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『生家・・・エヨン叔母上様が
そう言っておった・・・ならば』
覚えていたのである。
あたりまえではあるが
愛しいウンスに関わることは
何ひとつ漏らさず記憶している。
ウンスの帰還を長きに渡り
待ちわびたヨンならでは記憶力である。
チュホンに跨がり先を急ぐヨン
向かった先は
むろんエヨン叔母の屋敷であった。
「叔母上!ウンスが来ておろう」
ヨンが門扉のとこで声を張り上げたが
門扉は固く閉ざされ
し~んっと静まりかえる屋敷。
中の気を探るが人の気配は
まったく感じられない・・・。
『・・・ここではないのか・・・
よもや生家とは天界の二親の元か…
天門が開いたのか…ウンスの意思で
思いのままに開くと言う事なのか
どこに開いた!?
彼の地か…いやまて・・・屋敷に
現れたか』
ヨンがそんなことを考えていると
屋敷の門扉がぎぃ~っと鈍い音をさせ
開き見慣れぬ女人が顔を出したのである
「そなたは?」
「・・・あの~御主人様は
出掛けたさ…どなただすか?」
「縁者であるがそなたは?」
「チャミださ。今日からお世話に
なる使用人ださ…縁者さんか?
名を教えてほしいさ」
「チェ・ヨン…エヨン叔母上様は
どこへ…女人がおったであろう?」
「いたいた…すっばらしい
べっぴんさんがいただ…でも輿にのり
どっかへ行ったさ、あたしゃ留守を
預かるだけだからさ
な~んも知らねさ」
「・・・」
嘘は言っていない…そう感じ取った
ヨンである。
どうしたものかと思案していると
「バシッ」と後頭部を叩かれ
振り返るとチェ尚宮が立っていたので
ある。
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韓流大好き主婦様…チャミさん
ご登場頂きました
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