木春菊  [偕老同穴] 証 14  | シンイ二次小説でんべのブログ

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「イム侍医、おはようございます
長らく暇を頂いて、しまってすみません
でした、何か変わった事はなかった
でしょうか?」

「これは医仙様…別段変わったことも
ございませんでした、王妃様も
健やかに、お過ごしで
いらっしゃいます」

満面の笑みで出迎えるイム侍医
ウンスも微笑み返すが
共に出仕したヨンは幾分面白くない

笑顔などこやつに向けるな!と
叫びたい所をぐっと堪え態度で表す

すっとウンスの前に立ち
イム侍医の視界からウンスを隠す

「ウンス、坤成殿へと行かねばなるまい
?、俺も共に行く故参るぞ」

「え?お土産渡さなきゃヨンってば
お土産~」

「後でよい、宣仁殿へも共に参るので
あろう?ならば忙がねばならぬ
チュンソクの暇願いをせねばならぬ故」

典医寺の廊下を急に立ち止まり
振り向くと、もっともらしい屁理屈を
こじつけるヨン

「あ、そうよね…急がなきゃ・・・」


坤成殿の前に二人が来ると
王妃様付きになったヘジンがきりりと
した顔つきで辺りを警戒していたが
ウンスを見つけると、にこっと笑み
王妃様にお言葉を掛ける

「王妃様、大護軍と医仙様が
お見えになっております」

「入って頂きなさい」

二人が入ると笑みを湛えた王妃様と
チェ尚宮が待っいた

「王妃様、長らく暇を賜り
ありがとうございました、お陰様で
気に掛けていた墓参りも、無事に終わり
ゆっくりさせて頂きました」

二人は王妃様に向かい頭を垂れる

診脈をし、異変のないことを
確かめ、ウンスはホッと一息付く


「義姉様、お茶をどうぞ」

「いえ、先に王様にご挨拶に伺います
この人の奥方になって、その初めて
ですから・・・」

ウンスは照れくさそうにぽつりと呟く

「よい心がけじゃ、して
ウンスやカンが里に戻る事に
なっての…護衛の武閣氏が代わる故
顔を会わせたいのじゃ、アル入って参
れ」

扉を明け、武閣氏の衣に身に付けた
ミントと共に、緊張を隠しきれない
様子のアルが入ってくる

「医仙様、お初にお目に掛かります
アルと申します、医仙様の護衛に
つく事ができ嬉しく思っております」

「こちらこそ宜しくお願いしますね
みんな、若い娘さんばかりで
私一人が目立ってしまうわ…」

「使用人のことか?」

「はい、叔母様エギョンの後を
一生懸命付いて歩き、覚えようと
してくれています、とっても若い二人
ですが、可愛いいんですよ」

「そうか、マンボの見立て故
間違いはないと思うが、慣れるまで
気長に待つことじゃ」

「はい、叔母様…ふふふ」


「では王妃様失礼致します」


ウンスは土産の紅を、王妃様と叔母に
渡し、二人は王妃様に一礼し
坤成殿を後にする

アルとミントの武閣氏は、ウンス一人
なら、通常前後を護るがヨンが
共にいる為、二人の後を付いて行く

「なんだか緊張してきたわ、粗相が
ないように、気を付けないと」

「いつものウンスでよい…」

「そう?ねぇ、ヨン首のこの辺
おしろいで、隠したんだけど取れてない
かしら」

「ん?、ここか、何故隠す必要がある
のだ、俺のものと言う印を付けた
だけの事」

ウンスの右首を、ヨンは覗き込み
しれっと言い切るが、ウンスは
それでも食い下がる

「だって恥ずかしいわよ…致しました
って、見せつけて歩いてるのよ
昨日だって肩を揉むだけじゃ
済まなかったじゃない!
悪さしないって約束したのに
武士の約束は命懸けなんでしょう?」

「夫婦のたしなみを、致したまでの事
ウンスが言う悪さには入らぬ」

「・・・たしなみって・・・」

「さあ、急がねば王様お待ち故、ほれ」

ヨンは右手を然り気無く出すと
ウンスの左手を取り
ぎゅっと手を絡めた

「う、うん」

うまく言いくるめられた感のある
ウンスだが、王様の名を出されれば
従うしかなく、小首を傾げながら
手を絡め、引き摺られるように
付いて行くのである


「噂通りの仲の良さなんですね…」

「ええ…いつも目のやり場に困るくらい
なの、でも大護軍様が大事にされて
いるのが、良く分かる気がするの
見てごらんなさい、アル」

アルが二人に視線を向けると
ウンスがどれ程まくし立てても
ヨンの目尻は、一切上がる事はない

「まあ、本当ですね…鬼神と言われる
大護軍様の目元が慈しみに溢れてる
ように見えます」

「でしょう…ふふ」


宣仁殿の前に立つと、ウンスは
「ふぅ~」と息を吐き気合いをいれる

「王様、大護軍と医仙様がおみえで
ございます」

「入ってもらいなさい」

アンドチ内官の声に
すぐさま、王様がお言葉を返す



「王様、この度は長の暇を賜り
誠にありがたく存じ上げます」

ヨンが片膝を付き頭を垂れる
ウンスは、地べたに座り頭を垂れていた

「医仙殿、そのような真似はせずとも…
大護軍、早よう立たせて差し上げよ」

「はっ!」

ヨンは、ウンスに手を貸し立たせ
ウンスの前にかがみ、チマをぽんぽんと
然り気無く払う

「あ、ありがとう」

王様の面前で、大護軍にこのような
真似をさせてもよいのかと、戸惑う
ウンスだが…

「二人とも掛けよ、慶昌君の墓の事
なんだが」


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