木春菊  [託す] 36 | シンイ二次小説でんべのブログ

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人を雇い荷馬車を先に鉄原へ向け
運び出した。
明日はいよいよ勇退する日
王様は、王位を退き
上護軍、護軍は隠居となる

反対はあった・・・
されど時の流れに抗い戦場に
立ち続けることは国の為にならぬ
いずれ敗北を味わうことが必ず
あると半ば脅迫まがいで強引に
推し進めた。

愛しい人を残し戦場で
命を落とす訳にはいかぬ
それがヨンの切なる願いでもある

「王様。長年に渡りおそばにお仕え
できたこと某は幸せ者でございました
明日より鉄原でこの方と穏やかに
暮らして行こうかと・・・」

「・・・上護軍…ほんに苦労を掛けた
普通恩給が上護軍、護軍には
支給されるゆえ…ゆるりと
奥方と暮らすがよい・・。」

「はっ!ありがたき幸せに
ございますれば、王様におきましても
王妃様とあちらの殿で心穏やかに
お過ごし下さいますよう切に願って
おります。そして王妃様…
この方を常日頃気に掛けて下さったこと
心より御礼申し上げます。」

ヨンとウンスは坤成殿に二人揃って
現れ、感謝の言葉を述べると
深々と頭を垂れる。

「王妃様。きっと元気なうちに
会いに来ます。ここは私の原点…
忘れ去ることなんてできませんから
そして王様、王妃様のことも」

「必ずですよ・・・義姉様・・・
妾を忘れては拗ねますよ・・
そして鉄原まで追いかけます」

「ふふふ…王妃様ったら…お転婆さん
なんですから・・・
それとミント王妃様をお願いするわね」

「はい。医仙様・・・チェ尚宮様の
意思を継ぎいついかなる時も
おそばを離れることなく
そばに寄り添いお守り致す所存
ご安心下さいませ」

ミントはチェ尚宮のあとを継ぎ
武閣氏の長となっている
これからは表舞台には姿を現す
ことはない王妃様ではあるが
新たな殿にお入りになられても
ミントはそこでともに過ごす事となる




一方こちらは

すでに都を離れたものがいる
テマンである。愛娘シウは
案ずることはないと
己に言い聞かせ、ヘジンとともに
一路鉄原へ向け出立していた。
荷馬車に家財道具一式詰め
あとからくるヨンとウンスが
恙無く過ごせるように
さはいするためである。

「ヘジン?ごめんな・・・
怒っているか・・」

「もう気にしいなんだから
テマン様はいつまでも上護軍の私兵
ですから、上護軍様のおそばに居て
輝く事ができるんです。私はそんな
テマン様に好いたんですから」

「ヘジン・・・感謝している
こんな孤児の俺が子をもて
家庭と言う暖かい場所を与えて
くれたことを・・・
もう少しだ身体は辛くないか?」

「ええ…これでも元武閣氏ですよ
これしきへっちゃらよ。あれ?
前の人どこかで見たような」

「お~スリバンのソウじゃないか」

こじんまりと荷をまとめ
背中に背負い前を歩くソウ
やはり先に都を立っていたようである

だがソウだけではなかった。

「テマンさん~~。」

「ん?だれだ」

遠くで己を呼ぶ声に振り返り
目を凝らすと…トギとポンの姿を
はっきりと捉えることができた。

「あ、テマンさん見つかりましたか
私も鉄原でお二人をお守りしたく
こうして先に行こうとしております」

「心強い。よろしく頼むな
奥方様は、お歳を召されても
何を仕出かすか分からないし
お守りは大変だけど・・・」

「うふ…百も承知です・・・
あれは典医寺の方々でしたよね」

「トギとポンだ…まったく賑やかに
なりそうだな~。上護軍は穏やかに
奥方様と余生を送るつもりでいるのに
この願い叶いそうにないや」


テマンは苦笑いを浮かべトギとポンを
路肩により待っているのだった。


普通恩給…一定期間軍隊に所属
していたものに毎月支給される
年金のようなもの・・・
日本の制度ですが…当てはまる恩給が
見つかりません。お許しを・・・


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