木春菊  [偕老同穴] 126 | シンイ二次小説でんべのブログ

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一刻程寛がれ王様と王妃様は
王宮へと戻られる事になった


「のぉ…大護軍、余はまた歩かねば
ならぬ…屋敷に泊まるのは、無理で
あろうか?」

なんと申された・・
今宵だけは…ならぬ
婚儀後の今宵だけは…

「どうであろうか大護軍…」

「王様…なりませぬ、遠出の行幸ならば
いざ知らず、王様が王宮を空けるなど
有ってはなりませぬ」

「固いの…まったく…余は諦め戻る事に
する、お!屋敷に参るつもりで
そちには言わなんだが、十日程暇を
与えるゆえ、遠出するもよし
屋敷でまったりするもよし!自由に致せ
王妃、参ろうかの、重臣らに見つかれば
騒ぎになる故、迂達赤コンミン
然とお守り致す故、安堵召されよ」

「はい…お頼み申します」

王様の笑みに、王妃様も優雅に腰を下げ
笑みで返す
その光景が一枚の絵画のように、皆の
瞳に焼き付けられる


「奥より聞いてはおりましたが…」

「王様…お願いがございます
私、行きたい所があるんです…」

「医仙殿、遠慮はいらぬ、申されよ」

「はい、実は 江華島に行きたいんです
そしてお墓参りと夫婦(めおと)に
なったと報告したいんです」

「ウンス何を・・・」

『媽媽・・』
ヨンは己の手のひらに目を向けた

苦い想いが甦る
火毒で苦しんでいた媽媽
兄とも慕ってくれていた…
苦しみから救い出したく
この手で最後の種火を摘みとった

ヨンは苦痛に顔を歪める

「この人は今も苦しんでいます
ですから、その苦しみから解放して
あげたいんです、お願いします
江華島へ向かう許可を下さい」

ウンスは王様、王妃様に深く
頭を垂れ返事を待っていた

「・・・相分かった…余の甥ではあるが
まだ幽閉された身分のままである
故に、身分を回復致す
元々、何の落ち度もない御仁が
政の駒に利用され、幼いがため幽閉
されたに過ぎぬと、余は思うておる」

「ありがとうございます」

「大護軍…そちのせいではない故
気に病む事はない!…婚書が余の元に
届き、漸く婚儀の運びとなった
目出度い日じゃ…行って来るがよい
よいな」

「はっ!、ありがたきお言葉
恐悦至極に存じあげます…」

ヨンは頭を垂れる

「では、王妃参ろう…皆…戦帰りの者は
明日は暇を与える故、ゆるりと
祝って遣るがよい…」

チュンソクが護衛に付こうとすると

「護軍、今日は禁軍が護衛に付く
そなたも祝いたかろう…長きに渡り
あやつの下にいるのだ、そちが戻れば
迂達赤も戻らねばなるまい
黙って甘えろ」

チュンソクがちらりと迂達赤を
見遣るとうんうんと頷き
懇願の眼差しを向けていた
今一度、ヨンに瞳を向けると静かに
頷いている

「アンジェ殿、ではお言葉に
甘えとう存じます」

「気にするな、捕らえた倭寇の報告も
あるゆえ…チェ・ヨンまた寄らせて
貰う、その時はゆるりと飲み明かそう
ぞ…」

「ああ、すまぬなアンジェ
然りと王様を頼むぞ」

幼き頃より切磋琢磨しあった二人
にやりと片頬をあげると
互いに通じるものがある

「おお、チェ尚宮そちも残り
祝ってやれ、唯一の身内であろう」

「されど王様、王妃様を一人には
致しかねます…」

「よい、今日は余がついておる」

「・・・はい…ではお言葉に
甘えとう存じます」


こうして王様は「邪魔をした」と
言い残されると王妃様がお乗りになる
腰の横にぴたりと寄り添い
禁軍に回りを囲まれ
王宮に戻って行った


ある意味やっと解放された面々
どっと疲れが出る

「王様のお許しが出た故
皆飲もうではないか…戦の疲れも
あるだろうが、皆で大護軍と奥方に
なられた医仙殿を祝おう」

チュンソクが声を張り上げると
迂達赤は、嬉しそうに片手を上げ
酒瓶片手に地べたに座りだす

「これじゃ…お尻が冷たいわ
チョンス、何か敷物ないかしら」

「蓙(ござ)ならありますが?」

「それでいいわ、出してちょうだい」

チョンスは納屋へと走り蓙を
何枚も担ぎ戻ると、皆の手を借り
卓を退かし地べたに蓙を敷き詰める

本当の宴の始まりである


昨夜は早くに寝てしまい短い…です
m(_ _)m

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