放射能検査体制の現状について | masaaki Suzukiのブログ

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2011年3月11日に発令された『原子力緊急事態宣言』は2021年現在も解除されておらず、今後100年は無理。大手メディアは政権とグル。
この基本が理解出来ないと言ってる事はわからない。

以前より憂慮している国内の検査体制についてですがお2人の方から現状を心配され
ご連絡を頂きました。


以下、差し障りがない範囲で原文で記載します。


特定非営利活動法人北海道放射能分析センター
http://housyanou-bunseki.com/%e6%94%be%e5%b0%84%e8%83%bd%e6%b8%ac%e5%ae%9a%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%93%e3%82%b9/
十勝地域の学校給食センターなどに独自の測定器を持っている自治体は別として、
持たない自治体の幾つかがこの測定所に検査を出しています。※例え、仮にサンプルの密度が1.0g/cm3程度のものであったとしても、

15分間の測定で、このような検出下限値が得られよう筈もなく、
見過ごし難いものがあります。

ちなみに、現在の居住地の自治体である、新得町の学校給食センターが
ここに依頼し、町のホームページ上で公表されている数値は以下のように
なっています。
http://www.shintoku-town.jp/files/material/261016kutuhousyasenn.pdf

検査品目 りんご
産地 青森県

I-131  検出せず (検出限界値 2.63ベクレル)
Cs-134 検出せず (同 2.42ベクレル)
Cs-137 検出せず (同 2.81ベクレル)

品目がリンゴで、密度は1に近いであろう事から、多分15分間測定
の結果として出している可能性が高いと察せられます。

これを一般の住民が見れば、2.5ベクレル以下で不検出と受け止める事でしょう。
しかし、この検出限界値は基本的に無意味であって、事実誤認を起こさせるもの
以外ではないと言えるであろうと思います。


*引用終わり


また、もう一人の方からは下記の測定検査の信憑性を聞かれました。

http://www.project-food.net/

何度もお答えしておりますがNaI(TI)シンチレーション式検出器の定量下限値は国の定める『食品中の放射性セシウムスクリーニング法』でも25Bq/kgと規定しており、現実的に国の基準値であるセシウム10Bq/kgである飲料の検査など10Bq/kg以下のセシウム検査は困難です。

現状で国内に多く出回っているNaI(TI)はゲルマ以外のほぼ99%を占めていると思われます。
10Bq/kg以下の数値の信憑性には大きな疑問があります。
現状では10Bq/kg程度の検査はザル状態です。

スクリーニグ検査と精密検査の使い分けが必要です。

昔から測定を行っている機関ではもちろんそれをちゃんとわかっています。
同位体研究所で下記の記述があります。

http://www.radio-isotope.jp/tech/regulatory_limit.html
簡易計測と精密計測をどのように使い分けるか。
それでは、NaIシンチレーション検出器とゲルマニウム半導体検出器をどのように使い分ける事ができるでしょうか。
もし放射性セシウムの含有が非常に低い、またはほとんどない食品の場合であればスクリーニング検査として測定を行い50 Bq/kgを超える値があるかを検証します。 NaIシンチレーション検出器の定量下限はおおよそ20~50 Bq/kg程度(測定時間を長くとると10 Bq/kg程度まで下がる)ですので、規制値100Bq/kgに対して,50%の水準である50 Bq/kgを超えるかどうかを測定できます。

定量下限50 Bq/kgのNaIシンチレーション検出器で、「検出なし」であれば、規制値への適合は確保されると考えられます。 もしNaIシンチレーション検出器で規制値の50%(つまり一般食品で50 Bq/kg)を超える検出があれば、ゲルマニウム半導体検出器による確定測定を実施し、含有量を確定する事が妥当となります。
牛乳・乳児用食品、飲料水については、ゲルマニウム半導体検出器での測定が必要
一般食品については、新規制後もNaIシンチレーション検出器での測定をスクリーニングとして使用は可能です。 しかし飲料水については、ゲルマニウム半導体検出器以外では、検査は困難です。 また乳児用食品・牛乳の場合、規制値の50%が25 Bq/kgとNaIシンチレーション検出器の定量下限付近となる事から、やはりゲルマニウム半導体検出器での測定が望ましいと考えられます。
新規制の導入により、一般食品は、NaIシンチレーション検出器によるスクリーニング検査とゲルマニウム半導体検出器による確定検査という構成が一般的となるでしょう。 また牛乳・乳児食品・飲料水については、ゲルマニウム半導体検出装置による測定が必要となります。

*引用終わり

つくば分析センターなどが設定しているNaIの測定下限値は正しいと思います。

NaI(標準コース)測定下限値 20Bq/kg

NaI(精密コース)測定下限値 10Bq/kg

http://www.tacnet.jp/radiation/

一般の人はNDとなっていれば安心してしまいますが測定している測定器にもっと注意を払うべきだと
思います。

ゲルマであっても測定時間が十分かちゃんとスペクトル表を出してくれるかなどは最低限注意すべきです。


放射能測定器の種類と選び方