内部被曝を少しでも低減させる事が重要 | masaaki Suzukiのブログ

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2011年3月11日に発令された『原子力緊急事態宣言』は2021年現在も解除されておらず、今後100年は無理。大手メディアは政権とグル。
この基本が理解出来ないと言ってる事はわからない。

先日、放射能検査体制の現状についてでも触れましたが現状の検査体制では危険ですらあると思います。

しかしなかなか理解してもらえない現状があります。
放射能汚染は気にしてもちまたで公表される数値の信憑性にまで疑問を持つ方が少ないからです。

スクリーニング検査と精密検査を正しく使い分ける事が大変重要です。

スクリーニング検査とは文字どうりあくまでも簡易検査であり、NaI(Tl)検出器を用いた測定器の定量下限値は国の定める『食品中の放射性セシウムスクリーニング法』でも25Bq/kgと規定しています。
ところが問題はそう単純ではありません。
数あるNaI(Tl)のメーカーのカタログスペックには確かに測定下限値1Bq/kgなどと堂々と書いてあります。
そしてさらにやっかいな事にその数値は嘘ではありません。
アイソトープ協会認定機種はCs-137の単一線源で校正を行っており理論値はそうなるのです。
ほとんどの検体に含まれている自然由来のK40などの影響などは考慮していません。
だから机上の計算と実測値は異なるのです。
フクイチ事故前にNaI(Tl)を導入していた研究機関などでも数ベクレルの定量はその測定器の特性上まず不可能と言う事は常識でした。
しかし現在、測定を行っている善良な市民測定所などはその事実を認めたくない気持ちもわかります。
仮に自分が今の仕事とはまったく関係なく一市民として数百万円出してNaI(Tl)の測定器を導入していたら素直に認められないかもしれません。
現に私もNaI(Tl)を使ってきて数値上は0.1Bq/kgまで表示されるので精度の高いゲルマとの比較で数ベクレル精度まで測定が出来るものかとずっと勘違いしておりました。

多くの善良な市民測定所なども同じように遮蔽を強化したりゲルマの測定値とクロスチェックしたり日々大変な努力をされていると思うとこの事実を伝えるのをずっと躊躇しておりました。
しかし同時に10Bq/kg以下のあてにならない数値が一人歩きをしてしまう危険についてもずっと考えてきました。

測定を続けてきて今年は去年に比べ東北、関東の食べ物などは全体的に去年より数値が低くなってきています。
レンコン等一部を除いて出ても7~8Bq/gk程度の検出が多い事を考えますとNaI(Tl)の定量下限値を下回ります。
仮に数値で7Bq/kgと出てもすべてをゲルマとクロスチェックするのは合理的ではありません。

NaI(Tl)はピークとして判別出来るのはせいぜい10Bq/kg程度が限界です。
スペクトルを見てその信憑性が判断出来なければそれはスペクトル分析を行っているのではなくただ出てきた数値を鵜呑みにしているのと同じです。
仮に検体に真の値でセシウムが5Bq/kgあったとしても、理論値で1Bq/kg以下、NDと判定してしまうと一般の方はその数値を信じるしかありません。
何度も書いておりますがセシウムにこれなら安全だと言う閾値はありません。
例え微量であっても確実に蓄積しDNAを破壊します。

また、測定器を販売する為にNaI(Tl)だけを批判している訳ではありません。
こちらでも書きましたがゲルマはNaI(Tl)より感度が悪く長時間の測定が必要にもかかわらず1,000秒程度の測定時間で1Bq/kg以下、NDなどの表示の検査表も多数みました。
ゲルマは導入したからとすぐに正しい測定が出来る訳ではなく高度な専門知識とスキルが必要な研究者向けの測定器です。
ゲルマの数値も鵜呑みにすると大変危険だと感じています。
重量が1tを越え設置場所も限定され価格も1千万円を超えるものも少なくありませんので一善良な市民が導入する事は現実的にはかなり難しいと思います。

当初、NaI(Tl)をもてはやしていた御用学者なども現在はゲルマしか数値の信憑性がないような事を言い始めたのにも危険を感じております。

私の第一の目標はまずは市民レベルで皆で協力し情報を交換しながら1Bq/kg精度の測定が皆で正確に出来るようになる事です。
ご存知のとうり放射能測定は大変難しく私もまだまだ勉強中の身ですがゲルマを知り尽くしたエキスパートの技術者がいるメーカーの測定器を普及させる事こそ間接的に内部被曝を低減させる事にもつながると強く感じています。

正しい測定を普及させる事が今の私に出来る事ではないかと思います。