クマオと父親  8/1-2 | わかっていたけど辛かった年下彼氏の裏切りとその後の話もろもろ

わかっていたけど辛かった年下彼氏の裏切りとその後の話もろもろ

雨降って地固まり、
本日も歳の差カップル継続中。

今日こそはクマオが父親と

いっしょにごはんを食べる日。

 

一品でも助けになるかと、

牛ごはんときゅうりの中華漬けを

ことづけた。

 

仕事終わりにスーパーに寄って

いろいろ食材を買い込んだ様子の

クマオ。

 

「何作るの?」と尋ねると

「ポークステーキ。

 タレの分量を教えてほしい」と言う。

 

「ポークステーキなら

 ちょうど厚切りの豚肉もあったし

 言ってくれたら作ってあげたのに」

 

思わずそう言うと、

 

「ええねん、ええねん」と首を振る。

 

 

何だか水臭いなぁと思ったが、

いや違う、

クマオは自分で作って父親に

食べさせてあげたいんだと気づいた。

 

 

クマオは何だかんだ言って

とても両親思いなのだ。

 

 

しばらくすると

作ったポークステーキの写真が

送られてきた。

 

 

そしてついさっき、

今度はクマオと父親の写真が送られて

きた。

 

「飲ませ過ぎた~」とある。

 

 

二人並んで

クマオが父親の肩に手をかけて

自撮りしているその写真。

二人とも満面の笑みだ。

 

 

見ていると、

ほのぼのして

何だか泣けてきそうになった。

 

 

「ボクといっしょに飲むためのグラス」

クマオはそう言って

今年の父の日にペアグラスを買っていたが、

今晩ついにそれの出番だったんだろうな。

 

 

いい時間だったんだなぁと思うと

こっちまで幸せ気分になる。

 

 

 

 

 

結局案じていたことは

何も起きず、

また一つクリアできた気がした。

 

 

 

 

 

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