木春菊  [託す] 33 | シンイ二次小説でんべのブログ

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いよいよその時がきたようである。
王子様が二十五を迎えるのだ・・・。
ウンスの世で言う年の暮れ
王様は王子様を伴い、宣仁殿に姿を
お見せになる。
なんの前触れもなくお見えになる
王子様のお姿にざわざわと
騒ぎ立てる重臣…そこには王様に
忠誠を尽くしたカン・ヨンジュの姿は
もうない…
その座に座るのはカン・ヨンジュ嫡男
(第二夫人との間に生まれた)である。
忠誠の程は、父親であるカン・ヨンジュ
と、同じと思える。

「皆…今宵は大事な話があるのじゃ
年が明けた春…余は王位を退く
むろん王妃もともにじゃ。そして
王位を継承するのは王子
国母となるのは、王太子妃じゃ
余とて既に五十を過ぎた
いつなんどきどうなるやも知れぬ
心構えもなく、継承者だからと
玉座に座るより王子の人となりを
みなに認めてもらい国の内外に
王子ならば高麗の行く末を
委ねられると言われる王になって
ほしいと思うておる」

「お、王様お戯れはお止めくだされ
王様が王位を退くなどあっては
ならぬこと…どうか
お考え直し下さいませ。」

「余に永遠に生きろと申すつもりか?
それは天界の医術を操る医仙殿でも
なし得ぬこと…だが基盤がしっかり
固まるまで摂政の名のもと力を貸す
つもりでおる。皆力を貸しては
くれぬか…」

「「「・・・・・」」」

「王様…恐れながら某からも
お伝えせねばならぬことが・・」

「上護軍忘れてはおらぬぞ
よい、余から申し伝える
長きに渡り余に忠誠を尽くして
くれた上護軍じゃが、余とともに
隠居することとなった。
国を護り、余を護りその肩に
いくつもの重荷を背負い・・・
余はその重荷をおろしてやりたいと
上護軍からの申し入れを
快諾していたのじゃ。元々先代
慶昌君媽媽から、余を元から無事に
連れて来たなら王宮から身を引いても
構わぬ旨の文を持っていたのだが
余が離すことができなんだのだ
許せ。上護軍・・・」

王様は申し訳なさそうに唇を
一文字に結ぶ。
このことはあの時、坤成殿にいた
数名しか知らぬことである。
眼を見開き動揺を隠せないのは
迂達赤の面々であった。
だがチュンソクだけは違った
やはりとぽつりと呟くだけであった。
ソマンは迂達赤入隊仕立ての頃
耳にしていたがすっかり抜け落ちて
いたのだろう。動揺をかくせないで
いる。

『迂達赤隊長が取り乱してはならぬ
屋敷に戻ればゆるりと話をするゆえ』

ヨンは腹の底でそう語り掛けると
ソマンもまた頷いているのである。

王子と同じ歳のソマンも二十五になり
立派な青年となり迂達赤隊長となった
スンジャとの間に
三才になる嫡男と一才になる女の子が
いる。三才なる嫡男の誕生を大層喜び
チェ家の安泰を見届け
叔母とチョンスとエギョンは
黄泉の国へと旅立って行った。
ウンスの落ち込みようは深刻であったが
自然の摂理であり、これには
逆らえないと思うようになり
なんとか持ち直している。

すぐに賛同されるとは
思ってはいなかった。だが反対は
想定内のこと、王様やヨンの思いは
揺らぐことはない。


宣仁殿を後にし
兵舎の執務室へと向かう

「上護軍…みなが動揺をしております
是非とも上護軍から直々にお言葉を
賜りたくお願い申し上げます。」

「ああ・・・」

「上護軍~~~。」

今にも泣き出しそうな顔をし
トクマンが駆け寄る。
その向こうでは、迂達赤がじっと
ことの成り行きを見守っている。

「なんだ?トクマン」

「なんだはないですよ!上護軍は
俺らを見捨てるおつもりですか」

「ふぅ~。トクマン・・俺は
暴れ馬の如く朽ち果てるまで
戦場におらねばならぬのか?
トクマンお前はいくつになった」

「・・・上護軍より七つ下です」

そう問われ改めて回りを見回せば
古参の迂達赤は、みな白髪が
目立ち始めている。

「実のところ倅に俺と同じ思いを
させてよいものかと悩んだりもした
されどソマンとヒヨンに託すことに
決めたのだ。それだけの鍛練も
上に立つ者の気配りも叩き込んだ
つもりでおる。」

「・・・」

「恐れながら上護軍・・某もともに
隠居をしたくお許し願えませぬか」

「チュンソク…俺より二つ程上で
あったな?好きにすればよい」

「はっ!某が仕える上官は上護軍
ただ一人他の者には仕える気は
ありませぬ」

「そうか・・・世代交代じゃな
王様も王子様に後を託すゆえ
俺もチュンソクもあとを託す時が
きたようじゃ」






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旦那がガラケーからスマホに切り替え
たんですが、ロックがかかり
スマホが作動致しません・・・
ショップに行き初期化して貰いに
行きます。続きは明日で・・・


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