あなたを探して 5 | シンイ二次小説でんべのブログ

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辺りが白々と明け始めた頃
待ってましたとばかりに
ヨンとテマンは懸命に駆け出して
いた。愛馬チュホンにヨンは
跨がりテマンは地を駆ける。
テマンの俊足は
ヨンの内功のひとつである
軽功を用いなければ
ヨンも敵わないのでは
ないかと思われる程であった。

『十五年下であったはず
俺が四十にあと二年・・・
そろそろ嫁を娶らせねばならぬか』

そんな事を思うヨンであった。
されどいまはウンスのことだけを
頭に浮かべる・・・。
八年前のあの宿で
憎き徳興君から飛虫の毒を
打たれ解毒できたばかり…無理を
させたと自覚はあったが
己を抑えることが出来ず契りを
交わした。
ウンスもまたそれを受け入れ
ふたりは結ばれたのだ。

月日は流れたがヨンは他の女人に
目もくれることもなく
整理しきれない程届く縁談話も
見向きもせず、ただただウンスの戻りを
待っていたのである。
無論妓楼などにも通うことは
なかった。
ヨンがウンスに対する想いは
常に「許嫁が俺にはおる。」
そう口にすることで己を鼓舞し
長い月日を乗り越えてきたのである。

『イムジャ・・・もうじきです』



一方ウンスは・・・

「もう~悪戯しないでよ
まだ眠たいんだから…むにゃむにゃ
・・・」


あやしく蠢く指先に翻弄され
目を覚ます。

「もう!!・・・あれ?夢?・・・
そんな訳あるわけないか・・
きっと私が戻ってきたことも
知らないのよね。やっぱり戻ろう
天門開いてるかしら・・・
あの人が私以外の女の人に
笑みを浮かべ微笑む姿なんて・・・
見たくないもの・・・」

どうやらウンスは天門へ
戻ることを決めたようである。
涙はなかった、唇を一文字に結び
起き上がると身支度を整え
お代を払い宿を後にするのである。

「おい!どこへ行く気なんだ?
都は逆だぞ」

「そうだよな~・・・どうする?
知らせた方がよくないか」

「まったく手のかかる人だな・・
せっかく戻って来たものを
行くかシウル?」

「おう~」

屋根上からウンスの姿が
見えなくなる前にシホとシウルは
ひらりと飛び降りウンスを追いかける
のであった。


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