櫻  23 最終話 | シンイ二次小説でんべのブログ

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上座の前で二人は向かい合いお辞儀を
している。
この地では両班であろうとも
王様、王妃様がお出ましになり
婚儀を執り行う事はないが
この二人は特別な存在と国の内外に
発信したいとの
思惑があるのだろうか。
重臣らは婚儀には参列はしておりは
しないがヨンに近しいウダルチ、
ウンスに近しいチョニシの皆々は
参列を許されていた。
唯一の縁者であるチェ尚宮は
既に目頭を赤らめているようだ。

「うふふ・・・緊張しちゃうね。
でもヨン?ヨンの衣装と私の衣装
この白地の部分は意味が
あるのかしら?なんだかこうして
並んでみると繋がってるんだもの」

「そうだな。意味があるやも知れぬ
な・・・叔母上の悪戯であろうな。
全く年寄りには困りものだな」

チェ家本願である鉄原より
住職を招き、永遠(とわ)の契りを
結ぶありがたいお経が流れて
いる。あれよあれよと
厳かな時が流れ、厳粛な静けさの中
住職の鈴の音が高々に響くと
ありがたいお言葉で締めくくられた。

「これにてお二人の永遠の契りは
結ばれましたぞ。
死して尚も結ばれ来世でも
結ばれることが確約された由
安堵されよ」

「ご苦労であった住職よ
さぁ、お掛け下され。
皆も今日のよき日に野暮は言わぬ
無礼講じゃ!飲め!食せ!
騒ぎ二人を祝おうぞ!!」

「「「おお~~!!」」」

ウダルチから歓喜の雄叫びが
上がり、酒を片手に
ドタドタっと上座に駆け寄り
次から次へと祝いの言葉を
述べている。

「護軍!医仙様、否、奥方様
本日のよき日を某は忘れる事は
決して忘れる事は御座いませぬ。
医仙様がお里に戻らず
こうして護軍の横に並んで
くださった事、某は嬉しく思うと
ともに、感謝しかありませぬ」

「そうですよ!俺も医仙様が
残ってくれてうれしいです。
これで護軍の鬼鍛練も少しは
楽になるはずですから!痛っっ」

チュンソクとともに満面の笑みを
浮かべながら上座に現れた
トクマンに一発蹴りを入れたのは
チェ尚宮であった。

「馬鹿者が!鍛練が楽になるとは
なんと浅ましい考えじゃ!。
王様の御前で王様の近衛が
何を申すのじゃ!!戯けが!
ヨン!こやつの鍛練はより厳しく
せねばならぬぞ」

「分かっておる。
トクマン!明日から覚悟しておれ」

「えっ・・・そんな~~~・・・」

嘆き悲しむトクマンをよそに
王様、王妃様が席を立たれる。
そして思いもしない
さぷらいずがその口から明らかに
なった。

「護軍?医仙殿?立たれよ。
出迎えて欲しい者達がおるのじゃ
困難な道のりを娘会いたさに
来られたのじゃ。柳殿入られよ」

「えっ?む、柳…えっ?!」

王様のお言葉と同時に上座
後方の垂れ幕が剥がされ
そこから現れたのが
ウンスの両親の姿であった。

泣きはらしたのか目を腫らし
夫に支えられながらも
気丈に前をむく母親である。

「ウンス・・・」

「アボジ、オモニ!どうして、
どうしてここに居るの?
どうやって来れたの?!」

「ウンスや?綺麗だ。
お前の晴れ姿を観る事が出来たのは
息子になった男がいてな・・・
なに心配いらないさ、お前の手紙を
届けてくれてな。しっかり話を
聞かせてもらったんだ。
詳しい話は後々ゆっくりと
聞かせてもらうとして
今は婚儀を喜びたいんだ。
花婿はあのチェ・ヨンと?
本当か?」

ちらちらとウンスの隣で頭を垂れる
ヨンに目線をやりながら父親は
ウンスに問う。

「義父上様…義母上様
初めてお目にかかります
某チェ・ヨンと申します。
天界より大事な娘御を拐い
お返しできずにいる事を
幾重にもお詫び申し上げると
ともに、如何なる処罰も某が
受けます故、ウンスを・・・
ウンスと某を引き離す事だけは
お許し願いたいのです」

両親の前に膝まずき頭を垂れ
許しを乞う姿を両親はじっと見つめ
ていた。

「アボジ…私が戻らないと言ったの
この人は悪くない。だからだから
怒らないであげてよ。
それより息子ってまさか
キ・チョル?」

「ウンスや、怒りはしてないさ。
ただな親なんだから小言のひとつや
ふたつ位言わせてくれ。
そりゃ王様にも怒ってやったぞ。
うちの大事な一人娘になんて事
してくれたんだってな。
人の子の親なら誰でも持つ感情だから
王様も分かってくだされたぞ。
今はよき友になったさ
酒も夜通し飲み交わし随分
婚儀のサプライズを考えたんだ」

「護軍、医仙、余は御父上
御母上とお会いできた事に感謝を
述べるとともに謝罪も述べ
させてもらった故、蟠りもいくぶん
かは解けたと思っておるのだ。
それでだ…二人の衣装の白地部分
の謎時を御母上殿にしてもらう
としないか?」

大好きな両親に会え
息子となったキ・チョルは
どうしているのか、謎は残るが
先ずは婚儀を無事に終わらせる
為に王様はさぷらいずを
優先させたようである。そして
二人の衣装の白地の部分
その謎が明らかになる。

「ウンスや、少し濡れちゃうけど
まだ寒くはないし大丈夫よね?
さっいくわよ、うふふっ」

「えっ?オモニ?
あ、これって・・・あ~あ
炙り絵?違うな、呼び名
忘れたかも・・・」

「黙って頂戴、先に仕上げたいから
・・・よし、今度はヨンさんよ。
失礼しますね」

ウンスの白地をとんとんと
濡れたおしぼりで水分を含ませると
あれよあれよと言うまに
文字が浮き出る。
そしてヨンの衣も同様に
すると、なんとそこには
・・・・。
ウンスにとっては
漢字を使う習慣がない
故郷である韓国では
読み取れない漢字が並んでいた
それは「 偕老同穴」

「見事である。婚儀に相応しい
熟語じゃ、意味は護軍ならば
理解できるであろう?医仙殿に
護軍の口から説明して
差し上げなさい」

王様から許しをもらいヨンは
「偕老同穴」の身振り手振りを
交え説明していた。
ともに暮らしともに老い
ともに同じ墓に入る
それを称して「かいろうどうけつ」
と言うと。

「そうなんだね。
素敵な言葉、ともに生き
ともに年老いて行くなんて
この時代では難しい事なのかも
知れないけど、頑張ろうね
あ、な、た・・・そして
これからよろしくお願いします」

その時である。
バシャバシャとウンスには
耳慣れた音ではあったが
ヨンを始めとする者は
警戒し、ウダルチなどは
剣を抜く有り様であった。

「そなたはキ・チョル?
何ゆえそのような顔になって
おる?」

「久しぶりだな。
この空気も風もじめっとした
湿気も・・・でもな??
エアコンがあるから彼方の世は
快適なんだよな…あ、この顔か
先ずは傷痕を分からないように
美容整形したのさ。
フランケンシュタインだと
からかわれる事が何回もあってな
テレビジョンに出てたんだが
そしたら支援を名乗り出て
くれた恩人がおり今に至るって
事だよ」

「養子縁組みしたの?
私のお兄さんになったの?
でもすごいイケメン過ぎない?
面影と言えば体格と頭の形と
そんなものよ。
顔は・・・えっと誰かに似てるん
だけど名前が出てこない~!
・・・」

「この顔か?
これは知らぬか・・・?
これからの韓国を背負う男に
なるはずの俺の恩人だ。
まぁそんな事はどうでもいい
結婚式を進めないとな。
記念撮影しようではないか
義父や義母が現代に帰っても
寂しくないようにな
さお、王様や二人を囲んで
笑顔でな」

カメラなど見たこともない
高麗の皆は、王様にも促され
ヨンやウンスを囲い
ひきつった顔をさせていたが
「笑みを浮かべよ!」との
王様の激に皆が白い歯を出し
笑顔を見せる。

王様、王妃様、ウンスの両親
ヨンの唯一の身内であるチェ尚宮
皆の瞳が潤んでいたが
ヨンとウンスは満面の笑みを
浮かべ写真に収まる。

それから色々話をした。
キ・チョルがどんな経緯を経て
養子とったのか?
どうやって六百年前に降り立つ
事ができたのか?
ウンスの里である現代に戻る
のか?


一月(ひとつき)後
キ・チョルを伴い両親は
彼の地へ戻って言った。
「今度はウンスの赤ちゃんが
出来た時、また来るから」と
言い残していた。
涙で見送るウンス・・・
なれどヨンと二人これから先
穏やかに暮らし
笑顔の絶やさない家庭を築く
事で両親への親孝行になると
信じその輿が見えなくなるまで
手を振り続けていたのであった。




・・・・・
皆様新年明けましておめでとう
ございます。
櫻、漸く完結致しました。
更新もままならない中
年越しイベントや
過去記事をお読み下さり
感謝しかありません。

ありがとうございます。

さてこれから
どうしましょう??
ネタがないんです。
頭の中が空っぽです
何方かお題をください~~💦



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