木春菊  [偕老同穴] 91 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「王様、医仙殿が参ってございます」

アンドチが言葉を王様に向かい言葉を
掛けると

「入って頂きなさい」

ウンスが扉から姿を現し
玉座の前で止まり、王様に一礼する

「王様、ご機嫌麗しく・・でもなさそう
ですね、話は伺いました」

「わざわざ呼び立ててすまぬ、医仙殿
何故か、王妃の懐妊をこの者らが
知っておる、それでも余に側室を進める
これが王妃の耳に入ればどうなるか
この者らに聞かせてくれぬか」

「分かりました」

ウンスはくるりと回ると、玉座から一歩
横にずれ、重臣らを見据え口を開く

「今はご懐妊初期で一番大切な時期なん
です、母体が、あ!今は王妃様のお身体
の事ですが、お身体が目にしたこと
耳にした事お腹の中の赤子に伝わると
言われています、ですから
王様の側室話など、今は止めて
頂きませんか?」

「されど医仙殿、もし王妃様のお子が
公主様やも知れぬのに、どうしろと
大君でなければ、国を継げませぬ」

「例え公主様がお生まれであったと
しても、一度ご懐妊あそばされると
懐妊しやすいお身体になられます
人それぞれで、断言は出来ませんが」

「そうであろう、先の事は誰も分からぬ
ではないか、ゆえに側室をと、申して
おるのだ、これは国の為
この国を維持する為なのだ、よそ者は
口を挟まないで頂きたい!」

「・・確かに私はよそ者かも知れません
が、この地は私の里と思っています
王様、王妃様始め大護軍、皆大切です
その王妃様が待ち望んだご懐妊
私が全勢力を注ぎ無事に生んで頂きます
ですから・・・どうぞお願いします
今はそんな事おっしっらないで下さい
どうか王妃様を気遣い下さい」

ウンスは今にも土下差でもしそうな
勢いで、頭を下げている

「されど・・この国を維持するには
大君が是が非でも必要!
国母あられる王妃様に大君ができぬと
あらば、致し方なきこと
王妃様ならお分かりになられる筈
いち医員に過ぎぬそなたの口出し無用と
言っておるのだ!」

「・・・あったまきた!」

「な、なんと申した!」

ウンスは怒りを顔に滲ませ
強く拳を握りしめ顔をあげた

「この地で女人が子を生むと言う事は
命懸けだと言う事を、貴方はご存知
ですか、男は命懸けで子を宿し
生んでくれる女人に、敬意を払うべき
だと私は思いますが!」

「ふん!女人に敬意?戯けた事を申す
でないわ」

「ん?戯けた事?なら貴方は誰から
生まれたの、母親のお腹からでしょう
その母親にも同じ事言えますか」

「それは・・・」

「医仙殿、もうよい女人に敬意も配慮
も出来ぬこの者らが、国を語るなど
言語道断!と余は思う、民が居て
国が成り立つものであろうに・・
国母である王妃の心情も医仙殿がこれ
ほど、危険だと訴えてるにも関わらず
余に側室をと言うなら、もし王妃に
腹の赤子に万が一があった場合
余は決してそなたら全員を許さぬ!
その命親族諸とも差し出して貰う
それでもよいのだな!今ここで
念書を認めて貰う、ドチ!筆と硯をも
もて」

「王様、我々はただ国の為に!
どうかお考え直しを・・・」

重臣らは、命を親族諸ともと言われ
ざわざわと慌てふためく

「余の決意は変わらぬ!!」

王様は重臣らを睨み付けながら
語尾を強め声を張り上げる

「・・・王様・・カン・ヨンジュ殿は
我々重臣の筆頭に座するお方、カン殿の
意見を伺いたく、暫し時を・・
お願い申し上げます」

重臣らは一斉に頭を垂れる

「・・・貴方がた!いい加減にして
ください
カンさんはまだ外にも、ましてや王宮に
出仕することも、主治医として私が
許可いたしません!どれだけの病と
戦っていると思いますか?不治の病は
医術で悪いところを切り取っても
完治とは言い切れない病なんです
細胞、いえ悪い菌が身体のあちこちに
移る場合があります
最低五年ほどの月日を掛け、病と向き
合う必要があります、そんな人に出仕
しろと言うのですか?馬鹿げてます!」

ウンスはありったけの声を張り上げ
重臣らを見回す

「王様、お願いします、カンさんに
出仕しろと、王命はお出しにならないで
下さい、この寒い中いくら着込んで
外に出たとしても、風邪でもひかれたら
命に関わります、どうかどうか
お願い申し上げます・・」

ウンスは身を翻し、王様に向かい深々と
頭を垂れる

「分かっておる、医仙殿そのような
事はせぬ、ご安心めされよ」

「ありがとうございます王様・・・」

ウンスはほっと張り詰めた
肩の荷を下ろせた気がし「ふぅ~」と
息を吐く

「王様、医仙殿に対してあまりにも
贔屓目で見てはおりませぬか?
大護軍の許嫁やも知れませぬが、民の
前で口づけなど、この国が揺らぐ一大事
にございますれば、どうかお取り止めを
御命じ下さいませ」

「ほう~話をすり替えるつもりか・・」

「すり替えなど滅相もございませぬ
このリ・ヤンいずれ王様に申し出る
つもりでおりました故」

「余も王妃も医仙殿が悲しまれるのは
望まん!そなたらが大護軍にあの手
この手で、女人を近づけようと画策する
のは、医仙殿には耐えられぬであろう
故に民と言うより、そなたらが諦める
ならと思うておる」

「されど王様、大護軍とて望んでは
おりますまい、鬼神と民に慕われ
国の守り神と囃されておる故」


「某はそのような崇められる男ではな
い」

「ヨン・・・」

ヨンが怒りを滲ませ 宣仁殿の扉から
大股で入ってくる
そして王様に一礼すると、ウンスを胸に
囲いその瞳をじっと見つめる

『ヨン、な、何をするつもり?
まさか!・・・ここで・・』

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