木春菊  [偕老同穴] 証 12 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「あ~ぁヨンの天気予報あたったわ…」

閨から窓を開けずとも雨音が聞こえる

「楽しみにしてたのに・・・」

「俺も楽しむつもりでいたが
こればかりは、仕方あるまい」

そう言葉にするもヨンの顔は
口の端がにやりとあがって、ウンスには
見える

昨夜の余韻を残し
気だるい身体を引き摺るように
寝台から滑り降りるウンス

「起きずとも、寝ておればよいでは
ないか?」

「いやよ、明日から出仕なのに
一日寝台に居たら、ヨンに
翻弄されちゃうもの…」

ヨンが、ウンスを掴まえようと
腕を伸ばすがするりとかわすし
頬を染めながら呟く

「ならば、湯浴をせぬか?
汗をかいたであろう…」

「そうね…湯浴はしたいかも
でも贅沢よね…湯浴は夜で構わないわ」

ちっ…慣れたのか、手強くなっておる
何かしら策はないものか・・・

「旦那様、奥方様、朝餉の支度が整って
おりますが」

「いま行くわ…」

廊下の端からいつものように
エギョンの声が聴こえる

「分かったかい、閨の前では決して
行っては駄目なんだ、お声をお掛けする
のは、この辺だよ、しっかり
覚えておいておくれ」

「はい、姉さん…でもなんで端っこ
なんだべ?」

「そ、それは・・・」

エギョンは、幼い二人の
素直な問いに口籠る

「し、自然に分かる折がくる・・・
兎に角、分かったかい?」

「はい…」

エギョンは僅かに頬を染め
ぶっきら棒に答える

二人が閨から居間へと脚を運ぶ

「おはよう、よく眠れた?」

ウンスは姉のように優しい
笑みを浮かべると、イルムとサンミを
気に掛け声を掛ける

「はい、お、奥方様…ぐっすり眠れただ
朝飯も姉さんが作って、食(け)って
言ってくれただ、うまかったべ」

「そう良かったわね…ふふふ」

「奥方様、この子らに色々教える事が
ございますので、一度下がらせて
頂きますが宜しいでしょうか?」

「ええ、構わないわ、お手柔らかにね」

「はい、では、ごゆるりと後程下げに
参りますので」

エギョンらは一礼し、居間を後にする

エギョン、チョンスの後を
ちょこちょこと付いて行く二人を
ウンスは目を細めて見送る

「母性って、こんな感じなのかしら
なんだか、あの子らの母親になった
気分よ、ふふふ」

そんな慈しみに溢れたウンスの様子を
目尻を下げ見つめるヨン

叔母上…夢が、真になる日は
そう遠くはないやも知れぬ
そんな気がするのだ・・・



「なんだか、あっと言う間だったわね
たくさん暇を頂いたから、王様にも
お礼を言わないと…ヨン、宣仁殿に
赴く時、声を掛けてくれないかしら
貴方の奥方として、ちゃんとご挨拶
しないと…」

「そのような事は、せずともよいのでは
ないか」

「あら、駄目よ…今までとは立場が
違うわ、婚儀も済ませ、れっきとした
貴方の奥方なんだからその辺は
けじめを付けさせて」

「そのような物なのか?」

「そうだと思うわ、でも私も奥さんって
初めての経験だから、叔母様に
お尋ねした方が良いかしら」

ウンスが思案顔をしていると
居間の廊下の隅から、サンミが聴こえる



「旦那さ~ま、おきゃくさまが来ました
んっと、チュンソクさまです」

「分かった、お連れしてくれ」

「はい!」

ばたばたとサンミが門へと走る

「ふふふ、どうして廊下の隅からなの
かしら…?」

ウンスはサンミの後ろ姿を見つめ
小首を傾げる

「エギョンではないのか」

「・・・ふふふ、なんだか
恥ずかしいわ・・」



「大護軍…」

「どうしたチュンソク、よもや
王様に何かあったのではあるまいな!」

ヨンは椅子から立ち上がり
チュンソクを睨み付ける

「・・・違います、あ、あの・・・」




長くなりそう…一旦切りますm(_ _)m

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