木春菊 [託す] 34 | シンイ二次小説でんべのブログ

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その日の夕刻
ヨンは役目を終え屋敷にもどり
居間にみなを集める。

「ソマン。ヒヨン驚いたであろう
されど、父の我が儘ゆえ許せ・・
ソマンお前に家督を譲り父と母上は
鉄原へ移り住むつもりでおる。
ソマンは、離れから母屋に移り
ヒヨンが離れを使えばよい」

「父上~~。母上~~鉄原など行かず
屋敷にいてください。隠居も認めます
だからだから・・・」

ヒヨンは溢れんばかりの涙をため
声を震わす・・・。

「ヒヨン…ありがと・・・嬉しいわ
でもずっと前から決めていた事なの
これからね・・若い貴殿方に
すべて任せることにしたのよ。
父上も母も馬車馬の如く
役目に邁進してきたわ。だから
残り僅かな最期の時を父上と
二人静かに暮らしたいの
いつでも会えるじゃない
だから我が儘許して欲しい・・・」

「・・・」

「イルム、サンミ貴女方はここに
残る?それとも一緒に行く?
無理強いはしないわ。自分で
決めてちょうだい・・それと・・
若い頃から奉公してくれてほんとうに
ありがとう。感謝しているわ」

「とんでもねえだ…始めて奉公さ
あがった屋敷がチェ家でおらたち
果報者だ…おらたち・・どうすれば
いいんだべ・・」

「ふふふ…春までここにいるから
それまでに答えを聞かせて
それとスンジャ?貴女にこれを託すわ
五徳の髪飾りよ…私が
叔母様から義母上様の形見として
譲り受けたものなの。代々チェ家の
家宝として受け継いでほしいの…」

「こんな大事なものを・・・
分かりました。義母上様・・大切に
させて頂きます。」

「父上…テマンが・・」

「そのようだな…テマンどうした?
入らぬか」

「・・・上護軍・・おれ・・」

生涯私兵と決めていたテマン
突然の隠居宣言を耳にし
テマンは動揺を隠しきれない
目を赤くはらし肩を落とし
姿を見せた・・。
テマンとヘジンの子シウは
木材問屋雅サンジョンの息子へ
嫁ぎ幸せに暮らしている。

「テマン。都に残るもよし
ともに鉄原へ行くもよし
どちらにしろ案ずることはない」

「おれ…上護軍と離れるのいやです」

「テマン兄様が父上、母上のそばに
いて貰えるなら俺らも安心できます
でも…兄様にも家族がいるから…」

「分かってる。ソマン・・だから
悩んでるんじゃないか。シウを
置いて行けるのか・・・悩んでる」

「そうですよね・・・気楽に動ける
立場ではありませんよね・・」

こくりと頷くテマン
だが、ともに行くとテマンの顔には
書いてある。それが私兵の使命と。

「ふふふ…テマン?ヘジンを
放り出し一人で行こうなんて
考えちゃ駄目よ。ちゃんと二人で
話さなきゃ駄目なんだからね」

「はい。分かってます
こう見えても家族は大事です
俺みたいな男でも好いてくれた
ヘジンは俺の天女です」


ヨンは、鉄原に離れが必要となる日も
近いか・・と思ったに違いない。
我が子とも愛しいウンスとも違う
別な情がテマンにはあるのだ。
見れば、くしゃくしゃだった
つんつん頭もすっかり白髪まじり
俊足だった脚もいまでは・・・
愛馬チュホンも同じだ。
どんなに走れずとも
最期の時までともにいると決めた
そんな愛しいものがいくつもあるのだ





「王様…上護軍と離れるのは
寂しゅうございましょう?
妾も義姉様と離れるのは寂しく
思います・・ですが、王様と王子を
見守り静かに過ごしたく・・
いままでは部屋も違い
王様が脚を運んで下さらねば
お会いしとうても思い通りにならなく
歯がゆい思いをして参りました・・
されど、これからはともに
おれるのでございましょう・・うふふ
嬉しゅうてなりませぬ。」

「そうか…王妃は嬉しいか?
さすれば是が非でも
重臣らを説き伏せねばならぬな」

「はい…王様・・頼りにしております」


漆黒の闇に流れ星が流れ
きっとみなの願いを叶えてくれる
そんな気がする夜であった。



イルム?サンミ?
ウンスが問うております
行きますか?残りますか?
お知らせくださいませ。


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