私の意地   6/24 | わかっていたけど辛かった年下彼氏の裏切りとその後の話もろもろ

わかっていたけど辛かった年下彼氏の裏切りとその後の話もろもろ

雨降って地固まり、
本日も歳の差カップル継続中。

ゴタつきまくりのリフォーム工事。

週末の夕方再打合せになった。

 

営業の担当者の人、

職人さんや現場管理の人、

建具屋さんなど

男の人ばかり6,7人が集まって

来られた。

 

職人の親方さんが言う。

 

「奥さん、

 ここ切らしてもらわらへんやろか」

 

キッチン側の木枠をカットして

広げて大きい木枠になる。

そう言われることはわかって

いたが、

何が何でもそれは阻止したかった。


「そこは切ってほしくないです」

 

「15ミリだけでも」

 

「う~ん、

 だってもともとそんな予定じゃなかった

 ですやん」

 

営業の担当者が口をはさむ。

 

「私のミスで・・申し訳ございません・・

 でも、そこを切らないとですね・・

 はい・・

 お風呂がですね・・入らなくてですね・・」

 

 

「ですから

 それは私には関係のないことですやん。

 (あなたの段取りミスでしょう)」

 

 

「おっしゃる通りでございます・・

 あぁ、そうしましたら、

 あちら側の壁、

 もう一度ぶち抜きましょうか・・」

 

 

「大変ですけど、

 そうしてもらうしかないですね」

 

 

私の言葉に、

今度は大工さんが悲鳴をあげる。

 

「へ?

 また一からでっか?」

 

大工さんの顔が厳しくなる。

これは手ごわい。

妥協しそうになってしまうなと

気を取り直した時、

ちょうどそこにクマオがやって来た。

 

 

「こんにちは!

 お疲れ様です」

 

 

男性陣、心なしかピリっとした。

(やっぱり主が女の私だから

 少し舐められていたのか)

 

 

営業担当者がクマオに説明を

始める。

 

「ご主人様、

 ご迷惑おかけしてすみません・・・

 今、こんな状態でして・・・

 カクカクシカジカ・・

 で、15ミリでございます・・・」

 

クマオが現場に入って行って

話をしてくれている。

 

 

しばらくしてクマオが戻ってきた。

 

「りこちゃん、ちょっと」

 

リビングの方に行くと

クマオが小さい声で言った。

 

 

「りこちゃん、

 切ってもらお。

 な、たった15ミリやんか。

 こんなもんや。

 (指で15ミリの幅を示す)」

 

「切るのはいややねん」

 

「大丈夫。

 15ミリなんてしれてるわ。

 それにな、

 間口は大きい方が

 今後何かと都合がいいで。

 洗濯機とかも大きいのんに

 変えたりとか・・・」

 

「そんなんせーへんもん」

 

「そうか。

 でもな、

 りこちゃん、

 ここはボクの言うこときいて」

 

 

「……」


クマオは私に加勢してくれると

思っていたのだが、

大きく当てが外れた。

 

黙っていると、

「りこちゃん」と言って

クマオが私の頭をポンポンする。

 

顔を見ると優しい笑顔。

 

 

その瞬間、

不思議に気持ちが緩んだ。

クマオがいいって言うならいいか。

そんなふうに思えた。 

だけど同時に

そんな自分がちょっとイヤになる。

 

 

 

「すみません!

 そこ切ってもらって大丈夫ですー」

 

クマオが現場の人たちに言った。

一同ホッとした表情になった。

 



夜クマオに言った。


「何か私、

 恥ずかしかったー。

 急に切ってもらっていいって

 なってさ。

 私も立場っちゅうもんが

 あるやんか。

 ガンガンに切らへんって

 言い切ってたからさ」



クマオが笑う。   

その笑い方が優しかったので

またもや不思議と緩んだ。


私の意地なんて

所詮こんなもんなのか。












梅雨入り。

くせ毛の私はクネクネ。

少しでも快適にしたいな。



濡れ髪にはこれ。

驚くほどスムーズに

髪がとかせる。