鈴蘭  21 | シンイ二次小説でんべのブログ

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テマンはチェ家に向かい
屋根伝いに加速をます。
「箪笥の中の袋、箪笥の中の袋」
そう念仏のように繰り返しながら。

テマンはヨンの私兵であり
迂達赤ではないが
誰よりも身軽で、腕も立つ。

『医仙様に触れては例えおれでも
大護軍の激に触れてしまうな。
気をつけなきゃなぁ~でも
すっげぃ、いい香りがしたなぁ~
あ、駄目だ、駄目だ…
殺されてしまうぞ』

先程の市井の出来事を思いだし
苦笑いを浮かべるテマンであった。

ヨンがウンスの呟きを耳し
テマンに言いつけたのである。

・・・・・
ひとりでやるしかない。
そう腹をくくり、ありったけ灯りを
診察台のそばに集め手元を少しでも
明るく照らす・・・。
なれど侍医を始めとする
その息の掛かった医員らは
遠巻きに眺めるだけで手を貸そうとは
誰もしない。

「医仙?ちいとよろしいか?」

「ん、大護軍?、どうしたの」

「これをと思うて」

「えっ?・・・これって・・・
この時代にはないはずよ
どうしたの?」

「・・・」

「・・・こ、これは医仙様が
以前使われた物を、毎日毎日磨き
お戻りになられた時にお使い
いただこうと大護軍がしまった
いたものです!」

互いの体面を重んじ
婚儀が済むまでは、役職で
呼び合うようにウンスからの提言を
ヨンが受け入れていた。
あの折…確かに自身が持ち合わせて
いた医療道具を大事に大事にしまって
くれていたと
ウンスは目尻に暖かい物が流れる
事を隠しきれないでいた。

一方ヨンはテマンの機転により
真実を話すことなくウンスに
天界の母親より渡された
医術道具を渡す事ができたことに
ほっと胸を撫で下ろすのであった。

「大護軍…お願いがあるの
私の助手をして欲しいのよ
誰も手を貸してくれそうにないから
お願い・・・」

「構わぬが…王宮の侍医がこのような
ありさまとは、王様にお伝えせねば
なるまい」

「うふふっ、それもそうよね
人の命を蔑ろにする侍医なんて
最低だとおもうから厳重注意を
してもらわないと…さぁ始めるはよ
テマン君?お湯をたくさん沸かして
ちょうだい。で、この道具を
熱湯で消毒して欲しいのよ」

「あ、はい、すぐにやります」

侍医の眉がぴくぴく動く中
ヨンとウンスは清潔な衣に着替え
テマンの仕上がりを待つばかりと
なったのである。そこへ…。

「王妃様のおみえである」

お付きの尚宮であるチェ尚宮が
声を掛ける。

「あ、はい…
王妃様申し訳ございません
そちらまで参りたいのですが
緊急を要する処置を優先したく
ご無礼をお許しください」

「医仙殿、よいのじゃ
気にするでない。王様に話をお聞きし
医仙殿がおらぬ間、妾を診てくれて
おった医員を連れて参ったのじゃ
おなごばかりじゃが、手助けに
なると思うてな」

「医仙殿、チェ尚宮じゃ。
わかるな…王妃様のご厚意をありがたく
受けるがよかろうぞ、医仙殿が典医寺
で孤立しておると耳にし
お心を痛めておったのじゃ
此度は王様のお許しも頂いておる故
何も案ずる事はないぞ」

「そうでしたか…王妃様、
ありがたく医員の方々をお借りします
ね。さてと皆様に着替えを用意して
っと…」

「案ずるでない。みな医員故
心得ておるぞ」

急遽誂えた天幕越しに
そんな会話のやり取りがあり
ウンスは王妃様のご厚意を
ありがたく受ける事を伝え
典医寺始まって以来の手術が
今はじまろうとしていたのであった。


・・・・・

なんでかな~続になってしまった💦
次回こそ!!笑

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