木春菊12 | シンイ二次小説でんべのブログ

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ウンスを背に隠し左右に
チュンソクとテマンが睨みを
利かせている

「徳興君様、ここは高麗の地
貴方様は高麗をお捨てになった筈
なにゆえ舞い戻られた」

「捨ててなどおらぬわ」

「王妃様を拐かした罪は消えては
おりませぬ、ゆえにおとなしく
縛に就いて貰う」

「某は王族ぞ
そなたごときが手出しはできまい
恭愍王が、御隠れになる事があろうものなら
某は次の王ぞ」

「なに言ってるの?生まれてくるはずの
赤ちゃんを貴方があやめたのよ!」

「ウンス!!」

「だってヨン!あんなひどい事しといて
なにが王族よ!腹が立つ」

「相変わらずよの
威勢だけは変わらぬ、医仙そなたは
某の許嫁ゆえ迎えに参った、共に参ろう」

徳興君が一歩前に踏み出す

「許嫁?俺のです、既に契りも交わして
おりますれば諦めて下され」

ヨンは眼光鋭く睨みかえし言葉を吐く
その瞬間後ろ手に
ウンスの手をぎゅっと握る

ウンスもまた頬を染めながら
握り返す

「なんと!契りを交わしたと申したか
王族の女人に手を出すなど許されぬ」

「もう~いい加減にしなさいよ
いつからあんたの女になったの
私はヨンに寄り添う為に戻って来たの
例え死んでも貴方の嫁なんて
成らないから」

「某と共に歩めば、先には王妃になれる
いや、王妃にしてやる
それでも来ぬと申すのだな」

「あたり前よ」

「ウンス、もうよい!」

二人は見つめ合い微笑みを交わすと
ヨンは徳興君に再び向き直り
鬼剣を鞘から抜き一歩近づく

「徳興君様
王様よりこの地に貴方様の姿を
見掛けることあらば
どんな姿であろうが、余が断罪するゆえ
生きて連れて参れと、御言葉を
賜っております、ゆえに
大護軍チェ・ヨンの名に掛け
開京にお連れする」

どたどたと潜んでいた駐屯兵が
執務室の扉の前に駆けつけ
もう逃げ場は塞がれた

「退け!退くんだ!」

駐屯兵の後ろから声を張り上げる
その声を聞きヨンは口の端をあげる

「トクマン無事か」

「はっ!すべて大護軍の読み通りに
事は、運びました」

「トクマン肩に血が滲んでいるぞ」

テマンが声を張り上げる

「なんのこれしきかすり傷よ」

睨み合いが続いている最中
徳興君の手下がヨンに向かってくる

「ウンス、目を瞑っていろ!」

そう叫ぶとヨンは鬼剣を振りおろす
『ぐっ』と籠る声が漏れると
頚の付け根から血吹雪が舞う

ウンスは籠る声に肩をすぼめ
より一層ぎゅっと瞳を瞑っていた

「さあ、徳興君様どうなされます?」

「わ、わかった従うとしよう」

そう呟くと徳興君は両膝を
床に落とした

「縄を打て!!」

チュンソクの怒号が飛ぶ
トクマンと駐屯兵が徳興君に近づき
縄で縛ろうとしていると

トクマンの腕が徳興君の袖口に触れた




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