生きる意味 38 | シンイ二次小説でんべのブログ

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漆黒の闇夜をウンスを背に
チェ尚宮は市井の中を駆け抜ける。
すでに兵士が鎮圧に取りかかって
いる。
剣を持たない海賊の末端であろう
と思われる賊が木刀を手に
家々を壊し奇声をあげているなか
逃げ惑う民を救いだし、峰打ちを
食らわし縄をかける。
そんな一連の動作が手際よくおこなって
いるように見えていた。

「ふふ、これでわしの株も上がる
と言うもの…」

それを手下とともに眺めていた
おのこがいた…。

それの光景をじっと見つめるスリバン
白い人…この騒動に手を貸す素振りも
みせずただ口の端をあげにやりと
怪しげな笑みを浮かべ
足早に立ち去ろうとしていたのである。

「あいつ、・・・きっと
偉いさんよね…怪しい~わ
手助けもしないでさ
ふんっ、正体暴いてやるんだから!」

白い人はそのまま気配を殺し
後をつけ闇夜に姿を消したのである。

「ウンス、手綱を頼めるか?
ちいと賊が邪魔でな…これでは前に
進めぬ、蹴散らすゆえよいか」

「えっ、私にできるかしら・・・
よ~し、なせば成る、そうよね
ヨン…生き抜いて貴方を待つんだから」

「そうじゃそのいきじゃ
あやつにはウンスが必要なんじゃ」

叔母はそう口にすると
器用に馬上でその身を翻し
ウンスに手綱を渡し、自身は剣を
抜き、行く手を阻む賊に剣を振るう。
されど斬り捨てるのではなく
剣の背を使い後頭部目掛け一太刀すると
「ぐっ」と曇った声をあげ
倒れ込む賊らである。

「流石武閣氏の長だけありますね!
感心しちゃいました!」

「ウンスとて馬の操り方が様になって
おるぞ」

「ふふっ、そうですか
なんだか思い出したみたいです
あの時あの人を助けたい一心で
ずいぶん走りましたから
叔母様、このままいきますから
しっかり掴まっていてくださいね」

ウンスはそう呟くと
馬の腹をぽんっと両足で蹴り
民に怪我をさせぬよう気をはらい
ながら加速を増していくのである。


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一方ヨンは…

先陣をきり出兵していた
鷹揚軍から報告を
受けていたのである。

「・・・真か?倭寇の影も形もないと
申すのだな」

「はっ、海も静かにございます
王宮へと文を出した領主を
詰問したところ
のらりくらりと言葉を濁しますもので
捕らえて参りましてございます」

「護軍!某がこちらの始末を
し後を追いますれば、急ぎ都へお戻り
くださいませ、護軍の愛馬ならば
一昼夜でも駆け続けると信じて
おりますゆえ」

「・・・」

図られたのか…
狙いは王宮か、それとも都を
落とすのが目的か…。
どちらにしろ我ら迂達赤を
遠ざけ何らかの利益を生む者の
浅はかな知恵と。
ヨンはそう思い木の根元より
腰を上げた。

「チュンソク!トクマン!
あとを頼む、テマン!ついて
これるな」

「任せてください!」

皆が見送るなか
ヨンは愛馬チュホンに跨がり
その腹を蹴り、テマンとともに
漆黒の闇をつんざくように
突き進むのであった。


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