サザエさんー道徳-36

計画した目標は、最後までシッカリと実行しよう!

朝日文庫版44巻〔142頁〕・昭和48年
『カツオ君が、体育の日を目標に、いろんな家事手伝いをしています。カツオ君の家事手伝いは、ガラス拭き、タラちゃんを背負っての買い物、廊下の拭き掃除、庭にゴミ捨ての穴掘りなど等です』
『カツオ君は、瀬戸物の犬の貯金箱から、お札と貨幣を取り出し数えています。膝もとには、山積み貨幣が、手には、軽く10枚を超える1000円札を持って数えています。恐らくカツオ君は、こんなに沢山、よく頑張ったと、涙を流して、自らを褒めているのでしょう』
『カツオ君は、貯めたお金で目標の物を買ったようです。カツオ君の後ろには、ピカピカの自転車が置いてあり、その前で箱から取り出したピカピカのウオキングシューズを持ち、溢れる涙を拭いています』
『マスオさん、サザエさん、そしてワカメちゃんを後ろに乗せたノリスケさんが、自転車に乗って、サイクリングにお出かけです。そこにはカツオ君はいません。サザエさんが、大きな声で、「つかうのが惜しいからるすばんするって」と後ろを走っているマスオさんに言うと、マスオさんは、「バカだなァ」>と呆れています』

ほんとにバカだな!カツオ君。君は、恐らく、「今年の体育の日に、サイクリングに行こう!でも、自転車もシューズも持っていない。そうだ!家事手伝いをして、手間賃を稼ぎ、それを貯めて買おう!」と計画したのだろう?
お母さんやお父さんに、「買ってくれ」としっこくねだることもせず、自分で金を貯め、貯めた金で買おうとしたのには感動した。
頑張った成果があり、沢山のお金が貯まり、自転車もシューズ、も買えたじゃないか!金が貯まっているのを確かめた時、自転車もシューズも買った時、“君の顔に溢れる涙” は少しオーバーだとは思うが、これで君は、目標を達成できる。そう思ったのに、
「何だ!使うのが惜しい、折角買った新品の自転車とシューズが、減るとでも思ったのか?ケチだな、カツオ君!サイクリングに参加しなかったのか」
詰まらないケチな心情のため、目標を達成するための君の行為は、役に立たない無意味な行為になってしまった。
お姉さんが、「つかうのが惜しいからるすばんするって」と、マスオさんも「バカだなァ」と呆れているぞ。
悪いけど「本当にアホだな!カツオ君は」
サザエさんー道徳-35

お姉さんやお母さんが、困っている時は、騙されたふりをして、親孝行しよう!

朝日文庫版44巻〔3頁〕・昭和48年
『サザエさんが、新聞を広げて読んでいます。その記事は、[東京湾の魚もPCB汚染]という困った記事でした。その記事を読んだサザエさんは「とうぶんつかえないワ」と眉を顰めています。傍にいたお母さんも眉を顰めて、「困ったネ、コドモたちがすきだから」とサザエさんに同意しています』
『台所でお母さんとサザエさんが、夕飯のオカズをこしらえています。サザエさんが鶏肉のササミをまな板の上に乗せて、「トリのササミをお魚の形にきって」と言いながら、広げたササミを上手に魚の形に切り整えています。お母さんは、ガスコンロの上に乗せた、油を入れた鍋に、サザエさんが切った魚の形のトリのササミを、「あげてみよう」と言いながら、次々に投げ入れています』
『カツオ君とワカメちゃんとタラちゃんが、テーブルの上の皿に乗せられた、魚の形をした鶏のササミの唐揚げを食べています。ワカメちゃんが、食べているカラアゲが、魚ではないことに気付き、「これトリじゃない!!」と大声で叫びました。すると、カツオ君が、「くろうしているんだョ!きょうりょくしよう」とワカメちゃんに言い聞かせています。タラちゃんは、今日の魚は、骨もなく食べやすいと思っているのか、美味しそうに食べています』
『カツオ君が、口をポッカリと大きく開いて、指を口の中に突っ込み、上顎を突きながら、「おさかなのほねがささった」と言いました。するとワカメちゃんも同じように、口をぽっかりと開き、口の中に可愛い指を入れて「あたしも」と言いました。丁度、そこへ、飲み物をコップに入れ、お盆に乗せて運んできたサザエさんが、妙な顔をしています。タラちゃんは、美味しそうに食べています』

PCBとは何でしょう?ダイゴさんに聞いてみようと思ったが、PCBでは、ダイゴ語も出てこないでしょう。難しいでしょう。
真面目に言えば、PCBとは、ポリ塩化ビフェ二ルのことで、例えれば、6角形の亀が2匹繋がっていて、それぞれ亀の4本の足が、塩素であるような、塩素が置換した2個のベンゼンが繋がった化合物でしょう。
サザエさんとお母さんが怖れをなしたのは、「昭和の40年代に、とある食用油製造会社で、食用油(こめ油・米糠油)の製造過程で、脱臭のために熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が、配管作業のミスで配管部から漏れて食用油に混入し、これが加熱されて変化したダイオキシンを摂取した人々が、顔面などへ色素沈着や肌の異常、頭痛、手足のしびれ、肝機能障害などを引き起こした、という事件」があったからです。
PCBは、大変な有害化学物質だったのです。熱媒体としていろんな用途に使用されていたPCBが、川・海に流れ込み、魚を汚染し、汚染された魚を食べて健康障害を生じることを恐れたのです。
カツオ君のお姉さんとお母さんは、「子供たちに魚を食べさせて、健康障害をさせたら大変だ、でも魚を食べさせてあげたい」と、いろいろと考えて、考え付いた方法が。「鶏肉のササミを魚の形に切り、から揚げにする方法」だったのだ。カラアゲにしたら、君たちは、「魚のカラアゲげだ」と騙されるかもしれない。でも、鶏肉のササミには小骨がない。ワカメちゃんとカツオ君は、すぐに気がつき、騙されなかった。
しかし、カツオ君は思いやりがある、良い子だ!直ぐ、{小骨が喉に引っ掻かった}と、お母さんたちの思いつきと苦労をねぎらった。鶏肉のササミを魚だと騙されたふりをして、小骨が喉に刺さった、喉から引き抜くフリをしたのだ。妹のワカメちゃんも偉いね。君の気持をすぐ理解して{小骨が喉に引っ掻かった}と芝居をしている。
しかし、魚の小骨が喉に引っかかると大変だよ。多分、君たちのように平然と「魚の骨喉に刺さった」と言っている場合ではないぞ。昔、小さいころ小骨が喉に刺さったことがあるが、大変痛い!「のどに刺さった」と騒ぎ出すと、それ「ご飯を食べなさい!お茶を飲みなさい」と大騒ぎになる。
一番偉いのは、タラちゃんだ!小骨のないトリノささみの魚の唐揚げを美味しそうに食べている。お姉さんもお母さんもこれが一番だろう。
しかし、放射能や有害物質に汚染されていない魚を食べたいもんだね!
サザエさんー道徳-34

厳しい労働には休暇が必要です。休ませてあげましょう。

朝日文庫版43巻〔60頁〕・昭和47年
『生い茂る大きい木の下に、“バードウィーク特別ショー”と書いた立て看板を立て掛けて、手拭いを四つに折って日除けとして頭に乗せた、髭ずらの団子鼻のオジサンが、“やまがらのオミクジ”と書いた紙きれを貼り付けた鳥籠を置いた台の向こうの椅子に腰かけています。ハッピを羽織ったオジサンは煙草を吹かしながら、ノンビリとしています。鳥籠の中では、ヤマガラが尻尾を振っています』
『カツオ君が、やって来て、オジサンにお金を渡しています。オジサンは、嬉しそうに、お金を受け取っています。ヤマガラは、籠の中で盛んに尻尾を振って、動き回っています』
『オジサンは、白い大きな布切れを出すと、その布切れで鳥籠を覆ってしまいました。そして、カツオ君に向かって、「バードウィークだから、ヤマガラは週休」と言いました。カツオ君は、意外な顔をしています』
『オジサンは、言うや否や、「にんげんがオミクジはこんでくるの」と言いながら、丘の上にある神社への石段を、汗を、かきかき登って行きました。カツオ君は、意外な事態に、「なーんだ」と呆れています』

本来“バードウィーク”とは、そもそも何でしょう?
妥当な説明は、「戦後の復興が進められていた昭和22年4月、アメリカ人の鳥類学者オリバー・L・オースチン博士の提唱により、「鳥類についての正しい知識と愛護思想の普及」を目的とした「バードデー」が定められました。その後昭和25年には、この運動をより広めるため、毎年5月10日から16日までの1週間を「愛鳥週間(バードウィーク)」とすることが定められ、現在に至っています。」のようです。
カツオ君が出会ったオジサンは、鳥への愛護思想が、大変に徹底したオジサンでした。鳥籠の中で飼っているヤマガラに、鳥籠の中に置いてあるオミクジを引いて貰う労働を、バードウィークの週間中はさせないで、ヤマガラに休養を与えているようです。その間は、オミクジを求めてくるお客さんには、オジサン自ら、階段の登って、その先にある丘の上の神社まで行って、オミクジを買ってくるそうです。
カツオ君も吃驚したね!ヤマガラにオミクジ引いて貰おうと、お金を渡したら、鳥籠に布をかぶせてしまったからね!
「エッ何をするの、それじゃ、ヤマガラにオミクジ引かせないの!お金返してよ」と言おうと思ったら、オジサンは、「にんげんがオミクジはこんでくるの」と言った。
エッ!
「まさかオジサン、鳥籠の中に手をつつ込んで、オミクジを掴みだすの!」
と言おうとしたら、オジサン、頭に被っていた手拭いで、ネジリ鉢巻きをして丘の上にある神社を目がけて、何段もある石段を登って行った。「それで判ったよ!オジサンが、自分で階段を上って、神社でオミクジを買って来るってことが判ったよ」
商売とは言え、
“オジサンは、少しオーバーじゃないのかな!愛鳥週間では、ヤマガラと一緒に、オジサンも休みを取ったら良いじゃないか!この階段を上り下がりするのは、相当な重労働だよ!オジサン疲れてしまうぞ”
“いや!ヤマガラにとって、オミクジを嘴に咥え運ぶのは、厳しい労働です。愛鳥週間では、日頃、働いて貰った感謝の気持ちで休ませて、その代わり、私が働くのです”

優しいですねオジサンは!


サザエさんー道徳-33

ウソをついてはいけない、ウソにならないように念書を貰おう。

朝日文庫版43巻〔60頁〕・昭和47年
『カツオ君が町中を散歩していたら、ノリスケおじさんに会いました。ノリスケおじさんも最近、太ってきていたので、カツオ君は、「ノリスケおじさん!カンロクついてきたネ!」と褒めてあげました。すると、ノリスケおじさんは、「こいっメ!トンカツでもおごるか」と上機嫌です。カツオ君のお世辞の結果が、良と出ました』
『丁度その時、ノリスケおじさんの友達が、ハイネックのセータに、スーツを着たイナセナ格好をし、タバコをふかしながらやって来ました。その男の人は、ノリスケおじさんに、「いいとこであったメシくいにいかないか」と誘いました。ノリスケおじさんは、簡単に応じ、カツオ君を振り返ると、「じゃまたこんど、ナ」とカツオ君の頭を撫でながら謝っています』
『カツオ君は、何処に持っていたのか、1枚の用紙と筆記具を取り出し、友人と立ち去ろうとするノリスケおじさんに突き出し、「いっぴつかいといてもらおうか、念書を」と厳格な顔をして言い放ちました。ノリスケおじさんは、カツオ君を振り返り、カツオ君の厳しい態度に驚いています』
『カツオ君は、更にどこに持っていたのか、三文判までも取り出し、「三文判もあるよ」と澄まし顔で言いました。ノリスケおじさんは、カツオ君から受け取った用紙に、念書を書きながら「しんようねナー」と愚痴をこぼしています。ノリスケおじさんの友達は、相変わらずタバコをふかしながら、黙って見ています』

カツオ君、残念だったね。トンカツを御馳走して貰えるところだったのに、嫌なノリスケおじさんの友達が現れたもんだ。
ノリスケおじさんは、
「じゃまたこんど、ナ」
と言ったから、そのうち何時かトンカツを御馳走してくれると思うけど、このまま何もしないで別れると、ノリスケおじさんは、約束を忘れるよね。
忘れたら、ノリスケおじさんは、ウソをついたことになる。
ウソをついたら駄目なんだ!カツオ君が、ノリスケおじさんを嘘つきにしないためにも、念書を取ったことは、大変良いことだと思うよ!
カツオ君も、念書があれば、そのうち何時かは、念書をノリスケおじさんに見せて、デラックスなトンカツを御馳走して貰えるぞ!
カツオ君、ノリスケおじさんを嘘つきにしないためにも、念書を書かせたことは良いことだ!
それにしても、カツオ君、用紙と筆記具と三文判が次々に出てきたのには驚いた!
サザエさんー道徳-32

ウソをついては駄目なのだ、謝って欲しいいのだ。

朝日文庫版45巻〔59頁〕・昭和48年
『天気節電のためテレビ放映の時間が短縮された頃の夜、サザエさんのお父さんが、町を歩いていると、首にアンケート用紙を挟んだボードを首に掛けた、調査員らしいデップリ肥った男が駆け寄ってきて、「それからどうすごしますか?」と話し掛けてきました。お父さんは「ねちゃいます」と答えています。』
『調査員らしい男は、なおも、お父さんに近づき、「ねむれますか?」と話し掛けてきました。お父さんは、「じゅくすいしますよ」と答えています』
『それから、調査員らしい男は、「うらやましいなぁいえじゅうみんな」と重ねて話し掛けてきました。お父さんは、笑顔で「あさまでグッスリ」と答えています』
『ある夜、磯野さん家のお父さん、お母さん、サザエさん、そしてマスオさんが、電灯の下でお膳を囲んで、一家団欒、世間話をしているところに、障子をソーッと開けて、調査員らしきデップリ肥った男が姿を現しました。男は、腰に巻いた紐に出刃包丁を挿し、手には何故かスパーナを持ち、完全な強盗です。男は、みんなのビックリした視線を浴びて啞然とし、「ン、もうウソばっかりやくそくがちがうョ」と泣き言を言っています』

先週でしたか、テレビドラマ“天才バガボン”を視ました。久々に面白く見たテレビドラマでした。主演の上田晋也さんは、ほぼ同郷の熊本出身、豪快な司会者さんとして、フアンの一人です。バガボンのお父さんとして、可笑しな役柄を演じて、楽しく、見せて貰いました。
その鼻髭がうっすらと生えたバガボンのお父さんが言うのです。
「嘘をついては駄目なのだ、謝って欲しいのだ」
ところで、意外だったのは、バガボンのお父さんの奥さんが大変な美人だったことです。そして又、バガボンのお父さんは、フリーターなのにお金持ちでした、奥さんにピアノをプレゼントしました。ワッハハハ!と大変なお笑いでした。
さて、多分、調査員らしいデップリ肥った男は、サザエさんのお父さんが、この男の調査に答えて、「夜は家族全員グッスリ眠る」“本当のことを正直に言った”のに、男が盗みに入ってみたら、全員、眠りもしないので、お喋りしている。
この男には、“なんだ!このお父さんは大変な嘘つきだ、ぐっすり眠っていると言っていたのに、まだ起きてお喋りしている、嘘つきだ”と思ったようです。
調査した時、お父さんが、盗みに入れると教えてくれたのは嘘だった。その時の調査結果で、手間暇かけて、包丁を腰に挿し、泥棒の格好をして盗みに来たのも無駄だった。泥棒に入るために大変な謀をした俺に謝って欲しいもんだ。
泥棒の男が「嘘を吐いたら駄目なのだ!謝って欲しいのだ」と叫んでいるのが聞こえて来るようです。
サザエさんー道徳-31

頸の細いオジサンに失礼なことを言ってはいけません。

朝日文庫版40巻〔89頁〕・昭和45年
『サザエさんの家のお座敷にお客さんです。お茶とお菓子が置いてある、座卓の前の座布団の上に正座しているお客さんの後ろ姿が見えます。お客さんは、ホッソリした人で、背筋を伸ばして、姿勢正しく座布団の上に座って、サザエさん家の人が現れるのを待っています』
『障子を開けて、ワカメちゃんが、お客さんの前に現れました。ワカメちゃんは、お客さんを見ると「チョコレートたべたでしょう」と聞きました。するとお客さんは、「いいや」と澄まして言いました』
『お客さんが横顔は、ホッソリし首も細く、のどの中ほどが目だって大きく出っ張り、ワカメちゃんは、そのお客さんの喉が突き出ているのを指さし、むきになって「ウソだノドにつつかえているもン」と言いました。そこへカツオ君も現れ、「しつれいだョ」とワカメちゃん叱っています』
『そして、カツオ君は、ワカメちゃんに教えてあげました。「がりがりにやせているからめだっけどのどボトケだヨ」。ワカメちゃんは、判ったような判らないような複雑な顔をしています。お客さんは、カツオ君にズバリ言われて、呆気にとられています』

カツオ君!失礼だよ!
お客さんは、好き好んで痩せているわけではないだろう。痩せれば、首も細くなる。ただし、首の骨は小さくなることはないので、のど仏様が、細い首にお出ましになる。
お客さんは、本当に細く、頬もこけ、顔も細長くなっている。その顔を支えている首も、また細く、その細い首の中ほどに、極端に大きなコブがある。
これでは、ワカメちゃんが間違えたようにチョコレートが喉に詰まっているように見える。
今、TVのお笑い番組に“笑点”という長寿番組がある。その笑点の司会者“桂歌丸”師匠に、お客さんは、そっくりだ。上品な、ホッソリ、頬もこけ、首も細い、のど仏も目立つ。そんな、お客さんに、カツオ君は、まるで三遊亭円楽さんのように、毒舌で、ワカメちゃんに説明している。
「がりがりにやせているからめだっけどのどボトケだヨ」
こんな毒舌にはお客のおじさんも呆れてしまうだろう。
お客のおじさんも、こんな失礼なことをズバリ言われたら、
「この野郎。お前も、こんな喉仏さまが欲しかったら、暫く食べずに痩せてみろ!」
と怒るかもしれない。
しかし、このお客さんは、紳士だからそんなことは言わない。お客さんは、どうしても太れないで、痩せているだけだから。
カツオ君の毒舌には、歌丸師匠も座布団をくれないだろう!
サザエさんー道徳-30

人の物は使ってはいけない。

朝日文庫版36巻〔37頁〕・昭和42年
『サザエさんが、鏡台の前で、化粧水の瓶を持ち、「ヒドイ!!レモン入り化粧水なかみはインチキだって」と物凄く怒った顔をして言っています』
『サザエさんは、化粧水の瓶をお母さんに見せて怒っています。お母さんも「マアひどい!!」と言って怒った顔しています』
『カツオ君が、腕組みをして、頭から湯気を出し、サザエさん以上に怖い顔をして、「バカにしやがって」と言って怒っています』
『サザエさんの怒りはカツオ君に向けられています。サザエさんが化粧水の瓶をカツオ君の鼻先に突きつけて、「あたしの化粧水つかってたわね!」と叱りつけています。カツオ君は、頭を搔いて小さくなっています』

カツオ君!又、人の化粧品を黙って使っていたんだね。この間は、マスオさんの化粧品を黙って使っていのがバレて、恥をかき怒られたばかりだ。
カツオ君は、以前、「磯野家で一番美しいのは僕だ、どうしてだろう」と鏡に顔を写して悩んでいたが、マスオさんやサザエさんの化粧品を黙って使っているからかな?
カツオ君は、美しくなると信じて、黙って使っていたのに、「化粧水がインチキだって、バカにしやがって!俺、汚くなるじゃないか!!」
と腹が立ったんだね。
ほら!大きな声で怒るな、お姉さんに聞こえたじゃないか!
君が美しいのが、どうしてか、ばれたぞ! 姉さんたちの化粧品を盗み使いをしていたからだ!
カツオ君、まだ子供だから、大人の化粧品を使うのは止めなさい!
インチキな化粧品もあるから、折角、美しい君の顔も汚くなるかもしれないぞ、
良い機会だ、化粧品の盗み使いは止めよう!
サザエさんー道徳-29

レストランで許されるマナーも、和風の道徳では許されない。

朝日文庫版36巻〔2頁〕・昭和42年
『サザエさんのお家では、今夜は洋食だそうです。サザエさんが、台所でリンゴを二つに切り皮を剥き、皿に乗せています。奥の部屋からサザエさんを呼ぶ声がしました』
『サザエさんは、何事かと、前掛けで手を拭きながら、声のする方に急いで行きます』
『居間で、カツオ君とワカメちゃんが卓袱台の上に並べられた洋食を、フォークとナイフを使って食べています。サザエさんが駆けつけると、カツオ君が、畳の上に落ちたフォークを指さして、「ひろって」と命じました。サザエさんは、落ちているフォークをジーッと見ています』
『カツオ君の頭の上に大きなタンゴブが出来ています。カツオ君は、台所に戻って行ったサザエさんに向かって、「おとしたフォークはじぶんでひろわないのが正しいマナーだっていったじゃないか!」と、頭の上に大きなタンコブを乗せ、目を丸くし怒った顔をして、大きく口を開いて何か文句を言っています』

カツオ君!そんなに大きいタンコブができるくらい殴られて、さぞや痛かったろう。サザエさんは、相当、頭にきたようだね!カツオ君が、畳の上に落としたフォークを、お姉さんを呼びつけ「それを拾って」と言うもんだから、その怒りは、よく判るよ。「自分が落としたものくらい自分で拾え、此処はレストランじゃないぞ!ポカリ」とやられたんだな。確かに判る、赤ん坊でもない、坊主にそんなことを命じられたら、誰だって、怒り、殴りたくなるだろう。
確かに、レストランでは、洋食を食べている時、謝って落したフォークやナイフなどは自分で拾わず、ウエーターやウエイトレスさんに拾ってもらえる、大変便利なマナーがあるそうだ。
しかし、このマナーは、君の家の中では通用しない。自分で落としたものは自分で拾うのが、作法だ。
そして、君の行為は、目上の人を敬うという道徳に反している。
カツオ君は、自分で落としたフォークを、お姉さん向かって拾えと言った、そんな不道徳なことは絶対に許されない!殴られたのは当然だ!
何時までも赤ん坊ではないのだから、自分の不始末は、自分で片付けよう。
サザエさんー道徳-28

カツオ君!今話題の“ハトに餌やりオッサン”が、役所の人に水を掛ける行為は、明らかに“公務執行妨害”だよ、こんな事をしてはいけない!

朝日文庫版35巻〔125頁〕・昭和42年
『マスオさんが、手に紙袋を持って、水飲み場が見える公園の広場にやって来ました。マスオさんは、包みの中から何やらを取り出し、バラ撒いています。沢山のスズメが飛んで来て、ばら撒かれた餌(パン屑のようです)を突いています』
『マスオさんが、続けてパン屑を捲いていると、沢山のハトが飛んできました。スズメ達は、驚いて逃げ去り、ハト達がパン屑を突きはじめました』
『マスオさんが、群がってきたハト達に、パン屑を、撒いていると、嘴の下にある喉袋を大きく膨らませた一匹のペリカンが駆け付けてきました。ハト達は、一斉に飛び去りました。マスオさんも、大きいペリカンに、驚いています』
『マスオさんは、仕方なくペリカンにパン屑をあげていました。するとそこへ、更に大きくグロテスクな七面鳥が駆けてきました。ペリカンは、恐れをなして飛び去り、マスオさんは、恐ろしくて身震いしながら、七面鳥の嘴の下にパン屑を運んでいます』

鳩に餌をやってはいけない!最近、鳩に餌をやるおっさんがTVの報道番組に出てくる。酷いもんだ、パン屑を入れたバケツを持って、家から出て来ると、家の前の道路に、パン屑をばら撒くものだから、沢山の鳩達が飛んできて、パン屑を喜んで食べている。それだけで、道路を通る人や車に大変な迷惑をかける、それ以上に、集まった鳩達の抜け羽毛や糞は、近所の家や人達に大変な迷惑をかけている。
人々の苦言は、鳩に餌をやるおっさんに届いているはずだ。それでもやめない。
「止めてくれ」と言っても止めない。言えば、蹴りかかり、殴りかかる。さらにバケツの水を浴びせてくる。
これ以上許せないと役所の人達が注意しても、バケツの水を浴びせている。
見ていて腹が立つ!
止めさせる方法はないか?おっさんが餌をまいても鳩が集まってこなければ問題は解決する。マスオさんが教えてくれた、鳩が怖がる大型の鳥にお願いするしかない。
「そら!おっさんが餌をばら撒いた、七面鳥を2~3匹、放て!」と、七面鳥がパン屑目がけて駆けていけば、ほら!鳩達が怖がって飛び去り逃げてしまった。
しかし、マスオさん!そうは上手くいかないよ!鳩達は、図々しいぞ、鳩達は、七面鳥が来ても、避けただけで、遠巻きにして七面鳥を観察しているよ!
矢張り、役所の人が、おっさんの水撒きに耐えて「餌をやるのをやめて下さい」とお願いするしかない。鳩に餌をやるおっさんは、水を掛けていると、公務員の人達の業務を妨害しているのは明らかなので、警察と協力して『公務執行妨害だ』と、暫くの間、拘束するしかない。どれくらい拘束するかは、鳩達が、餌のない状態に耐えられず集まって来なくなるまでだ!
鳩達が、何時までも集まってくるようだと、おっさんは、何時までも拘束されていなければならない!長ければ長いほど、己の罪を思い知るだろう?
サザエさんー道徳-27

カツオ君!良いことがあったら、直ぐに良いことを、その内、また良いことがあるぞ!

朝日文庫版35巻〔69頁〕・昭和42年
『台所で、カツオ君がサザエさんに、“魚を買ってきて”と、買い物籠と数枚の百円札を渡されています。カツオ君は、少しだけ嫌そうな顔をして受け取っています』
『カツオ君が、左手に買い物籠、右手に百円札を持って歩いていると、近所のオジサンが釣竿とクーラボックスを肩に近づいてきました。オジサンは、カツオ君に手をあげ、「おーいカツオくん」と大きな声で呼び掛けてきました。カツオ君は、振り返り、オジサンが近づくのを待ちました』
『オジサンは、ニコニコしながらクーラボックスから、一匹のカツオのような大きな魚を取り出し、カツオ君が持っている買い物籠に入れました。カツオ君は、魚の大きさに驚いています』
『板塀の前の道路に、乞食のオジサンが、空き缶を前に置いて茣蓙に座っています。カツオ君は、大きい2個のソフトクリームを持ち、一個を、乞食のオジサンに、「おもいがけないりんじ収入があったんで」と言いながら渡しています。おじさんは嬉しそうに頭を下げて受け取っています』

カツオ君が、こんな事を言っていました。
今日学校から帰り、机の前に座り、復習と予習をしようと、机の前に座ったら、途端に、お姉さんが、「カツオ!今日は、私ね、友達と会って時間が取られてしまったの、悪いけど、魚を買ってきて」と言うんだ。「駄目だよ、今から勉強だ」と言ったら、「あら珍しいわね、勉強するの!でも、手伝ってくれないと夕飯が遅れてしまうのよ、お魚を買ってらっしゃい!」と命令してきたんだ。怖くなって「仕方ないな行ってくるよ」と買い物籠とお金を持って歩いていると、釣友達の近所のオジサンが、声を掛けてきたんだ。
久しぶりに会ったオジサンが釣竿とクーラボックスを持っていたので、「オジサン!釣に行ったの!いいな、好きなことがやれて!僕はお姉さんに命じられて、魚屋さんに魚を買いに行くんだよ」と愚痴を言ったんだ。
すると、良い事があったんだよ。オジサンが、クーラボックスを肩から下ろし、蓋を開けると、オジサンは嬉しそうに、「カツオ君見てみろよ、今日は、魚がたくさん釣れたよ、まるでカツオのように大きいサバがたくさん釣れたよ」と嬉しそうに自慢するんだ。確かにクーラボックスの中には大きいサバが一杯だった。「いいな!」と言ったら、オジサンが、「何かの縁だ、カツオ君、大きいのを一匹持って行け」と買い物籠に入れてくれたんだ。
“そうだ!買っていく魚はこれでいい。こんな大きいサバだと○○円はするぞ”。
「お姉さんの買い物を手伝う良いことをして○○円儲かった」
“さて儲かった○○円をどうしようかな!”と思ったら、なんだかソフトアイスを食べたくなった。僕も何か良い事をしようと思って、辺りを見回したら、乞食のオジサンが、カンカンと日が照る中、汗を流して茣蓙の上に座っているのが目に入り、“そうだ、あの乞食のオジサンにソフトアイスを御馳走しよう”と思いついたのだ。
オジサンは、美味しそうに食べていた。僕も美味しかった。
お姉さんの買い物を手伝う良い事をして、魚を戴く良い事があった。今度は乞食のオジサンにソフトアイスを御馳走する良い事をしたので、又きっと何か良い事があるぞ!