サザエさん-日々の暮らし(7)
サザエさんが、頭の上に落とす強力なゲンコツ!
朝日文庫版2巻〔65頁〕・昭和22年
『サザエさんの父さんが、会社から家に帰ってくるとサザエさんが、前掛けで落ちる涙を拭きながら泣いていました。泣きながら、「主人のるすにきて家はうれたから出てくれって・・・・・」と言っています。それを聞いたお父さんは、ズボンを脱ぎながら、「やぬしめ!女とおもってなめとる」とカンカンに怒っています』
『お父さんは、ソフト帽をかぶり、コートを着て、「わしがだんぱんしてくるッ!」と怒った顔をして家を飛び出し、杖を振り振り歩いています』
『お父さんは、大家さんの玄関に飛び込むと、閉じた障子の前で「ごめん!」と大声で叫んでいます』
『大家さんが、出てきました。サザエさんのお父さんと同じようにハゲ頭の大家さんの頭の上にでっかいタンコブが乗っています。大家さんは眼鏡の奥で悲しそうな眼をして、「いやまったくおたくのおじょうさんはお勇ましいですな~~」と呆れかえったように言いました。お父さんは深々と頭を下げ、小さな声で「スミマセン」と謝っています』
カツオ君が、たびたび、頭の上にサザエさんのコブシをゴツンと落され、痛い思いをしているのを見てきました。このサザエさんの荒々しいパンチは、カツオ君の頭だけを狙って落ちてくるものと思っていましたが、そうではなかったようです。怒れば、瞬間的に落ちていく恐ろしいゲンコツでした。
昔、磯野家は、借家住まいだったようで、大家さんが、出て行ってくれと言っていたのでしょう。お父さんもマスオさんもカツオ君も、男がいないときに、大家さんが尋ねてきて、「家はうれたから出てくれって」と言ったようです。
家を追い出されたらどうしようと、思い余って泣いているところにお父さんが帰ってくる。
お父さんは、涙を流しているサザエさんを見て、
「どうしたのじゃサザエ」
と問いかけたのでしょう。
サザエさんは、
「このうちの大家が、タラちゃんと私だけが居る所にやってきて、家はうれたから出てくれって、と申したのです」
これだけ聞いたお父さんは、
「わしが居ないときにやってきて、娘に、出て行けとは、けしからん」
と瞬間湯沸かしのように怒りだし、大家さんの家に出かけたのです。
お父さんは、大家さんに、多分こう言ったでしょう。
「ワシが居ない時にやってきて、娘に、家を出て行けとは何事です」
ところが、悲しそうな大家さんは、タンコブの乗った自分の頭をお父さんに見せ、
「いや~!まったくおたくのおじょうさんはお勇ましいですな~~」
と感心して言ったのです。
サザエさんは、既に、けしからん大家さんを懲らしめていたのです。
何時もカツオ君の頭に落としていた以上の強いゲンコツを、大家さんの頭の上に落としていたのです。大家さんのハゲ頭の上のタンコブは、大きくツヤツヤと光沢のある“見事なタンコブ”であることから、さぞや強いゲンコツだったのでしょう。
男が誰もいないときにやってきた大家さんが、家を出て行けと言ったので、サザエさんは、
「お父さんもマスオさんもいないかよわい私一人の時にやってきて、家を出て行けとは何事だ!けしからん」
と、何時もカツオ君にやっているゲンコツを、大家さんの頭の上にポカリとやってしまっていたのです。
大家さんの頭の上の大きなコブがサザエのゲンコツが拵えたと言われたら、お父さんは、大人しく「スミマセン」と言うほかありませんでした。
サザエさんが、頭の上に落とす強力なゲンコツ!
朝日文庫版2巻〔65頁〕・昭和22年
『サザエさんの父さんが、会社から家に帰ってくるとサザエさんが、前掛けで落ちる涙を拭きながら泣いていました。泣きながら、「主人のるすにきて家はうれたから出てくれって・・・・・」と言っています。それを聞いたお父さんは、ズボンを脱ぎながら、「やぬしめ!女とおもってなめとる」とカンカンに怒っています』
『お父さんは、ソフト帽をかぶり、コートを着て、「わしがだんぱんしてくるッ!」と怒った顔をして家を飛び出し、杖を振り振り歩いています』
『お父さんは、大家さんの玄関に飛び込むと、閉じた障子の前で「ごめん!」と大声で叫んでいます』
『大家さんが、出てきました。サザエさんのお父さんと同じようにハゲ頭の大家さんの頭の上にでっかいタンコブが乗っています。大家さんは眼鏡の奥で悲しそうな眼をして、「いやまったくおたくのおじょうさんはお勇ましいですな~~」と呆れかえったように言いました。お父さんは深々と頭を下げ、小さな声で「スミマセン」と謝っています』
カツオ君が、たびたび、頭の上にサザエさんのコブシをゴツンと落され、痛い思いをしているのを見てきました。このサザエさんの荒々しいパンチは、カツオ君の頭だけを狙って落ちてくるものと思っていましたが、そうではなかったようです。怒れば、瞬間的に落ちていく恐ろしいゲンコツでした。
昔、磯野家は、借家住まいだったようで、大家さんが、出て行ってくれと言っていたのでしょう。お父さんもマスオさんもカツオ君も、男がいないときに、大家さんが尋ねてきて、「家はうれたから出てくれって」と言ったようです。
家を追い出されたらどうしようと、思い余って泣いているところにお父さんが帰ってくる。
お父さんは、涙を流しているサザエさんを見て、
「どうしたのじゃサザエ」
と問いかけたのでしょう。
サザエさんは、
「このうちの大家が、タラちゃんと私だけが居る所にやってきて、家はうれたから出てくれって、と申したのです」
これだけ聞いたお父さんは、
「わしが居ないときにやってきて、娘に、出て行けとは、けしからん」
と瞬間湯沸かしのように怒りだし、大家さんの家に出かけたのです。
お父さんは、大家さんに、多分こう言ったでしょう。
「ワシが居ない時にやってきて、娘に、家を出て行けとは何事です」
ところが、悲しそうな大家さんは、タンコブの乗った自分の頭をお父さんに見せ、
「いや~!まったくおたくのおじょうさんはお勇ましいですな~~」
と感心して言ったのです。
サザエさんは、既に、けしからん大家さんを懲らしめていたのです。
何時もカツオ君の頭に落としていた以上の強いゲンコツを、大家さんの頭の上に落としていたのです。大家さんのハゲ頭の上のタンコブは、大きくツヤツヤと光沢のある“見事なタンコブ”であることから、さぞや強いゲンコツだったのでしょう。
男が誰もいないときにやってきた大家さんが、家を出て行けと言ったので、サザエさんは、
「お父さんもマスオさんもいないかよわい私一人の時にやってきて、家を出て行けとは何事だ!けしからん」
と、何時もカツオ君にやっているゲンコツを、大家さんの頭の上にポカリとやってしまっていたのです。
大家さんの頭の上の大きなコブがサザエのゲンコツが拵えたと言われたら、お父さんは、大人しく「スミマセン」と言うほかありませんでした。