もうひとつの木春菊 15 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「かか~・・・」

「・・・」

先ほどから涙が止まらない
ウンスを案じソマンが膝の上から
反り返りながらまんまる眼を潤ませ
切投げに問う。

「なんでもないのよ…心配しないで
・・・お父様と一緒に
出迎えたいんだけどきっと
辛い想いをする筈だから・・・」

「母上様・・・天界の誰かが参った
ようですが・・・」

「え?ヒヨンも感じるの?」

「もちろんでございます
この気配はお祖父様お祖母様では
ないかと・・・」

「そうよ…間違いないわ
母はね…こちらへ来た頃から
近しいひとがこの世へ
来るのを感じることが
できるようになったの・・・
もちろんお父様やソマン、ヒヨン
サンミやイルムに至るまでなの
私の後からこちらに来た人はすべて
出迎えたのよ・・」

「では、母上やはり父上様と
おれ達で参りましょう」

「・・・とと・・・」

こくこくと頷くソマンは
あれ以来鍛練に余念がないヨンの元へ
てくてくと歩を進めるのである。

「どうしたのだソマン?」

「じぃじ~、ばぁばくる
いっしょにいくの~」

「ん?じじ?ばばはおるではないか
どこにいくと?」

「・・・ちがぅ~、ちがぅ~・・」

ソマンは首を左右にふると
内功を身に纏えば青年に
成長できることがふっと浮かんだ。

眼を瞑り小さな指先から蒼白い
靄に包まれるとするすると
青年の姿を現せる。

「父上!母上の祖父母様が
こちらの世に参ったようで
ございますれば、母上、ヒヨンと
ともに出迎えに行きませぬか?」

「・・・」

一瞬苦し気な顔を見せた
ヨンではあったがすぐに顔をあげ
「むろん参る」そう呟き
すぐに着替えを済ませ
ウンスと息子二人とともに
あの小川へと向かったのであった。

「ヨン?・・・なんども言ってきたど
私は高麗に戻れて貴方と添い遂げ
すごく幸せだったのよ・・・
だからそんな辛そうな顔しないので」

「・・・されど、親御殿は
俺を恨んでおるのではなかろうか」

「正直言って親は妬ましく
思っているかもしれないけど
ヨンを知れば分かってくれると
信じてるわ…でもアボジとオモニが
二人いっしょにこちらへきた
ことが気になるんだけど・・・」

「・・・ならばよいのだが・・・
そこは俺も気になっておった」

チュホンの背に跨がりあの小川まで
あとわずかな道のりと迫っていたの
だが・・・。
その時…突然チュホンが「ヒヒ~ン」
「ヒヒ~ン」っとなんども
嘶きその脚を止める。

「如何したチュホン?ん?
この気配・・・」

「ヨンどうしたの?」

みるみる険しくなる
ヨンの眉間…縦皺が幾本も刻まれる
ヒヨンやソマンも同様のようである。

あの小川を飛び越え
どこへ行ってよいものやら
途方に暮れていた李成桂
その人と出くわすのであった。


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