生きる意味(甦れ) 14 | シンイ二次小説でんべのブログ

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14

「恩讐殿?口に合わぬであろうか?」

「・・・」

その声の主を
じろりと睨み付け箸をつけようとは
しない恩讐である。
大きく長い卓上に所狭しと並ぶ
小鉢の数々…先日行われた茶会とは
目先を変え思考を凝らして
いるようである。

「茶会ではよう食うておった筈
我が邸の小鉢は口に合わぬで
あろうか?」

「府院君…よいではないか」

王様の御言葉が割って入ると
恩讐の肩がぴくんっと跳ね
王様の後ろに控えるヨンと
目線を交わし『そばにおる』と
言わんばかりに大きく頷くと
安堵したように大きく息を吐く恩讐
である…。実の所邸に着く前
チェ尚宮より耳うちされたので
ある。

『嫁御や徳成府院君様の邸では
決して箸を付けてはならぬぞ』

その教えを頑なに守り
じっと耐えていたのである。
それは王様と王妃様も同じようであり
箸をつける者はいないようである。

「・・・催し物を用意させておる故
これ、チョヌムジャを呼びなさい」

ファスインへと顎を動かし指図する
キ・チョルである。
赤い衣をひらりと靡かせ
ファスインが隣の部屋へ消え
チョヌムジャと呼ばれる男が
笛を手に持ち白髪に近い長髪で
姿を見せる。
実はこの男、音功の使い手であり
笛の音(ね)で物を壊し生きる者すべて
に致命的な深手を負わす事が
出来るのである。

キ・チョルの狙いは王様のお命を
奪い、己が意のままに操れる王を
据えることなのか…はたまた元に
貢女として渡り、次皇后まで
のぼりつめ正皇后の座を手に入れたも
同じである妹の思いを取り入れ
ているのかは分からないが
チョヌムジャと呼ばれる男が
一礼し笛を奏で始めようとするとき
迂達赤隊長であるヨンが鬼剣で
その笛をばさりっと払い落とす。

「何をなさる?」

「そなたが音功の使い手である事は
調べがついておる故王様に危害を
加えようとの魂胆はみえみえであり
阻止したまでのこと。
王様…王宮へお戻り下さるよう
お願い申し上げます」

ヨンは王様に向き直り頭を垂れ
そう言葉を綴ったのである。

「隊長?それは真か、余の命を狙い
王を据えかえると言うことなのか」

「仰せの通りかと」

「相分かった…王妃戻るぞ」

王様は席を立ち上がると
王妃を守るように腰に手を添え
歩を進めるのである。


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