生きる意味 37(模索) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「良く知らせてくれた!恩にきる
トルベ!王様に知らせてくれ
それとチェ尚宮様に知らせ
王妃様を康安殿へと
お連れするように、ひとところに
いてもらうのが御守りしやすいとな」

「ああ、分かった…大護軍にも
知らせた方がいいな」

我らが護軍と敵対し、元とも親好が
あるのではないかと噂される
大護軍キム・テサンなんとも怪しげな
ご仁なのである。


「まったく、どこへいっちまったんだ
・・・都が大変なんだってば」

すでに漆黒の闇夜である王宮内…
松明片手に、トルベは眉間に皺を寄せ
あちらこちらと、思い付く限りの場を
走りまわるのである。
その頃チェ尚宮は都の異変を察知し
甥に約束した事を守るべく
いち早くチェ家に向かっていたので
ある。
すでに王妃様の身の安全は手配ずみ
であり、トルベとは行き違いに
なっていたのだが。

『此度こそ我が命をかけ
ウンスを守る』

幸いにも王妃様とウンスとは
遠縁の間柄に生を受けた身の上で
あり、国の一大事に
王宮を空けるのは躊躇われた
チェ尚宮ではあったが
王妃様も快く「行くがよい」っと
送り出してくれたのである。

市井の様子であるが倭寇の海賊と
思われる群衆が入り込み
民家を襲っている。
壊された家々や今まさに押し入ろうと
する海賊達を尻目に、ぐっと
口を真一文字に結びそれを
やり過ごす。
直に番所から兵士がくるであろうと
そう思っていたのである。

「ウンス!!」

「あ、叔母様!いま王宮へ
逃げようと思っていたんです!
倭寇なんですよね?
歴史は繰り返されてしまうんですか
そんなの嫌です・・・
それにこのままでは
王様、王妃様が
王宮まで追い出されます。
でね…支度をしてる間に考え
たんです…私達がこの時に生まれ
生きる意味を」

「ウンスや、話は王宮に着いて
からゆるりと聞こう…支度はよいのだな
・・・では参るぞ」

外気の冷たい気を纏い飛び込んで
きた叔母を、ウンスは驚きも
せず迎え入れすでに質素な衣に
身支度を整え、使用人らも
ともにと、考えていたウンスでは
あったが、「屋敷を御守りします」
との強い要望を受け
渋々ではあったが、スリバンに
あとを託し、馬の跨がり屋敷を
あとにしたのであった。

「よいな、しかりと掴まっておれ
飛ばすゆえ」


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