2022年7月5日

 

 

皆さん、連日の真夏日更新の日々、お元気ですか。

 

猛暑の中、7月になりました。  7月7日は「七夕」。

 

子供のころから、馴染みのある「七夕伝説」、「織姫(おりひめ)」と彦星

(ひこぼし)」が、年に一度、天の川を渡って、会うことの出来る日と

されています。

 

 今回は、そんな「七夕」のお話をしてみたいと思います。

 

「七夕」に関わる行事は、中国からの由来とされていて、日本では、

奈良時代から、朝廷や貴族の間で行われた行事として記録されています。

 

 「七夕」に因んだお話から見ていきましょう。

 

 

 物語の主役「織姫(おりひめ)」は、天帝の娘で、機織り(はたおり)

が得意で、また大変働き者でした。一方の「彦星(ひこぼし)」は、

牛使いで、こちらも皆が知る働き者でした。

 

 なお、日本の昔話では、「織姫」と「彦星」と呼ばれ、中国では、

「織女(しょじょ)」と「牽牛(けんぎゅう)」という呼び名になって

います。

 

 さて、そんな二人が出会って仲良くなり、天帝の許しを得て、結婚に

至ります。

 

 二人は、仲睦ましく暮らしていましたが、楽しさに溺れ、織姫は次第に

機を織らくなり、彦星も牛を追わなくなってしまいました。

 

 天帝が、何度注意をしても二人は聞く耳をもちません。遂には、天帝の

怒りを買ってしまい、天の川の両岸に引き離されてしまいます。

 

 二人が、あまりに気落ちして、泣いてばかりいるので、天帝もさすがに

かわいそうに思い、以前のように真面目に働くことを約束事として、年に

一度だけ、7月7日に会うことが許されたという私たちが子供の頃から、

慣れ親しんだお話です。

 

 そんな二人のお話は、見上げた夜空を舞台に繰り広げられます。

 

 北の方向に位置する、琴の形をした星座が「こと座」。この中で、

一番明るく輝アルファ星(アルファ星とは、全天21の1等星の一つ)

が、「織姫星」と言われる「ベガ」、そして「彦星」は、わし座の中の

「アルタイル」です。わし座は、羽を広げたわしを姿を表しており、夏を

代表する星座の一つとされています。

 

 実際は、この「ベガ」は、地球から 25光年、「アルタミラ」は、 

15光年という彼方に光輝く星です。

 

 このような広大な宇宙の中で、7月7日に「天の川」を渡って会うこと

を許され二人ですが、当日、無情にも雨が降って、天の川の水かさが

増してしまい、天の川を渡れなくなってしまうと、チャンスは1日のみ、

雨天順延というわけにはいきません。

 

 そこで、「ベガ」「アルタミラ」の2つの星座の間に位置する「白鳥座」

の中の「デフネ※」という名の星があります。デフネは別名「鵲(かささぎ)

星」と呼ばれています。雨天になると、鵲たちが現れて翼を並べて橋を架け、

二人の逢瀬を助けというのです。

 

 (※ デフネに纏わるギリシャ神話の話は、2021年12月2日のこのブログ

    「キューピッド(エロス)物語」で「月桂樹」の云われとして紹介して

    います)

 

 このような美しい話をもつ「ベガ」「アルタイル」そして「デフネ」の星は、

「夏の大三角形」と呼ばれる「七夕」のスター星です。

 

 さて、ここで、もう一つのの主役「天の川」の着目します。

 

「天の川」は、子供のころ、長野や沖縄等々、空気の澄んだ地域に行くと、

夜空に白く川のように見えました。流れ星も見えたりして‥‥

 

 「天の川」とは、「銀河系」のことです。渦巻き状に拡がる一千億もの

星の集まで、星が幾重にも重なって川のように見えているのです。

 

 「天の川」の存在は、古から認識されており、「古事記」や「万葉集」にも

記されており、エジプトでは、「天上のナイル」と呼ばれているそうです。

 

 因みに、「天の川」は英語で「ミルキーウエイ」といいます。ギリシャ

神話では、「ゼウス」の子供で、やんちゃな「ヘラクレス」がまだ赤ん坊の

とき、母親の女神「ヘラ」のお乳を吸いすぎて、ミルクがあふれ出し、夜空に

広がったという話になっています。 

 

 ところで、七夕の行事というと、笹の枝を立てかけて、その葉にお祈りを

書いた短冊を結ぶ習慣が、全国でありますね。今でも、子供たちが学校で、

それから街でも商店のアーケードに飾られているのを目にします。

 

 この風習は、奈良時代に中国から伝わったとされています。それは、

機織りが織姫のように上手になるようにと、「たなばたつめ」と呼ばれる

女性が機で織った布を神様へ捧げ、お祈りすることを「たなばた」と言って

いたとのことです。

 

 その後、「しちせき(七夕)」と呼ばれ、朝廷や貴族の行事となりました。

 

  当時、布を織る糸は高価であったため、代わりに紙を使うようになり、

更に、機織り だけでなく、手芸や習い事を含む多くの願い事や、人々が

病気や様々な災害から身を守る厄除けの意味を込めて、今日の短冊の形と

なり、江戸時代からは、庶民の間でも、七夕の風習として広まっていき

ました。

 

 今でも、七夕の風物詩として、東北の仙台や神奈川県の平塚、そして

東京でも阿佐ヶ谷の商店街での飾りけが見事ですね。毎年、多くの人で

賑わいます。

 

  現代の私たちの回りでは、世界的なコロナの蔓延や、異常気象や多くの

自然災害発生しています。更には、ウクライナ危機に端を発した混乱が

続く中、今年も七夕を迎えます。

 

 夜空を見上げながら、家族や世界の人々の健康と平和を願う日にしたい

ですね。

 

 

(天の川)