木春菊11 | シンイ二次小説でんべのブログ

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兵舎にたどり着いた兵士が
チュンソクの名を叫ぶ
その声はチェ・ヨンの耳にも届いていた

「如何した?」

チュンソクが驚き飛び出して来た

「黒装束の集団に、トクマンが
牢車を渡せと囲まれております」

「なんだと!してトクマンは無事か」

「わかりません、すぐに知らせに
戻りましたから」

チュンソクはご苦労と一声かけ
身を翻し、チェ・ヨンの執務室へ
向おうとしたが、既にチェ・ヨンは
目の前まで来ていた

「トクマンが如何した?」

「はっ!」

チュンソクは兵士の話を
チェ・ヨンに報告する

「チュンソク共に参るぞ、テマン
イムジャを頼む」

テマンは頷き執務室へ走る

「お前達!刺客が近くにおるようだ
この兵舎に近づくようなら
作戦通りによいな!」

チュンソクは声を張り上げる
一斉にどたばたと動き出す駐屯兵

チェ・ヨンは愛馬に飛び乗り
チュンソクと手勢を引き連れ
共に駆け出した

それを黒装束が
身を潜め様子を伺っている

「チュンソク戻るぞ、裏門に回れ」

静かに頷くと
手綱を引き馬の向きを変える



一方トクマンたちは・・・・

「三人で我々に勝てるとでも」

刺客の一人がそう叫ぶと
じりじりと間合いを詰めて来る

「さあ・・どうだろうな
やってみないと分からんぞ」

トクマンはにやりと笑みを溢すと
牢車目掛けて数人が動く

トクマンは槍を振り回し
近付けまいと交戦する
槍と刀のぶつかるいやな音が
『き~ん』と響く


『はあ~はあ~』と肩で息をしているが
それでも仲間を気遣うトクマン

「だいじょうぶか・・・」

「ああ、いきている・・・」

その回りには数人の屍が転がっていた

「もう力は残っていまい」

「それはどうかな」

トクマンは片頬を上げた
その時路肩から援軍
数十名が飛び出して来た

辺りを見回し黒装束の集団が焦り出す

「いつの間に・・」

「お前らが来る事は大護軍はお見通しだ
黒幕を吐いて貰うか、こいつらは
毒を操る、気をつけろ!」



一方兵舎では
らくらくと侵入して来る
黒装束三名と徳興君

「静か過ぎる、門番もおらぬ」

「よいではないか
街道に出向いたのであろう」

「しかし、罠やも知れませぬ」

徳興君は手下が話すの片手をあげ制し
し~んと静まりかえる兵舎の中へ進む

「誰もおらぬのか、確かめて参れ」

「はっ!」

手下は次々と扉を開けて行く
遂に一番奥のチェ・ヨン執務室まで
たどり着く



「来た、彼奴の気配だ、よいな決して
触れるでない」

静かに頷くチュンソクとテマン

震えるウンスを、チェ・ヨンは
ぎゅっと抱きしめ背中を擦っている

「俺が必ず護る、案ずる事はない」

ウンスの瞳を見つめ優しく呟く

ウンスがこくんと頷くと
執務室の扉が一気に開く

「何故チェ・ヨンがここにいる
街道に出向いたのではないのか!」

「はっ確かにこの目で・・・」

言い終わらぬうちに
徳興君が手下の首に触れると
どさりとその場に倒れる

「役にも立たぬわ」

「医仙・・久しいの
某の元へ来ぬか
そなたが、おとなしくこちらに来れば
誰も傷つかぬ
穏便に済まそうではないか」

その言葉に
チェ・ヨンの目付きが変る




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