遅い夕食が始まったその夜
クマオが言う。
「りこちゃん、
明日、○○予約するから
行かへん?」
「○○?
わ~久しぶり!
うんうん
行きたい」
「わかった。
じゃあ、行こう」
これって
もしかして罪滅ぼし兼ご機嫌取り
なのか?
一瞬、そんな思いに囚われる。
だけどそれでもいいではないか。
これがクマオの私への誠意だろう。
つまり真心なんだと受け止めよう。
浮かれた遊びは恋に繋がっても
愛にまでたどり着くとは限らない
わけだし、
現に私は今、
控えめに言ってもクマオからの
揺るぎない愛は感じている。
予約のお店は
牡蠣料理のコース。
「今シーズンは
ここに来れてなかった。
もう最後やからな」とクマオ。
そんなお店に私を連れてきて
くれた。
「ありがとう。
私、幸せ~」
そう言うと、
クマオが照れたように笑った。
だから
私は納得しよう。
言わばクマオの「特別枠」
ということで。