クマオよ、惜しいねん  6/11-2 | わかっていたけど辛かった年下彼氏の裏切りとその後の話もろもろ

わかっていたけど辛かった年下彼氏の裏切りとその後の話もろもろ

雨降って地固まり、
本日も歳の差カップル継続中。

想定外にと言うか

(いや、想定内だった

かもしれない)

 

クマオの親知らずの抜歯は

やはりとても大変なことだった。

 

 

果たして夜ご飯を食べに来るのか

どうかもわからない。

聞いてもはっきりしたことを

言わないので、

夜ご飯を準備したものかどうか

迷ったが、

とりあえず茶碗蒸しの準備をして

おいた。

 

 

夜7時半ごろ

クマオが突然やっ来て、

「痛い」とブスっと一言言って

食卓に座る。

 

「何か食べれる?」

「無理」

 

 

「茶碗蒸しは?」の問いには

頷いたので、

茶碗蒸しを出すと、

 

「噛まれへんねん」と言って

入れていた海老もきのこも

かまぼこも三つ葉も、

全部別のお皿に出して、

具のない茶碗蒸しを無言で食べる。

 

食べ終わると、

「頭痛い」とまた一言。

 

 

「クマオさん、

 ちょっと横になる?」

 

そう言うと、

 

「いや、帰るわ」と言う。

 

「わかった。

 何かしてほしいことある?」

 

「ない」


 

恐ろしいほどの不機嫌のまま

帰って行く後ろ姿に、

無理に来なくてもよかったのにと

言いそうになったのを飲み込んだ。

 

 

その後、

クマオが帰ってから

ふと見ると、

 

え?

ソファにカルディの袋が置いてある。

 

何?

中を見ると、

え?え?

いつものあれではないか。

あの「お誕」の駄菓子てんこ盛り。

 

 

 

 

 

中を開けてひとつひとつ見ていくと

中から、

 

 

私が「ほしいほしい」と

言っていた図鑑と

 

 

 

数ヶ月前忽然と姿を消した

AirPods。

不便を感じている私に

新しいのを買ってくれている。

 

何と・・・。

嬉しさよりも

しばらく呆然となってしまった。

 

 

クマオは、

大変な中でも私の誕生日を

意識していてくれた。

そしてこのために

わざわざ無理して来てくれたのだ。

 

そう思うと、

感謝がこみ上げてもいいはず

なのに、

何故か心はぼんやり。

 

 

そう、

クマオさん、惜しいねん。

せっかくなのに惜しすぎる。

せめて1ミリでもいいから

笑って、

「りこちゃん、おめでとう」と

渡してくれていたら

私は飛び上がって喜んで

一生忘れない誕生日になっていた

はずなのに。

きっとクマオだって。

 

 

 

それが残念すぎた2024年の

誕生日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは楽しい。