木春菊  [託す] 37 | シンイ二次小説でんべのブログ

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王子様の戴冠式を終え
それぞれが隠居の道を踏み出した。
民は上護軍の隠居を受け入れ
街道で深々と頭を垂れ
見送っているようである。
ソマンとヒヨンには別れは言わない
「必ず会いに行きます」と
言ってくれたから・・・。

「長い道のりかしら?」

「馬車ゆえ六日程はかかるであろうな」

「え?そんなに~、長~い。
でももう離れることないから
なんだか嬉しいのどんな生活が
待っているのかしら」

「テマンが先に行き色々段取りを
つけておる。すぐに生活できるはず」

「ふふふ…シウもサンジョンのところで
幸せそうだし良かったわ。テマンと
ヘジンは離れはあるの?」

「鉄原の屋敷は初めてであったな
離れが四つと使用人部屋が二つ
都の屋敷より広いぞ」

「うっそ~~~。私も役目で忙しくて
貴方も戦ばかりで行けなかったもの
叔母様も一緒に行きたかっただろうな…
でもね?魂だけは連れて行って
あげようね」

「むろん。俺を陰ながらずっと見守り
あ~見えて慈しんでくれていた。
父上と母上が他界してからは
俺の血筋は叔母上一人だった・・・。」

ヨンは馬車に揺られ
どこか遠い目をし、叔母を偲んでいた。
だがその胸に囲うウンスの肩を抱き
これから始まる隠居生活を
二人 手を取り合い穏やかに
過ごしていけると信じて疑うことは
なかった。
御者席に座り馬車を操る
サンミ。その隣で辺りを警戒し
気を張り巡らすイルム。
まだ誰も知らない・・鉄原に元迂達赤の
主要人員が集うことを。
道中は始まっばかりではあったが
すでにウンスは退屈していた。

「ねぇ…チュホンは大丈夫?」

「あやつは賢い馬ゆえ俺のあとを
ついてくる。案ずることはない」

馬車の小窓を開ければ
手綱を誰に引かれるでもなく
裸馬がぴったり寄り添い
随行している。

鉄原までの長い道のり
いまのチュホンでは大変だろうと
都の屋敷で余生を送って欲しいと
願ったが、チュホンは悲しい目をして
いたのだ。幼子が駄々を捏ねるように
飲まず食わず抗議を続け
ヨンが根負けしともに行こうと
一言口にすると体力を取り戻すべく
まるで若馬の如く食いだしたのであった

「貴方のそばに最後までいたいのよ
ねえ…チュホン?そうでしょう」

ウンスの問いに
嬉しそうに「匕匕ーーン」と嘶く
チュホン。

「あら、意味がわかったのかしら
返事をしてくれたわ。ちゃんと
ついてくるのよ…迷子にならないでね」

「チュホンは貴女でもあるまいに・・
道はすべて熟知しておるゆえ
はぐれたとしても戻ってくる」

「どうせ私は方向音痴ですよ!
それは貴方の責任もあるんだからね
方向音痴なんて一人であちこち
出歩いて覚えるものでしょう
でもヨンは「なりませぬ!」ばっかり
で、結局一人で散策すること許して
くれなかったじゃない。」

「そ、それは・・・」

ウンスがぷぅ~と頬を膨らませ
ヨンがしどろもどろになり
言い淀んでいると開けた小窓から
チュホンが鼻先だけを突っ込み
ぺろりとウンスの頬を舐める。

「ふぅ~。チュホンが仲直りせよと
申しておるようです。」

「あ~驚いた!…そうなの?
喧嘩してないのよ・・じゃれてる
だけ…仲がいい証拠よ・・ふふふ」

チュホンはやれやれと言う顔を
させ、また前を向く・・・。

「おなごの医員を育てる書堂は
どのようであった?」

「ええ…スンジャが教えてくれているわ
いまはまだ生徒さんも少ないけど
卒業生…えっと無事に試験に受かり
あちらこちらで活躍するのが
分かればきっと
生徒さんも増えるはすよ。なんせ
医仙直伝のスンジャが先生なんだから
間違いないわ。ふふふ。」

「資金は足りておるのか?」

「ええ…私の禄をすべて回したから
大丈夫よ。足りない時はお願いね」

「構わぬ。ウンスの夢を応援する
おなごの医員が増えれば助かる命も
増えるはず。いまは肌を晒すのを
躊躇い手遅れになることもあるときく
嘆かわしいことだ・・・」

「悪い習慣だと思うわ。いずれ
なくなるんだろうけど・・・」

スンジャは典医寺へは
王妃様の診脈の時は王宮へ顔をだし
普段は医員を育てる学校で過ごして
いる。チェ家の女主と医術学校の先生
と、子育てどれもそつなくこなして
いる。スンジャの両親である
チュンソクとサムの育て方が
良かったのであろうか…地道に欲を
もたず確実にこなしているのだ。

つい先ほどその両親が訪ねてきた
鉄原へひそかに行くと言う。
笑顔でスンジャは送り出した。
義父上様、義母上様のそばがよいと
父であるチュンソクのわがままを
母が許しともに行くと言う。

人を雇い荷馬車と馬車で
一路鉄原へ向かう。
チェ家の馬車から遅れること半刻
それには訳がある。

「上護軍は人の気配に敏感であろう
付かず離れずそれがよいのだ」

「でも…チュンソク様
上護軍様はお知りになられない
のでしょう?もしも帰れと叱られたら
どうしましょう…」

「・・・荷馬車を見て帰れなと
口にする小さいおのこではないと
信じている。俺は長年連れ添った
髭女房ゆえわかるのだ」

「うふ…信じてるのね。じゃ髭はない
けど、チュンソク様の女房として
サムはチュンソク様を信じます」

こうして二組の移動が始まった
されど、兵舎では・・・トクマンが…

「あ~~。誰もいない・・・
寂しい・・・。やっぱり俺も行く」

そう意を決し隊長である
ソマンの私室へ走り出していたので
あった。




この頃短くてすみません。
来週には旦那が長~~~い
正月休みに入ります。
その前に大掃除を済ませておかないと
家に居られたら邪魔で何もできなく
なります。かと言って手伝う旦那でも
ないし、ひとり大掃除をコツコツと
しております。許してください。

もうひとつ
年内に終わりそうにございません!
少し延びます
重ね重ね許して下さいませ。


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