木春菊  [偕老同穴] 104 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ウンス…どこだ!何処にいる」

血相を変え、王宮の中を駆けずり回る
ヨン…されど、何処にもウンスの気は
感じられない

そんなヨンの様子を垣間見たチョモ

「あの…大護軍奥方様ですか?」

「そうだ、見たのか!何処にいる!」

ヨンはまるで夜叉のような形相をし
チョモに詰めより頚を締め上げていた

「く、苦しい…大、大護軍…離して
下さい」

「何処で見た!早く言え!」

ヨンは我を忘れ更に締め上げていた…

「大護軍、チョモが落ち度でも
したのですか」

そんな姿を目の当たりにした
チュンソクが、ヨンの背から
脇に腕を回し、羽交い締めにすると
やっとの思いで二人を引き離した

「ゴホッゴホッ…死ぬかと思いました…」

「・・・すまぬ・・チョモ…あの方を
見たのか?」

「はい、目を赤くされて裏門の方へ
走って行かれました…喧嘩でもされた
かと思い、一人にして差し上げる
べきかと思いまして後も追わず
すみません」

「大護軍、奥方様がおらぬのですか」

「裏門?何故そんな方向に…」

「あぁ…奥方様は方向音痴だった筈
以前、王宮の中でも迷子なられておりま
した…」

チュンソクが、重臣らに囲まれていた
折のことを思い出す

「すまぬ、チュンソク話は後だ
先ずは、あの方を探さねばならぬ」

「迂達赤をお連れになって下され
一人より人数がおった方が良いのでは」

「俺の私的な事で、迂達赤を動かす
訳には行かぬ、だが裏門から外に出たと
すれば…スリバンに繋ぎを付けて
くれぬか、王様には、暫く王宮を留守に
すると、それだけでよい故
テマンの気を王宮内で感じぬ、後を
追っているやも知れぬが頼めるか?」

「はっ!すぐに」

そう言ってヨンは裏門へと駆け出し
門番に詰め寄る

「医仙がここを通りはしなかったか?」

「はっ!大護軍、医仙様との面識は
有りませんので、定かではありませんが
白い医官服を纏った女人は、あちらの
方角へと走り去って行かれました」

「西の方角か…市井の方ではない
外套も羽織ってはおらぬな?」

「はい…医官服が目に付きましたので
あのお方が医仙様でしたか…」

「・・面識がなかったと・・」
『やはり、王宮の隅々にまで、あの方が
医仙であり、俺の奥と知らしめるべきと
言うことか・・』

ヨンはそう胸の内で思うと、門番の肩に
手を置き無言で外へ駆け出す




「大護軍~~」

遠くからチュホンを連れ、トクマンが
声を張り上げヨンの名を呼んでいた

「良かった…間に合いました
徒歩では、大変ではないかと連れて
参りました!」

「トクマン、助かる」

そう言うと、チュホンにひらりと跨がる

「大護軍、俺も行きます!」

「いや…よい、必ず連れ戻る故案ずる
な」

トクマンは眉を下げ心配そうに
馬上のヨンを見つめる

ヨンはそう呟くと、チュホンの脇腹を
蹴り、颯爽と駆け出して行く



歩き疲れと、ぼとぼと歩を進めていた
ウンス…

「寒い…お腹空いた… 昼餉食べて来れば
良かった・・・ところでここは何処よ」

ウンスの口から溢れるのは
愚痴だけだった…

「はぁ…勢いで飛び出しすなんて
まるで子供みたい…
なにやってるんだろう、わたし・・
でもどれだけ方向音痴なの
自分でも呆れる…」

ウンスはそう呟くと唇を一文字に結ぶ

痛い脚を引き摺りながら
歩を進めていると、一軒の荒れ寺が
ウンスの目に止まる、そして荒れ寺の
門扉から、ちょいと顔だけを出し
中の様子を伺う


「ここは?荒れ寺かしら…?
でも….こんなところに入ったら
何かあるかも・・盗賊の塒とか….
ドラマでは良くあるパターンだわ
止めておこっと…けど寒いわ・・」

ウンスはポツリと呟くと
自身の腕を擦っている

「ん?来た道を引き返せば良いのよね
でも…覚えてるかしら」

ウンスは来た道を振り返りがら
そう呟くと

「進んでも仕方がないわ…よし!
正面突破よ!!」

と、自身に渇を入れながら
来た道を戻って行った…
ヨンから以前聞いていた
正面突破と言う言葉が
自然に口から衝いて出た事に
笑みを浮かべる

「謝ろう…っと・・・」



テマンはウンスがお腹を空かせて
要るだろうと、饅頭屋でひとつ買い求め
懐に忍ばせウンスの通ったであろう
道をひたすら走っていた…

「ここは通っていないのか・・」

そんな事を思い頭を抱えていると
遥か彼方に人影が微かに見えてくる

「医仙様~ん?男?・・・」



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