もうひとつの木春菊 16 | シンイ二次小説でんべのブログ

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本日のお話はヨンやウンスらは
出てきませんが・・・
宜しければお付き合いくださいませ

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「お父さん?ここはどこかしら?」

ウンスの両親はこともあろうか
朝鮮王朝初期の時へと
迷い込んでいたのだ。

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ウンスが拉致されたと知らせを受け
江南にあるウンスのマンションを
訪れては風を通し、いつ愛娘が
戻っても生活に支障がないよう
数年もの間、通っていたのであった。
その帰り道のことである。

「母さん!それ以上近づいちゃ
危険だ」

「大丈夫よ…ふふ・・・相変わらず
用心深いんだから」

毎回のように、ウンスの無事を願い
手を合わせる為に寺に立ち寄るのが
日課になっていたのだが・・・
この日はいつもとちがう風景が
目の前に繰り広げられる。
寺を出た時、それはウンスの両親の
目に飛び込んできたのであった。
韓国の国民には慣れしたんだ
石仏の足元に人だかりができていたので
あった。
ウンスと同じ性格の母親は、いや
母親に似たのはウンスの方であり
好奇心旺盛、尚且つなんでも
首を突っ込むと言う無鉄砲な所が
あるのだ。
父親は石橋を叩いて渡る性格のようで
あり、口下手も加わり
ただただ寡黙に生きてきた。

「お父さん!見てちょうだい!
すごいわ、映画の撮影でも
してるのかしらね~、でもすごいリアル
に見えるんだけど・・・」

枯れ葉舞う落ち葉の時節
葉を巻き上げ「ご~ご~」っと
けたたましい音を奏で舞っていたので
ある。ウンスの父親は
人を掻き分け前へ進もうとする
ウンスの母親の腕を引きそれを
必死に止めていたのだ。

「お父さん早く見て?ほらほら
はやく~」

そんなことはお構いなしに
ウンスの母親は、瞳を輝かせ
父親の手を掴み人混みの先頭まで
顔を覗かせていた。

それは突然のことであった。
後ろから押され
二人は渦まく天門へと飲み込まれて
しまった・・・。

>>>>>>

「お父さん?離さないで・・・」

「ああ~離すものか」

漢城…朝鮮王朝を建国するにあたり
李成桂は都を移していた。
皇居の裏山に天門が口を開いたので
ある。険しい山道を下ると
そこは皇居と思われいままさに
チェ・ヒヨンの処刑が執り行われる
ところであった・・・。

「ちょっと・・・お父さん」

「随分、場違いな所に
迷い込んだようだな・・・」

「そのようね…この姿を誰かに
見られたら
騒ぎになるんじゃないかしら?
そんな事よりあの初老の男の人
どこかウンスに似てないかしら?」

「母さんにもそう見えたか?
・・・わしもそう思っていた」


「気の毒なもんだよなぁ~
高麗屈しの名家の次男がなぁ・・・
罪な事しやがるもんだよ!
鬼神と民に崇められ百戦錬磨の
武人チェ・ヨン様と天界から
嫁にきたと伝え聞いた
ユ・・・なんだったかな
そうだ!ユ・ウンス!医仙と
言われたおなごの倅がな・・・」

「本当さ、きっと罰があたるって
もんよ」

木陰に隠れ処刑の様子を
息を殺し覗き見していた二人の耳に
そんな会話が聴こえてきた。

「お、お、お父さん!い、いまの
聴こえた?確かにユ・ウンスって
言っていたわよね?」

「母さん?聞き間違いじゃないのか
ウンスがこんなところに・・・」

「お父さん!娘の名前を聞き間違い
なんてしないわよ、ウンスって
聴こえたんだから…ちょっと
聞いてくるから」

「止めなさい!母さん!」

旦那が止めるのも耳を貸さず
ウンスの母親は身を潜め様子を
窺っていた木陰から
駆け出して行ったのであった。
「やれやれ・・・」そんな
独り言を呟き父親もその後を
追うのである。


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