生きる意味 15 (甦れ) | シンイ二次小説でんべのブログ

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「この邸から容易く出れると
お思いか?敵のあじと王様ご自身が
脚を運んでくだされたのだ
飛んで火に入るなんとやら…がっはは」

「チッ…叔母上!恩讐を頼む!」

「案ずるでない!隊長はお二人を
しかと御守りせよ」

高笑いをあげるキ・チョルを
眉をきりりとあげ睨み付けると
ヨンはチュンソクとトクマンに
目配せする。

チュンソクはすぐさま厳戒体制とも
取れる身軽さをみせる。
トクマンが王様を背負い
チュンソクが王妃様を背負う
事前に王様、王妃様とは打ち合わせを
していたのである。
躊躇われていた王妃様ではあったが
その瞳を覗き込み
王様が一言仰せになられたのである。
「余も側におる」っと・・・。
安堵した王妃様がひきつる笑みを
張り付けチュンソクの背に背負われ
その後ろを王様を背負うトクマンが
小走りで中庭へと飛び出す。
その背を御守りするように
チュソクが剣を構え、トルベが槍を
構え、あちらこちらからと
沸いて出るキ・チョルの私兵と
思われる顔つきの悪そうな軍団と
対峙する。

剣の腕は隊長の次ではないかと
言われているチュソク。
槍を持たせれば右に出るものは
いないだろうと言われるトルベ。
ともににやりと笑みを浮かべ
片っ端から剣で斬り、槍で突く。
その間もお二人を背負う
チュンソク、トクマンは周りを
迂達赤や禁軍に囲まれ
必死に駆けていたのである。


「嫁御や大事ないか?」

「・・・」

叔母であるチェ尚宮に手を引かれ
恩讐は王様、王妃様の後を
追うように息を切らし駆けていた。

そこへ、行く道を塞ぐように
ファスインが立ち塞がる。

「おっと、兄じゃがお待ちだから
逃がさないよ~ふふ」

すっと恩讐を背に庇い
チェ尚宮は厳しい顔つきで小刀を
構えるのだが…ファスインも負けては
いない…。

「そんなもんであたしを殺れると
本気で思っているの?
あまく見られたものね・・・」

ファスインは不気味な笑みを浮かべ
黒革の手袋を脱ぐ。