉で、路地を指すタイ語は「ソイ」という。








中華街のメインストリートであるヤワラー通り(タノンヤワラー)から1本奥に入ったワニット1通り(ソイワニット1)にその店はあるというが、ドライバーのタイ人はその通りを知らないらしく、道に迷い始めたところでとりあえずクルマから下ろしてもらった。

気温は35度、少し歩くだけで全身から汗が吹き出る陽気だ。

そしてちょうどそこにはバイクタクシー乗り場で休憩していたタイ人がいたのでその通りの場所を聞くと、

「その先の通りがソイワニット1だよ!」

と指差してくれたのだが、噂に聞いていた雑踏の中に佇む金行があるように思えない。

しかしそのまま構わず歩いていくと、どんどんその通りは雑踏に変貌するのである。






ここは衣料品やサンダルや靴を売る店が多く、サンダルにおいては日本円で100円もしない額で買えてしまうほど物価が安いエリア。

近所に住む庶民の強い見方のようで観光客であるオレにとっても居心地がよい。

そしてその混雑した薄暗いソイを更に進むと軒先が途絶えた明るい十字路が現れ、本で見た通りの店が聳えたっていた。






ここはタントーカン。

タイ王室とも緊密な関係にある由緒正しい金行だから、純度の低い金を掴まされる事もボッタクリも無いと言われる。

人によると「タントンカン」と呼ぶ事もあるようだが、ここではタイ人に聞いた通りに「タントーカン」を使うことにする。






混雑する買い物客をかき分け店の入り口を探し店内に入ると、屋外の喧騒とはかけ離れた荘厳な雰囲気が待ち構え、スタッフも落ち着いた風体で少し安心する。




つづく