鈴蘭  47 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「叔母様!!」

「ふっ…ウンス!駆けれるか?」

「は、はい…でも屋敷にはお爺さん
残してます。一人にしておけません
私連れてきますから!!」

「ならぬ。爺さんならスリバンに
任せるがよかろう。
ウンスは私と王宮へ急がねば…
ほれ、手を、はぐれてはならぬゆえ」

叔母が息を深く吐き、仔細は
飲み込めた様子で
ウンスに手を差しのべ
スリバンが待機する屋根へと
目配せする。
そして屋根からドスっと落ちてきた
剣を拾いあげると
母が子の手を離さぬようにぎゅっと
握りしめ駆けだすのである。

市井の道は逃げ惑う民衆で溢れ
脚の踏み場もないほどであった。
流れに逆らうように進むのは
困難と判断した叔母は屋根伝いを
見上げる。

「ウンスは登れぬな・・・」

「チェ尚宮~!!こっちだ!
早く登りな」

頭上より聴こえるマンボ姉の声に
叔母はウンスを連れ路地裏へと回る。
そこには梯が立て掛けてあり
叔母はウンスを先に登らせる。

「私に構うでない。
早く登りなさい。マンボ!?
ウンスを王宮へ!」

「あいよ!任せな!
あんたは一人で大丈夫だろう?」

「ふんっ!私を誰だと
思うておる。雑魚の百や二百
指先でねじ伏せてやるわ。
ウンス!王妃様を頼むぞ!」

「で、でも叔母様~~」

マンボ姉に向け叔母は手で
しっしっと追い払う仕草を
見せ、右往左往する民衆の中へ
姿を消すのであった。

それからと言うもの屋根伝いに
どう駆けたのか全く記憶が乏しい
ウンス…。
気が付けば王宮塀の前であった。

「マンボ姐さん
叔母様お一人で大丈夫かしら」

「心配ないさ。武閣氏の長を
長年あの細身に背負ってきたんだ。
それに禁軍も総動員しているじゃ
ないか。けろっとして戻って
くるさ。そんな事より足元に
気をつけるんだよ」

「うん!そうですよね…あ、はい。
おっと!危ない!」

マンボがしっかりとウンスの腕を
掴み、危うくなりそうになると
その腕を引き寄せながら
どうにか王宮まで
たどり着いたのである。


・・・・・

残党を一網打尽にすべく
ヨンは愛馬チュホンを走らせる。
他の馬なら市井や王宮まで
一刻はようするがチュホンならば
半刻駆けれる。
下手をすれば先に行った
チュンソクをも追い越す勢いで
風を切り、暗闇になろうとしていた
でこぼこ道を駆けだす。
気ばかり焦り、チュホンには
無理をさせていたのであった。

元々、農民の集まりに過ぎぬ
児の一派は、ヨンの雷功で
恐れおののき散り散りに
国境へと尻尾を巻き逃げ出したが
児だけは斬り捨てるしかなかった。
その躯を誰一人として
振り返ることなく、我が身大事な
ところに元の衰退が伺える。
仮に軍隊ならばヨンの内功などは
知れ渡っており、逃げ惑うことも
なかったはず。

「ウンス、待っておれ。
すぐに着くゆえ」


・・・・・

その頃市井では王宮留守組み
禁軍が市井の鎮圧に苦戦していた。
なんど排除しても次から次に
露店を荒らす者、若い女人を目に
すると路地裏へ引きずり込もうと
する者が現れるのである。
そんな中、叔母は一人奮闘していた
時に、禁軍に激を飛ばし時に
泣き叫ぶ幼子を抱き上げ
親子の元へ戻したりしていたので
ある。そんな時、禁軍の兵士が
王宮から王様の伝言を伝え
大声を張り上げていた。

「皆!!王宮へ逃げよ。
王様がお助けくださる!!」

「「おぉ~~」」

その声を耳にした
市井の民は、我先にとばかり
人でごった反す市井を王宮へ向け
一斉に駆け出すのであった。


・・・・・

皆様おはようございます。

今日は鈴蘭の更新です。
まだヨンとウンスは会えてない!
ゆるゆる更新ですが
お付き合いくださいませ。

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