鈴蘭  86(最終話) | シンイ二次小説でんべのブログ

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(最終話)

この時代にはなかった選挙制度を
用い王と王妃になったふたり。
ウンスは、自身が知りうる歴史を
変えてしまったかもとの後悔は
なかった。
あの時から五年の月日が流れ
その折、腹に宿した子も
五歳となり名をヨウンと名付けた。
ヤンチャ盛りまっしぐらと
言えようか・・・。
二人が役目に赴く折りは
ウンスの両親が
孫のお守りを快く引き受け
何でも許す溺愛ぶりが
幸か不幸か今に至る。
王宮内を駆け回り
皆に笑顔を振り撒き
名を呼ばれたなら「あい!」
っと、振り返り駆け寄ると
ペコリっと会釈をする愛らしさに
誰もが黙認する有り様なのであった。

時にはすってんころりと
盛大に転び擦り傷をこさえ
母親であり王妃であるウンスの元へ
と、強制的に連れ込まれ
お目玉を食らう。
日々こんな暮らしをしていた。

一方王であるヨンが戦に赴く事が
あり、腹心であり右腕と自負する
チュンソクが片時も側を離れず
時にはヨンの盾となり、時には
背後を守りと息も付かぬ
活躍ぶりを発揮し、「やはり
某がそばに居なければならぬ。
王様に万が一など許される
事ではないのだから・・・」
毎回そう鼻息も荒く独り言を
呟きながら奮闘する姿が
テマンやトクマンから見れば
王様の方がずっとずっと
お強いのに・・・っと苦笑いを
浮かべる事が多いのであった。


晴れ渡る秋口の頃、ウンスの提案で
天皇、皇后、嫡男で有らせられる
トウ様やヨンとウンス、ヨウンと
ご両親。
ウダルチの仲間でピクニックに
川辺へと繰り出していた。

「素晴らしき景色じゃのぅ~皇后や」

「はい、殿下。トウもヨウン殿と
打ち解けたご様子にて安堵致して
おります。観てくだされ王妃?」

「えぇぇ、皇后様…マイナスイオンを
全身で感じてますね、ほんと
新鮮が空気ですよ。こんな
平和な時代が長く続く事を
本当に願っています」

川辺に絨毯を敷き円になり
腰を降ろす面々。
少し先ではトウとヨウンが
水を掛け合いきゃきゃっとはしゃいで
いる。
ウンスは両手を広げ清んだ空気を
浴び、吸い込み満面の笑みを
浮かべる。

「ま、まいな…?とな?」

慣れ親しんだウンスの世の言葉
でも今まで聴いた覚えのない
単語にヨンが直ぐ様食いつく。

「マイナスイオンよ。
うふふっ、自然豊かなこう言う
場所で浴びる空気というか
風と言うか…緑が豊かで
川の透明度も抜群で心が
洗われるそんな場所で発せられる
自然の力の事を言うのよ。
私の世界やヨンジュンの世界は
ごみごみしていて自然って
あまりなかったの。
人が手を加え、木を伐採し
宅地にしたり大きなビルを作ったり
と、悲しい限りだった・・・。
アボジ、オモニが居た田舎は
まだ自然があったけど
江南は少なかったなぁ・・・」

「・・・ゆるりと浴びると良い。
天界が懐かしいのか?
いつでも行ってよいのだぞ」

一瞬寂しい顔を見せたウンスを
ヨンは見逃さず優しく問うてみる。

「ううん…貴方とヨウンと
この地で暮らす。
そして…もうひとりお腹に・・」

「あんっ?腹におると?」

「ええ…間違いないわ。
ヨウンに兄弟ができるわ」

「な、何故早く言わぬのだ。
このような遠でをし、馬車に
一刻も揺られ、腹の子に何か
あれば如何する」

「そんなにまくし立てないでよ~
だって言えばヨウンの時のように
篭の鳥になってしまうと
思ったんだもの。
ピクニックはすごい楽しみに
していたし、赤ちゃんにも
この自然を感じて欲しいと
おもっから…それに、二人目だから
大丈夫よ」

ぷぅ~っと頬を膨らませる
ウンス・・・ヨウンの折は
悪阻が収まり食欲も増しても
ヨンはウンスを離さず
医員としての役目をさせず
常にそばにおき、過保護極まりない
日々を過ごしていたのだ。
いくら妊娠時は病気ではないと
話して聞かせても耳を貸さず
大変な思いをした時期であった。

「そ、それはだな・・・ウンスを
案じてだな・・・」

らしくもなく
ぐぅの根も言えないヨンでは
あったが、天皇が助け船を出す。

「余も同じ事をするぞ。
皇后をおんぶし、歩かせはせぬ。
それだけ大事と言う証じゃ」

「うふふっ…そう言う事に
しておきます。
家族が増える分愛情も二倍
かしら??」

平和な時代がくるとは
限らずまたどこかの国から
侵略を受けるやも知れないが
きっと…いや必ずや王であり
この国最強の武将チェ・ヨンが
護り抜き、家族を、天皇一家を、
民を護り抜くに違いない。
誰もがそう思い川辺に集う
仲間は笑みを絶やさず
いつまでもいつまでも話が
尽きる事はなかったのであった。




・・・・・

皆様こんにちは。
突然ですが完話となりました~💦
お付き合いありがとうございました。

次はとりあえず7月7日正午に
お会いしますが
その次は白紙の状態です。
辞めるか続けるか何も決めて
ません。ネタがないのと
どの話を描いてもマンネリでして
描く本人が嫌になってます。
変化が欲しい。意欲が欲しい。
そんな所です。

では追悼イベントで
お会いしましょう。

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