サザエさんー道徳-16

摘まみ食いをしてはいけない。特に握り寿司の盗み食いはすぐばれる。

朝日文庫版31巻〔109頁〕・昭和40年
『サザエさんが、ショートケーキが入っている箱を開けて、「たりない!!」とギックリした顔をして、怒っています』
『食卓の横にカツオ君が畏まって座っています。食卓の上には、何かが置かれ、白い大きな布で覆われています。そんな食卓の横に座っているカツオ君に、サザエさんは、ケーキの箱の蓋を開いて中を見せて、「おきゃくさんがあるんだから、とっちゃいけないっていったでしょ!!」と叱りつけています。カツオ君は、目を丸くして、サザエさんを見つめて、神妙な顔をしています』
『サザエさんが、ケーキな箱の蓋を開けたまま、カツオ君の顔を見ると、カツオ君は、泣きっ面をして、大粒の涙を流しています。サザエさんは、叱られて涙を流しているカツオ君に驚きました』
『サザエさんは、フト気がつき、食卓に置いてある物の白い布を取りました。そこには、沢山の握り寿司が入った大きなお櫃が置かれていました。サザエさんは、それを見ると、「アおすしもつまんだねッ」と怒鳴りました。カツオ君は、「ひでえわさび」と言うと、逃げて行きました』

カツオ君は、酷いな!美味しそうな食べ物は、なんでも摘まみ食いするのかな?
サザエさんが、お客さんのために準備した美味しそうな食べ物は何でも盗んで食べるんだね!でも、何でも、甘くて美味しい食べ物とは限らないよ。
ショートケーキは、甘くて美味しかっただろう。しかし、握り寿司には泣かされたね!握り寿司は、新鮮な魚や貝を、フックラとしたご飯の上に乗せ握ったもので、みんな大好きだね。しかし、昔から、生もの魚や貝を使うので、直ぐに痛む怖れがある。そこで、消臭と食中毒を防ぐため、その効果に優れたワサビが使われてきたんだ。ワサビは、ご飯と魚の間に、置いて握られているので、握った寿司を見ただけでは、ワサビが入っているかどうか、外から見ただけでは判らないだろね。
ワサビが入った寿司を食べたら、ワサビが鼻にツ~~ンときて、涙が出てくるね。大人の人は、そのツ~~ンとくる風味が、堪らないと言う人もいるんだよ。でも、子供達は、特に小さな子供には、その刺激が強すぎるので、寿司屋では、「ワサビを抜いてください」とお母さんが言っているだろう。
刺激が強く涙が出てくる「ワサビ」、そんなワサビが入っているか、いないか、“摘まみ食いの時は、素早く盗んで食べる”そんな時に、ワサビが、入っているかな~~と、確かめながら盗む余裕はないよね。
パッと盗んで、パクッと口に入れる。それが摘まみ食いの醍醐味だ!
食ったぞ、やったぞ!
しかし、アアッ!辛い?目に来る。涙が溢れる。握り寿司の盗み食いばれた。
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サザエさんー道徳-15

張り込みの刑事さんて、カッコいいと思いますか?

朝日文庫版31巻〔127頁〕・昭和40年
『サザエさんのお父さんが、裏口から出て、裏口のすぐ近くの道路に腰を落として座っている、破れたソフト帽を被り、当て布が縫い付けてある草臥れたジャンパーを着て、ズボンも破れている、乞食のような、ぼうぼうの口髭を生やした男に、丁寧に頭を下げ、何事かを言いながら挨拶をしています』
『暫くして、サザエさんのお母さんが、エプロン姿で裏口から出てきました。お父さんと同じように、お母さんは、深く腰を折り、その乞食のような男に、ニッコリと笑顔で頭を下げています』
『松葉箒で庭を掃除していたお父さんとお母さんのそばに髭面の出前のオジサンが近づいてきて、2人に、「アホらしい ただのこじきですよ」と言っています、それを聞いたお父さんたちは、口を開けたまま、唖然としています』
『お父さんとお母さんは怒っています。お父さんは、松葉箒を肩に担ぎ、「はりこみの刑事だなんて、あかっぱじかいたぞ!!」と怒鳴りながら、逃げるカツオ君を追いかけています』

カツオ君は、後でこんな事を言っていました。
「今日、学校から家に帰ってきたとき、俺の家の裏木戸の近くに、乞食が腰をおろして座っていたんだ。その乞食は、みすぼらしい帽子と服装をしていたんだが、近づいて、口の周りにボウボウと生えている髭を見ている内に、なんだか、何時もテレビで見る、張り込みの刑事さんを思ってしまったんだ。そこで、咄嗟に思いついた。何時も一緒に刑事ドラマを視ていて、お母さんが、「お父さん、張り込みの刑事さんて大変ね!乞食の格好をして、冷え込む、道端に座り込んで見張っているんだね!」「そうだよお母さん、刑事さんは、犯人を捕えるために、頑張っているんだ。ご苦労さんだね、実に頭が下がるよ」などと言っているのを思い出したんだ。
そこで、僕は、「お父さん、家の前の道路に刑事さんが、乞食の格好をして張り込みをしているよ」
すると、お父さんは、「そうかい、本物の張り込みをしている刑事さんを見ておくか!」と言って外に出て行った。暫くして戻ってきたお父さんが、お母さんに、「本当にいたよ。張り込みの刑事さんて、なかなか、迫力がある。お母さんも見ておきなさい」と言った。すると、お母さんも外に出て行って戻ってくると、「そうねェお父さん、ドラマに出てくる張り込みの刑事さんにそっくりよ」と言っていたんだ。僕は、可笑しくて笑いそうになったけど、我慢した。折角、お父さんたちが、本物の張り込みの刑事さんだと思い込んでいたところに、何時もやってくる八百屋の出前の太ったオジサンが、本当に、余計なことを言ってしまったんだ。お父さんとお母さんが、〈張り込みの刑事さんて、カッコいいね〉と話しているところに、割り込んできて「アホらしい、本当の乞食ですよ」と本当のことをばらすから、お父さんが怒りだしたんだ。“カツオの奴、やりやがったな!”
お父さんは、松葉箒を振り上げて、追っかけてきた。
「こりゃ危ない!逃げろ!逃げろ!」と逃げました。
しかし、あの本当の乞食のオジサンは、お母さんとお父さんに、深々と丁寧に頭を下げられて、何を思ったかな~!
サザエさんー道徳-14

接着剤は、正しく使わないと危険です!

朝日文庫版31巻〔87頁〕・昭和40年
『カツオ君が、接着剤チューブを手に持って、ワカメちゃんと遊んでいると、サザエお姉さんに、接着剤を持っているのを見つかり、「せっちゃくざいじゃないの!」と問い詰められています』
『サザエさんは、接着剤チューブをカツオ君から取り上げ、「何に使ったのよ!」ときつく叱りつけています。その物凄い気迫に恐れをなした二人は、走って逃げて行きました』
『お母さんを尋ねて来ていた、和服を着た奥様が、お暇しようと玄関で草履に両足を突っ込み、立ち上がり、歩こうとしました。しかし、足を踏み出せず、そのまま、上体が前にバッタリと倒れてしまいました。それを見ていた、お母さんとサザエさんは、驚いています』
『お母さんとサザエさんは、玄関の土間に腰を落とし、「もうしわけございません」と言いながら、それぞれ、草履を土間から取り外そうと力一杯引きはがしていますが、全く、取り外すことができません。奥様は髪を乱して、2人の奮闘振りを見ています』

この頃、市場に売り出された接着剤の、その強力な接着力は驚きだったのでしょう。“サザエさん”にも接着剤を使った作品がありました。例えば、子供とプールに来たお父さんが、プールの中で、自分の手の平と子供の手の平を接着剤で接着し、離れないようにしている作品もありました。このように、市販の接着剤の強力な接着力が、話題になっていた時がありました。子供達には、指と指が接着したら、もう離れないよと脅していたこともあったようです。
そんな時、子供に接着剤を悪戯に使われたら大変だと、注意していた大人もいたのでしょう。
しかし、カツオ君は、とんでもないイタズラに接着剤を使ったものです。
おばさんの草履を玄関の土間に接着するという悪戯は、どうして思いついたのでしょう。そして、オバサンが前のりにぶっ倒れるという結果まで予想していたのでしょうか?
悪戯にしても、草履を土間に接着する発想が、理解できません。
何故接着したのか、「だって、オバサンは、脱いだ草履を正しく揃えていなかった。脱いだ草履は、直ぐ履けるように、玄関口に向けて、揃えて並べておくんだよ、でもオバサンは、脱いだままにしていたから、僕が揃えてやったんだ、揃えた形が崩れないように糊でくっ付けただけよ。くっつけたら外れないとは思わなかった。凄いな!!この糊は、いや接着剤は!!オバサンの草履が土間にくっついて離れないとは思わなかったヨ!」
そうだよ、カツオ君、君の持っている接着剤は、強力な接着剤だ!オバサンの草履を土間に接着したら離れないよ。だから、こんな悪戯は決してしてはいけない!大変危険だ!
サザエさんー娘自慢のお父さん?

着飾った娘さんは綺麗ですね、自慢の娘さんのようですねお父さん!

朝日文庫版34巻〔116頁〕・昭和42年
『和風の編み上げ、アップの髪型に結い上げ、綺麗な着物を着て、太鼓帯を締めた娘さんが、行ってらっしゃいと手を振るお母さんに送られて家を出ました』
『直ぐに、エプロン姿のサザエさんが、「まあきれい!!」と笑顔で駆けつけ、又、前掛けをしたオバサンが「ご卒業ですか!」と駆けつけてきました』
『着飾った娘さんは、そのまま出かけました、その後を、娘さんのお母さんと、サザエさんとオバサンが見送っています。サザエさんとお婆さんは、「これだけのおしたく」「たいへんだったでしょうね~~エ」と感心しています』
『すると、何時の間にか3人の後ろに立っている、顔の長いオジサンが嬉しそうな顔をして、タバコを吸いながら、「な~にそれほどでもありませんがネ」と鼻の下を長くして自慢しています』

綺麗な着物と髪型の娘さんを、褒めているサザエさんと近所のオバサンの傍に、何時の間にかに寄って来て、オジサンが、「な~にそれほどでもありませんがネ」と言っています。
どうもわからない落ちです。お母さんは、特に娘さんの自慢はしていません。お母さんは、「イ~エ、そうでもありませんわよ」くらいの見栄を張るのは分かりますが。あるいは、「そうなんです、卒業式なんです。着物、帯、美容など大変でしたわ」と率直に答えているかもしれません。
しかし、お父さんと思われるオジサンが現れ、「な~にそうでもありません」と言う必要があるのか理解できません。お父さんにすれば、相当自慢の娘さんなのでしょうか?
この娘のためには「幾らでも金をつぎ込んでもいい」と自慢しているのか、それでも、金持ちだから、それほどのことではない自慢したいのでしょうか?
兎に角、「な~にそれほどでもありませんがネ」と言うために現れる必要はないようなオジサンですが。
何故この場にオジサンが現れ、それが面白いのか不思議な気がする場面でした。
サザエさんー道徳-13

カツオ君!お父さんに恥をかかしてはいけません。

朝日文庫版33巻〔132頁〕・昭和41年
『垣根越しの隣の庭で、オバサンが洗濯物を干しています。すると、「なにはなくとも子供がいて幸せといったくせに」とカツオ君が叫ぶ大きな声が聞こえてきました。オバサンは可笑しくてにやりと笑いました』
『続けて、「もうすぐ定年だし子供だけが生きがいだといっていたじゃないか」とカツオ君が叫ぶ大きな声が聞こえてきました。その叫び声を聞いて洗濯物を干していた隣のオバサンは、可笑しくてたまらず、思わず、口を押さえて大笑いしています』
『サザエさんのお父さんが、庭に出てきて、「ごきんじょにめんぼくない」と恥ずかしそうに、顔を赤らめ歩いています』
『庭に造られた大きな鶏小屋の中にカツオ君が入れられていました。鶏小屋の中で、網を両手で掴んで泣き叫んでいたのです。お父さんが、怒った顔をして「まってろあけてやる!」と言いながら、錠前をはずしています』

カツオ君!そんなお父さんの恥を曝すのは止めなさい!どうしてお父さんを怒らせ、鶏小屋に閉じ込められたんだ!!
カツオ君は、
「なにはなくとも子供がいて幸せだ」
「もうすぐ定年だし子供だけが生きがいだ」
と言っていたお父さんのお言葉をどのように聞いていたんだ?
多分、お父さんは、若かりし頃、末は金持ちになって、老後を楽しく暮らそうと望んでいたんだろう。しかし、思うようには行かず、課長止まりの会社勤め、このまま終わってしまう。これでは、行く末は、頼りなさそうなカツオ君に頼らざるを得ないと嘆いていたんだ。
実は、お父さんのお言葉は、お父さんの悲しい心情を表したものなんだよ!
それを、隣のオバサンに聞こえるように叫んではいけない。
オバサンは、お父さんの心情が判るものだから、可哀そうと思いながら笑っているんだ
お父さんも、お父さんだな!「ごきんじょにめんぼくない」とカツオ君を解放してくれたね。
お父さん!カツオ君を解放したら駄目だ!カツオ君が叫んでも隣近所に届かないように「さるぐつわ」をして、そのまま、鶏小屋に閉じ込めていた方がいいんじゃありませんか?
カツオ君が、何か悪いことをして鶏小屋に閉じ込めたのでしょう。その上、懲りずに、お父さんの恥ずかしことを叫んで、重ねて悪いことをしている。厳重に処罰すべきだと思います。まだ解放してはいけません。

サザエさんー道徳-12

 

新聞週間限定のサービスとは言え、寝坊している人の枕元まで、新聞を届ける必要はないと思う。

 

朝日文庫版31巻〔82頁〕・昭和40年

『白い鉢巻をしたカツオ君が、新聞の束を肩から提げて走っています。牛乳瓶を沢山入れた箱を荷台に取り付けた自転車から降りて、数本を籠に入れて配達している牛乳屋のおじさんとすれ違いました。すれ違いざま、その顔見知りのオジサンが、カツオ君に、「へーーシンブンはいたつはじめたの?」と声をかけました。カツオ君はと答えています』

『カツオ君は、ある家の玄関口まで走って来ました。カツオ君は、肩から下げた新聞の束から、一部の新聞を取って手に持っています』

『カツオ君は、新聞を手にして玄関から家の中に入ると、靴を蹴飛ばして脱ぐと、そのまま家の中に入り廊下を走って行きました』

『洋服ダンスや箪笥が置いてある部屋に、寝間着を着たハゲ頭の太ったおじさんが布団から半身を起し驚いています。おじさんの直ぐ傍まで、カツオ君が新聞を持って現れ、「しんぶんしゅかんのあいだは枕もとまでおとどけしますよ」と言って、おじさんの枕元に置いています』

 

カツオ君!新聞配達のアルバイトをしているのか?偉いね。新聞の束を肩に担いで懸命に走っているカツオ君の姿は、凛々しくてカッコいいよ。数日前、「もういそのくんとなんかくちをきかない」なんて言った女の子も、そんなカツオ君の姿を見たら、「やっぱり口をきいてあげるわ」と言って、見直してくれると思うよ。

カツオ君、毎日の新聞配達ご苦労さん!しかし、今日のカツオ君は、行き過ぎだな。他人の家の中に、許可もなく立ち入る「不法侵入罪」と言う犯罪を犯したことになるぞ。多分、新聞週間であっても、その犯罪に例外はないと思う。

家の中に入り込んだカツオ君を見たおじさんも驚いているように、黙って、家に走り込んだようだな!

君が、玄関に走り込む瞬間、「新聞配達です。お邪魔します」と大きな声で告知していたら、「不法侵入罪」は免れることが出来るかもしれない。

しかしながら、この罪は免れても、気持ちよく寝ていた人の睡眠を邪魔した「睡眠妨害罪」という犯罪?が適用されるかもしれないぞ。

兎に角、新聞週間限定のサービスとは言え、寝坊しているおじさんの枕元まで新聞を届ける必要はないと思う。

新聞は、気持ちよく目覚めた人が、自ら新聞受けの箱まで取りに行って、あるいは奥さんが持って来てくれる新聞を読むものだ。

サザエさんー道徳-11

まだまだ子供だからそんなところへ行ったら駄目だ。

朝日文庫版31巻〔54頁〕・昭和40年
『半袖のシャツに半ズボン、制帽を被り、ランドセルを背負い、手には習字道具の入ったバッグを持ったカツオ君が、セ―ラ服にスカートを着て、ランドセルを背負い、カツオ君と同じように習字道具の入ったバッグを持った女の子が、ぷんぷんと怒った顔をして、「もういそのくんとなんかくちをきかない」と言いながら、カツオ君を追い抜いて行きました。その瞬間、カツオ君は、ハッとして立ちすくんでしまいました』
『ショックを受けて歩いていたカツオ君は、ノリスケおじさんに出会いました。ノリスケおじさんの顔を見たカツオ君は、なんだか急に悲しくなり、涙が溢れ出し、拳でぬぐっていました。その様子を見たノリスケおじさんは、なぜ泣いているのかと訳を聞くと、「そんなことぐらいでくよくよするな」と慰めてくれました』
『ノリスおじさんは、泣き続けるカツオ君の肩を掴むと、「かわいそうになァおじさんについてこいよ」と引っ張って行きました』
『カウンターの向こうに、綺麗に化粧をしたママさんが、にこやかな顔をして立っていて、ボーイさんも傍に立っています。シャンデリアに照らされた、お店の中のソファーには、何人かの男性と女性が交互に座り、お酒を飲みながら楽しそうにお喋りをしています。カウンター席に座らされたカツオ君は、ノリスケおじさんに肩を抱かれて、並んで座っています。ノリスケおじさんは、神妙な顔をして、悲しそうな顔をしているカツオ君の顔を覗き込みながら、「じょせいの一人や二人あきらめろ」と慰めています。そんなノリスケおじさんに、お店のママさんが、不審そうな顔をして「あんたこんなとこにつれてきていいの?」と聞いています』

カツオ君!女の子に、どうして嫌われているんだ?良い仲だったのか?良い仲だったら、「もういそのくんとなんかくちをきかない」なんて言われたらショックだろうね。悲しくって、泣きたくなる気持ち、判らなくもないよ。しかし、そのまま家に帰って、畳に泣き伏せたらよかったのに、余計な人に出会ってしまったね。
ノリスケおじさんが、「ついて来い」と言って連れてきたところは、どんな場所かわかるか?カツオ君は、まだ子供だから、例え大人と一緒でも、来てはいけないところだ。
ノリスケおじさんは、タイコさんという奥さんがいるけど、女の人にもてないタイプなんだよ。だから、もてずに悲しくなると、時々、通っている場所のようだね。
子供の君が、こんなところに連れて来られても、今日のショックは癒せないよね。
なんだって!
「僕、こんな処大好きだよ」だって。とんでもないことを言うんじゃないか。「こんな処は、子供の君が絶対来るところじゃない、周りを見て御覧、大人のオジサン達が赤い顔して、お酒を飲みながら、オバサンやお姉さんにふざけて騒いでいるだろう。見っともないと思わないか?」
なんだって!!
「ノリスケおじさんが、こんな面白いところへ連れてきてくれて、楽しい。女の子のこと忘れた!」
もう駄目だ!!!北野のたけしおじさんに聞いてみよう、
「恐らく、そんなところは、子供の行くところじゃないと叱る筈だよ」
なんだって!!!!
「北野のたけしおじさんは、そんなことは言わないよ、子供のころからそんなとことに行って逞しくなれと言うよ」
そうかもしれないね!

サザエさんー道徳-10

 

余計なお世話はしないこと。凄いオバサンもいるぞ!

 

朝日文庫版30巻〔42頁〕・昭和40年

『カツオ君が、あるマンションの26号室を訪れました。呼び鈴のボタンを押すとドアが開き、体格のいいオバサンがにっこり笑いながら姿を現しました。カツオ君は、そのオバサンに、やすお君と言う名の友達がいるか?と尋ねました。すると、オバサンは、「アアやすお?あそびにいったわ」と教えてくれました。それを聞くと、カツオ君は、「そう!やすお君も有名中学に入れたし」と余計なことを言い始めました』

『カツオ君は、続けて「オジサンは課長になったし」と言いました。オバサンは、ニッコリ笑顔で「アリガト」とお礼を言いました』

『カツオ君は、なおも続けて、「おばさんの危機がおとずれるころですねェ」と、ドアのノブに右腕の肘を置いて、手で顎を支え、生意気な格好をして言いました』

『すると、オバサンは、カンカンに怒り出し、もの凄く怖い顔をして、カツオ君を太い足で蹴りました。その物凄いキックに堪らず、カツオ君は、16号室前の階段を転げ落ちてしまいました。カツオ君は、転げ落ちながら、「だいぶイライラしていらっしゃる」と泣き言を言っています』

 

さて、カツオ君の余計な心配「おばさんの危機がおとおずれ」とは何事でしょう?意味深長です。子供のカツオ君の言う危機ですから、今はやりの不倫などの不道徳なことではないでしょう。

そのほかの危機とは何でしょう。ひょっとするとカツオ君はオバサンが太っているのを何時も心配していたのかもれません。

カツオ君が、有名中学に入ってしまうと、オバサンは、カツオ君の受験勉強の精神的な心配や気配り等もなくなり、そして、オジサンが課長になるとサラリーも増えて、暇と金銭の余裕が増えるとオバサンは、きっと、沢山の食い物、オヤツを買い、何時もムシャムシャ食べ、ますます太って、マツコデラックスのオジサンの様に太ったオバサンの様になってしまうと、心配したのでしょう。

そうです、カツオ君の言う{危機}とは、暇と金が出来たための肥満に違いありません。体格のいいオバサンが、これ以上肥満体になるのを心配してあげたのです。そんな優しいカツオ君を蹴飛ばすオバサンは、2~3か月もすると、本当にマツコデラックス級の肥満体になってしまうでしょう。

オバサン!不格好な姿になりますよと警告したかったのでしょう。

多分、オバサンが、イライラしているのは、こましゃくれたカツオ君を見て、そうなったに違いない、余計な心配はしない方がいいよ!

サザエさんーワッペン

 

大人に頼まれても、子供には、もてないオジサン。

 

朝日文庫版28巻〔66頁〕・昭和40年

『有る家の今だと思います。将棋の駒を逆立ちにしたような五角形の形をした顔のオジサンがタバコを喫でいます。するとそこへ、奥さんが、「あんたイソノさんでおねがいしますって」と言いながら近づいてきました』

『五角形の顔のオジサンは、仕方なさそうに、吸いかけのタバコを持ったまま、縁側から、「ちかごろはほうぼうでたのまれる」と言いながら出かけました』

『オジサンは、磯野さん家の御座敷に通され、座布団の上に座って待っていると、サザエさんのお母さんが、泣きっ面をした、カツオ君とワカメちゃんの腕を引っ張って来ました』

『カツオ君とワカメちゃんは、オジサンの前に座らされています。2人はオジサンの前で畏まっていると、オジサンは右手で頬の皮を引っ張り、五角形の顔を、一層五角形に見せると、「オジサンは小さいころからワッペンばっかりあつめててとうとうこんなかおになっちゃったの」と言って見せています。カツオ君とワカメちゃんは、身震いしながらオジサンの顔を見ています』

 

オジサンの顔が特に怖いことはありません。ただ、将棋の駒が逆立ちしたような五角形です。ワッペンは、必ずしも五角形ではありませんが、オジサンの顔は、角角が鋭く、ワッペンのように見えるのでしょう。オジサンの顔を、文章で表わすのは困難です。このオジサンの顔を見ていると、そうだ誰かに似てる。そうだ、財務大臣の麻生さんだ。実にソックリだ。滑稽で笑ってしまった。

多分、ワッペンばかり集めている子供たちに「あの大臣さんのような顔になってしまうよ」と財務大臣の顔を見せると「もうワッペンは集めない」と言うかもしれません。

確かに子供たちは、ワッペンを集めるのが好きなようです。集め過ぎて困った時は、この顔は、ワッペン集めの防止策として効果があるかもしれません。

麻生さんが、口まで縦にして「君たち止めたまえ!こんな顔になってしまうよ」と言えば、きっと止めるでしょう。

どうも大変失礼しました。

サザエさんー道徳-9

 

行儀の悪いことをしてはいけません!

 

朝日文庫版30巻〔83頁〕・昭和40年

『食卓の上に、目玉焼きと野菜を盛ったお皿、ご飯を盛ったお椀が、それぞれ3人前と、その他、数本の調味料の瓶が乗っています。そこへ、カツオ君が駆けつけると、直ぐに、ご飯のお椀を手に取ると、「いただきまーす」と大声で言い、お箸で玉子焼きを突き始めました』

『とそこへ、ワカメちゃんが、タオルで手を拭きながら、現れました。カツオ君は、そのワカメちゃんを見ると、「そうだ、てをあらわないとしかられるぞ!」と気付いたようです』

『カツオ君は、洗面所に来ています。箸を口に咥え、蛇口か流れ出る水に手を突き出して、洗いながら、タオル掛けに下がっているタオルの方に足を延ばし、足で取ろうとしています。カツオ君のその行儀の悪い姿を見ている眉毛を逆立てたお母さんが、鏡に写っていました』

『お母さんが、カツオ君を厳しく叱っています。カツオ君は、お母さんの前に正座して、お母さんの小言に、「アーァどっちみち叱られるのか」と思いながら、神妙に耳を傾けています。ワカメちゃんとタラちゃんが食卓に座り、笑顔で美味しそうに食事をしています』

 

カツオ君は、食事前に手を洗わなかった。磯野家では、「食事の前に手を洗うこと」が、決められているようだね。ワカメちゃんは、ちゃんと手を洗って、タオルで拭いて、食事をしようとしているぞ。「食事の前に手を洗うこと」の決まりを守っている。

「行儀の悪いことはしてはいけない」とは決められてはいないが、手を洗いながら、濡れた手を拭くタオルを足で掴んで取るような行儀の悪いことは、決まりがなくてもしてはいけないことだ。

カツオ君がやってもいいことだと思っても、いけないことだ。お母さんは、そんなことしてはいけないと決めているので、カツオ君の姿を厳しい顔して見ていた。

お母さんは、厳しく叱っただろう。

それなのに、カツオ君は、「アーァどっちみち叱られるのか」と思って、反省していないのは、どういうことだ!

カツオ君!反省して、お母さんに謝りなさい。

「お母さんごめんなさい、食事の前に手を洗います。手を洗っていないのに気がついて、洗いに行っても、手を洗いながら、濡れた手を拭くタオルを、足で掴んで取るような行儀の悪いことは、今後一切致しません」

それだけ謝れば、お母さんは

「判ったから、早くご飯を食べなさい」

と言ってくれるよ。