木春菊  [偕老同穴] 証13 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「・・明日より暇を頂けないかと
二日、いや一日でも構いませぬ
サム殿を某の二親に合わせたく
屋敷の方へ赴きたくおもいまして・・」

「ほう…先ずは掛けぬか」

「はっ、では失礼致します」

「え?チュンソクさんいつの間に
そんなお相手が居たの?」

「はい、奥方様、以前より縁談話は
ありましたが、某が煮えきらず…
ですが、大護軍の婚儀を祝う事ができ
某も奥方を娶をもってもよいのでは
と思うようになり…その、実は…
輿を待たせておりまして、お連れしても
構いませぬか」

「あら、構うも何も、雨の中待たせる
なんて…早くお連れして下さいな」

「はい、では…よろしくお願い
致します」

「何を宜しくなのだ?」


チュンソクが出て行った後
ヨンは不思議そうにウンスに問う

「さあ…分からないわ、でもある意味
貴方より奥手じゃないかしら…」

「何を言う…俺はウンス一筋であったぞ
それは揺らぐ事はなかった、ただ
言葉に表す事が苦手故、もどかしく
思ってはいたが…」




「サム殿…大護軍と奥方がお会いして
下さる、共にご挨拶をしてくれぬか」

「はい、チュンソク様
是非、ご挨拶をさせて下さいませ」

傘を被せ、サムの手を取り
チュンソクは、緊張しつつ屋敷へと脚を
踏み入れる



「大護軍様、奥方様…パン家御息女
サム殿でございます」

「まあ、どうぞお座りになって下さい
いつもチュンソクさんには、お世話に
なっております」

「ん?ウンス、俺は世話になどなっては
おらぬが」

「・・・まあ、なんて事を言うの旦那様
は、失礼致しました…ふふふ」

ウンスは、ヨンの口を手のひらで塞ぎ
愛想笑いを浮かべる

サムは、王様にお仕えする
重臣の娘らしく、落ち着き優雅に
頭を下げるが
ウンスの突拍子もない仕草に
瞳を見開き、驚いた表情を隠し切れずに
いる

「・・お目に掛かる事が叶い、光栄に
存じ上げます、サムと申します」

「こちらこそ、初めまして
チェ・ヨンが妻、ユ・ウンスと申します
こちらこそ、お目にかかれて光栄です
どうぞお掛け下さい」

「はい、では失礼致します…」

はあ…疲れた、やっぱり上品に見える様
演じるのは難しいわ・・と一人ごちる

「あの…奥方様、お茶を持ってきただ
ここに置けばいいだが?」

「ええ、お茶を差し上げて」

がたがたと震える手で
イルムとサンミはお茶を卓の上に置く
それを廊下よりエギョンが
苦虫を噛み潰した顔をし見守っている

「どうぞ…ご、ごゆっくりして下さい」

頭をぺこりと下げると
逃げるように居間を出て行く二人

「今日から勤めたばかりなの
まだ慣れていないから、長い目で
見てあげて…ふふふ」



「大護軍、サム殿と手順を踏み
婚儀を挙げたく、某は屋敷が遠く
その…今は兵舎に住まう身…」

「・・チュンソク、はっきり申してみよ
これではいつまでたっても話が見えぬ」

さっさと話を終わらせ、閨に籠りたい
ヨンは苛つきを隠せないでいる

「はっ、婚儀の見届け人になって頂き
たいのと、庭をお借り出来ないかと
こちらなら迂達赤も脚を運べる故」

「まあ~素敵、ヨ、旦那様
是非力になって差し上げましょう」

「されどウンス、俺は面倒な事は
苦手故、好きに屋敷は使えばよいが
見届け人とは、何をするのだ?」

・・それは、私に振らないでよ
ヨンの方が詳しい…あ、無頓着だわ
仲人?いや、そんな役目この時代
いたのらしら・・・もっと勉強して
おけば良かった~あ…ぁ---

ウンスはそう思い
卓に伏し髪をくしゃくしゃ
掻き回している

「はっ・・私ったら、ごめんなさい」

「ふっ…ウンス、無理をせずともよい
貴女らしくそのままでよい、ん?」

「でも…夫婦になって初めてのお客様
なんだから、らしく振る舞いたいのよ
似合ってないかしら」

ヨンもチュンソクも頚を左右に振り
まるで、似合っていないと言って
いるようにウンスには映る

「ひどい…二人とも」

ウンスはそう呟くと口を尖らせ
顔を背ける

「ふふ…奥方様は楽しいお方とお見受け
致しました…是非、御近づきなりたく
友として、これから接して行きとう
ございます、ご迷惑でございますか」

「ええ、喜んでこちらこそ宜しく
お願いします、ふふふ」

「チュンソク!お前お役目はどうした?
トクマンに、丸投げして参ったのでは
あるまいな!」

大護軍…それをさもらしく某に
問うのですか?・・・

チュンソクは胸の内で問い言葉を繋ぐ

「・・いえ、トクマンが申したのです
屋敷に赴いたらどうかと…後は
任せてくれと…」

「トクマンがか?
彼奴、どんな風の吹き回しなのだ」

「はあ…嬉しいに決まってますとも
言っておりました」

「ふっ、そうか、ならばよい
二日暇を賜るように、俺も明日
王様にご相談申し上げる故
今宵、役目が終われば好きに致せ
長い事留守にした故、ご苦労であった」

「はっ!ありがたきお言葉
恐れ入ります、屋敷と見届け人の事
お考え願いますよう、宜しく
お願い申し上げます、では某らは
これにて失礼致します」

そう言ってチュンソクとサムは
エギョン、サンミ、イルムに
見送られ、屋敷を後にする



「ああ~疲れた~」

「らしくもないことをする故…肩を
凝っておる!腕も張っておる!」

ヨンはウンスの背後に回り、肩、腕と
揉み出し、口の端がにやりと上がる

「ヨンに揉んで貰うと気持ちがいいのよ
でも悪いわ」

「構わぬ…閨でじっくり揉む故」

「そう?じゃあお願いしようかな
でも悪さはなしだからね」

「・・・分かっておる」


こうしてウンスはヨンの策に
まんまとはまり、閨へと舞い戻ったので
あった…


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