「病院なら大問題なのに、介護施設なら問題にならない?」

少し気になることがありました。

ある施設の利用者さんが、利用中に目もうつろで、食欲もなく、歩くと右側に倒れそうな状態だったそうです。

しかも、その事業所には看護師も医師もいます。

それでも、利用中に適切な対応をするのではなく、途中でケアマネジャーに連絡したのか不明ですが、そのまま過ごされたと聞きました。

その後ケアマネには報告があり、病院に受診されました。

私は、この対応について疑問を感じます。

もちろん、介護施設と病院では役割が違います。

介護施設ですべての病気を診断・治療できるわけではありません。

しかし、

「いつもと違う」「明らかに体調がおかしい」「転倒しそう」「食事がとれない」

という状態を確認したのであれば、まず安全を確保し、必要に応じて看護師や医師が状態を確認し、ご家族やケアマネジャー、場合によっては医療機関につなぐことが必要なのではないでしょうか。

病院で患者さんが同じような状態になっていたら、

「目もうつろですが、そのまま過ごしてもらいました」

では済まないと思います。

では、なぜ介護の現場になると、

「事故にならなかったから問題ない」

「様子を見ていました」

で終わってしまうのでしょうか。

本当に大切なのは、事故が起きてから対応することではなく、事故になる前に異変を見つけて対応することではないでしょうか。

特に高齢者の場合、脱水、低血糖、感染症、脳血管疾患など、最初は「なんとなく元気がない」「食欲がない」「ふらつく」といった小さな変化から始まることもあります。

だからこそ、介護現場では、

「いつもと違う」

という職員の気づきを大切にしてほしいと思います。

そして、看護師や医師が配置されている事業所であれば、なおさら、

「この状態で、このまま利用を続けて大丈夫なのか?」

という判断をしてほしいと思います。

これは、特定の施設を責めたいという話ではありません。

介護サービスを利用する高齢者や、そのご家族が安心できるためにも、

「事故が起きなかったから大丈夫」ではなく、「事故が起きる前に適切な対応ができたのか」

という視点で、介護現場の安全管理を考えていく必要があるのではないでしょうか。

介護も医療も、何か起きてからでは遅いことがあります。

利用者さんの「いつもと違う」を、もっと大切にしてほしいと思います。