鈴蘭  20 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ドスッ」っと老人は倒れ
意識を失いウンスの目の前で
横たわる。

「お爺さん…私を庇ってくれたのに
あなた!!なんて酷いことするのよ
高齢者は敬ってしかるべきであって
あなたがしたことは人として
最低よ!!!」

ウンスは瞳に涙を滲ませ
そう叫びながら医者として
自身ができること、脈をとり
横たわる老人の全身に瞳を
走らせる、特に頭部は念入りに
診察すると頭を打ったためか
瘤が出来ている程度で事なきを
得た様子にウンスは胸を撫で下ろす。

「ごちゃごちゃとうるさいんだ!
こうしてくれるわ!」

「きゃゃ~~~」

ウンスの悲鳴が響く中
次男は手に鍬を持ち
それを振りかざす刹那
雷功が「ドドッ~ン」っと炸裂し
露店ごとぶっ飛んだのか
次男の姿も娘の姿も、もう
そこにはなかった。
テマンと言えばウンスに覆い被さり
ウンスも老人も事なきを得ることが
できたのだ。

「ウンス!大事ないか!」

テマンは・・・咄嗟にウンスを
庇うのにその身が動いたのだが
恐る恐る顔をあげるとその身が
宙を飛んだ。
「おっと」・・・ぽつりっと呟き
くるりっと宙でその身を回転させ
見事着地することができていた。

かたやウンスと言えば
何がおこったのか理解出来ず
瞳をパチパチさせ、口元はぽかんっと
開いていた。

「ヨ、ヨン…??」

「あぁ、大事ないか?」

「えっ?えぇ…ありがと
助けてくれたのね・・・
でもどうして青空が見えてるのかしら
あ!あぁっ~~~そうよ!
あのお爺さんは???あっお爺さん
あんなところで・・・」

ウンスが指差した先に市井の商人が
使うと思われた厠がありその戸口に
凭れ掛かるように眠るお爺さんの姿が
あった…。

「ヨン!お爺さんを助けてあげて
私を助けてくれたの。命の恩人なの
お願い、典医寺へ運んで
私も行くから」

「テマン!」

「はっ!」

頭部を打ち付けたのか
かなり出血が見られ
息も絶え絶えに感じ取れ
事は急を要すると思われる。

テマンがお爺さんを背負い先を走る
その後ろからヨンがウンスを
横抱きにしたままあとを追い掛ける
のである。

民の目にさらされ
ちょっぴり恥ずかしそうな
ウンスではあるが
それでも振り落とされまいと
ヨンの首もとに腕を回す。

『まったく・・・人混みで雷功は
禁止にしなきゃ…まずはお爺さんを
助けてからお説教タイムね』

『まったくこの方ときたら
大人しゅう屋敷におるなどとは
思ってはおらぬが・・・』

互いの思惑が交差するなか
典医寺へと到着する。
道すがらチュンソクが率いる迂達赤と
すれ違い、後始末を言い付けたのは
言うまでもない。


「良かった、脈が触れるわ
でも縫わないといけないけど
道具がないわ・・・何か代用品に
なり得る道具はないかしら」

以前のように医仙と称され
典医寺で役目に勤しむウンスでは
あったが以前の顔見知りであった
トギもいまはおらず
チャン侍医のように心を通わす
医員は誰もいないのであった。

「せめてトギが居てくれたら・・・」

ウンスはそう呟くがそれを耳にした
ヤン侍医は疎ましく思うのである。
もともと女人の医員など
役に立つものかっと胸の内に秘めた
侍医であったが、王命に逆らうことは
できず、ウンスの失態を
願っていたのである。

「ユ医員?典医寺は王様を始めとする
国を支える方々をおささえする
役処にて、このような老人が
足を踏み入れる
ところではございませぬ故
お引き取り願って頂きたいものです。
それにもう助からぬのでは
ありませぬか?」

「ヤン侍医?目の前の消えそうな命を
蔑ろにする医員がいますか!
王様には許しはもらっていますし
私は医仙の称号を賜っていますから
侍医の指図を受けるつもりはないです
から退いてもらえます?」

「チッ・・・」

邪魔をするかのように患者の前に
立ちはだかる侍医をキリッと睨み付け
ウンスは患者であるお爺さんの元へと
歩を進めるのであった。

年も明け婚儀まであと二週間と
迫る中の出来事である。

・・・・・

皆様おはようございます。
もうゴールデンウィークのお休みに
入っている方もいらっしゃるんですね
でんべは暦通りの休みになります。
おうちにいよう。
おうちが休みの度に綺麗に
なるのが、嬉しいです。
今年は年末の大掃除はいらないような
働きぶりに我ながら呆れています笑い泣き


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