生きる意味 46(模索) | シンイ二次小説でんべのブログ

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後ろ髪を引かれる想いで
ヨンは兵舎へもどり典医寺の方角を
窓辺から見つめていた。

「護軍、奥方様の事でございますが
迂達赤からも護衛を付けねばと
思うておりますが・・・」

「・・・」

「・・・護軍?」

チュンソクの声も耳に届かぬほど
ヨンは衝撃を受けていたに違いない。
侍医の言葉から読み取れる
かつての友の名…『あやつはウンスを
恋慕っておったはず、そうで
なければ、あの折の事が納得いかぬ
前世の記憶がないあの方はあやつに
会いたいと言うのであろうか…』

そんなことを考えていたのだろうか
なんども声を掛けられ漸く
ヨンは組んでいたその手を手解き
チュンソクと向き合う。

「すまぬ、護衛はテマンに任せる故
案ずることはない。
叔母上も武閣氏をあてがうと
申しておった故、迂達赤は
役目に邁進させるがよかろう
王様の護衛が一の責務、愚そかに
してはならぬ、そう心得よ」

「はっ!…では某はこれにて
失礼致します、用があれば
お声掛けくださいませ」

律儀なチュンソクは目を伏せ
一礼するとその場を後にする。

『・・・チャン・ビン・・・
あやつには前世の記憶があるのか?
でなければ侍医の話が府に落ちぬ
女人とはウンスのことであろう』



・・・・・

「えっと…何から始めれば良いかしら
私、なんでもやりますから
指導宜しくお願いしますね」

ウンスは侍医や他の医員らに
ペコリっと頭を下げ笑みを浮かべる
この時代女人の医員は存在しない
物珍しさか、おのこの医員らは
ウンスを凝視するものもおれば
その色気(いろか)に、ぽっと頬を
染める医員もいたのである。

「はい、はい、そこまでです
指導は侍医の私が致します
女人でありますが
王妃様や、患者様や
これから女人を担当してもらう
つもりでびしびしと遣りますから
さあこちらへ・・・痛っ!」

ウンスの肩を抱こうと
腕を回した所…小石が
どこからか命中したのである。
コロコロっと転がる小石を
拾いグンソク侍医は眉を吊り上げ
医員らを睨み付ける。

「誰の仕業です!?
西域では女人を慈しむのは
あたりまえであり、これから
互いに切磋琢磨し医術を磨いて
貰う仲間になるお方
姑息な真似をせず文句が
おありならば直接言いなさい!」

語尾を強め侍医は辺りを見回すが
誰もが首をぶんぶん振り己では
ないと言っている。

『ふふっ…テマンね、ありがとう
先が思いやられるわね…十分注意
しないと、あの人はとんでもない
悋気の持ち主だから…』

ウンスはそう胸に秘め口を
きりりっと真一文字に結んだのである

今のウンスには
医員とはまったく想像も付かない
未知の分野であり、元で生まれ
元で何不自由なく育ったおなごが
医術の道へどんな一歩を踏み出すのか
前世で誰もが憧れた優秀な医術が
その腕に甦ることがあるのか…
それは望む記憶であるのか
いまはまだわからないのである。


・・・・・

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