高齢者にとって「食事」は、ただの栄養補給でしょうか?
高齢者の方にとって、食事は一日の中でも大きな楽しみの一つです。
ところが最近、介護施設などで
「朝も宅配弁当、昼も宅配弁当、夜も宅配弁当」
というように、三食とも宅配のお弁当になっているケースがあります。
もちろん、調理する人がいない、人手が足りないという現実はあります。
施設側だけを責めることもできません。
でも……
「調理する人がいないから、宅配弁当で仕方がない」
で終わってしまって、本当にいいのでしょうか?
高齢者にとって食事は、単にカロリーや栄養を満たせばいいものではありません。
「今日は何が出てくるんだろう」
「今日のご飯は美味しかった」
「季節の料理が食べられた」
「隣の人と、美味しいねと話せた」
そういう時間も、介護の大切な部分ではないでしょうか。
私は、宅配弁当そのものを否定しているわけではありません。
宅配でもいいと思います。
ただ、宅配業者さんと施設が工夫して、
・温かいものは温かく
・季節を感じられる料理を取り入れる
・高齢者が食べやすい味や硬さにする
・同じようなおかずばかりにしない
・時には「今日はこれを食べたい」と選べるようにする
・盛り付けや見た目も大切にする
そういったことはできるのではないでしょうか。
「人がいないからできない」ではなく、
「人がいなくても、どうしたら美味しい食事を提供できるか」
を考えることが必要なのだと思います。
調理員さんを施設で雇うことが難しいのであれば、地域の飲食店や給食事業者、宅配業者などと連携して、施設ではできないことを外部の力を借りて実現する方法もあるはずです。
高齢者の方にとって、食事は毎日3回あります。
365日×3回。
それだけの回数の食事が、単なる「弁当を配って食べてもらう時間」になってしまうのは、あまりにも寂しいと思います。
介護は、命を守ることだけではなく、その人らしく生活することを支えること。
だったら、食事も「生きるため」だけではなく、
**「楽しむための食事」**であってほしいと思います。