あなたを探して 6 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「医仙さま~~?」

「・・・」

「お~~い!?」

『えっ?医仙さまって私のこと・・
知り合いなんていたかしら
・・・ちょ、ちょっとまって
医仙って呼ぶ人って
限られているわよね…王宮関係者?』

ウンスはぶつぶつ念仏を唱えるように
小声で呟くと恐る恐る振り返る。
そこには見覚えがある男が二人・・・
気丈に振る舞い自身に渇を
入れていたウンスがへなへなと
膝まずく。

「どこに行くんだよ?
兄貴にも会わずに!」

「・・・貴方たち
マンボ姐さんの所の人よね?
こんなところで何をしてるの?」

「問いを問いで返すなよ!
まったく・・・兄貴に会わないで
まさか天界へ帰るつもりじゃ
ないだろうな?」

「・・・」

よろよろと立ち上がり
衣に付いた汚れをぽんぽんっと
叩き二人に背を向ける。

「八年って凄い時が流れて
しまったのね・・・あの人が・・・
元気そうで大護軍になったって
聞いたわ・・・きっとお嫁さんも
お子さんもいるのよね・・・
会わないで帰ろうと思うの
だって私が顔を出したら
迷惑でしょう・・・?
あの人が悩む姿を見たくないのよ
生きていてくれてありがとう
そして元気でって伝えてくれる?」

「誰が迷惑なのです?」

懐かしい低い声がウンスの耳に届く。
聴きたかった・・・
その声だけを耳の底で
なんども繰り返し
一人耐え抜いた二年もの月日
ウンスは瞳を見開き振り返る・・・。
そこには会いたかったその人が
その温もりに触れたかったその人が
困り顔を浮かべながら
佇んでいたのである。

「・・・・・クスン・・・」

「俺に会わずにどこへ行くつもり
なのです?」

「・・・だって・・・長い月日が
・・・もう…結婚して子供もいるんじゃ
ないの?・・・私が突然表れるたら
奥さんや貴方が困るでしょう?」

「結婚とは婚儀のことであろうか?
俺はイムジャをまっておったのだ
・・・出迎えてやれずすまなかった
さみしい想いをさせたのだな・・・」

「え?私をまっていてくれたの?
と、言うことは独り身?独身って
こと?」

「あたりまえであろう
イムジャが俺の嫁になって
くれるのであろう?俺とて長い
月日であった・・・。
されどどこにいても思い出すのは
イムジャのことばかり
泣いてはいまいか腹を空かせては
いまいかと・・・」

ウンスの瞳を見つめながら
ヨンは、一歩二歩と歩を進め
ウンスの目の前に・・・そして
その背に長い腕を回しぎゅっと
抱き寄せる。

「ようおもどり下された・・・」

ウンスの肩に顎をのせ
懐かしい甘い香りをすう

「イムジャ?口づけ…よいか」

「この人らしい」・・・鼻の頭を
ぽりぽり擦り照れたように
そう呟くヨンがやけにいとおしく
そして思わず抱き付いてしまった。

テマンやシホ、シウルは
そっとその場を離れ
山の麓から顔を出したお日さんが
二人を照らし重なる横顔から
微かに溢れるのである。



「あのね・・・一年前に天門が開いて
いたのよ。でも・・・通れなかったの
何がいけなかったのかは分からなくて
・・・次に開いたのが一年後・・・
今度通れなかったら次に開くのは
ずっと先になるから全部百年まえに
置いてきたのよ。貴方を助ける為に
持ってきた医療道具のすべてを
そうしたら通れたの
貴方を待たせることになってしまって
ほんとうにごめんなさい
でもありがとう・・・待っていて
くれて」

「おなご一人・・・苦労したので
はないか?怖い想いをしたのでは
ありませぬか?」

「えぇ・・・おいおい話すわ
聴いてくれる?」

「離れておった月日
イムジャのすべてを知りたいと
思うておる故話して貰えたら
ありがたいが気が進まぬなら
俺は待つが・・・」

「・・・」

初秋の日に照らされながら
寒くならぬようにとウンスを膝の上に
のせ、背から覆い被さりウンスに
温もりを分け与えているのであった。



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