サザエさん-日々の暮らし(7)

サザエさんが、頭の上に落とす強力なゲンコツ!

朝日文庫版2巻〔65頁〕・昭和22年
『サザエさんの父さんが、会社から家に帰ってくるとサザエさんが、前掛けで落ちる涙を拭きながら泣いていました。泣きながら、「主人のるすにきて家はうれたから出てくれって・・・・・」と言っています。それを聞いたお父さんは、ズボンを脱ぎながら、「やぬしめ!女とおもってなめとる」とカンカンに怒っています』
『お父さんは、ソフト帽をかぶり、コートを着て、「わしがだんぱんしてくるッ!」と怒った顔をして家を飛び出し、杖を振り振り歩いています』
『お父さんは、大家さんの玄関に飛び込むと、閉じた障子の前で「ごめん!」と大声で叫んでいます』
『大家さんが、出てきました。サザエさんのお父さんと同じようにハゲ頭の大家さんの頭の上にでっかいタンコブが乗っています。大家さんは眼鏡の奥で悲しそうな眼をして、「いやまったくおたくのおじょうさんはお勇ましいですな~~」と呆れかえったように言いました。お父さんは深々と頭を下げ、小さな声で「スミマセン」と謝っています』

カツオ君が、たびたび、頭の上にサザエさんのコブシをゴツンと落され、痛い思いをしているのを見てきました。このサザエさんの荒々しいパンチは、カツオ君の頭だけを狙って落ちてくるものと思っていましたが、そうではなかったようです。怒れば、瞬間的に落ちていく恐ろしいゲンコツでした。
昔、磯野家は、借家住まいだったようで、大家さんが、出て行ってくれと言っていたのでしょう。お父さんもマスオさんもカツオ君も、男がいないときに、大家さんが尋ねてきて、「家はうれたから出てくれって」と言ったようです。
家を追い出されたらどうしようと、思い余って泣いているところにお父さんが帰ってくる。
お父さんは、涙を流しているサザエさんを見て、
「どうしたのじゃサザエ」
と問いかけたのでしょう。
サザエさんは、
「このうちの大家が、タラちゃんと私だけが居る所にやってきて、家はうれたから出てくれって、と申したのです」
これだけ聞いたお父さんは、
「わしが居ないときにやってきて、娘に、出て行けとは、けしからん」
と瞬間湯沸かしのように怒りだし、大家さんの家に出かけたのです。
お父さんは、大家さんに、多分こう言ったでしょう。
「ワシが居ない時にやってきて、娘に、家を出て行けとは何事です」
ところが、悲しそうな大家さんは、タンコブの乗った自分の頭をお父さんに見せ、
「いや~!まったくおたくのおじょうさんはお勇ましいですな~~」
と感心して言ったのです。
サザエさんは、既に、けしからん大家さんを懲らしめていたのです。
何時もカツオ君の頭に落としていた以上の強いゲンコツを、大家さんの頭の上に落としていたのです。大家さんのハゲ頭の上のタンコブは、大きくツヤツヤと光沢のある“見事なタンコブ”であることから、さぞや強いゲンコツだったのでしょう。
男が誰もいないときにやってきた大家さんが、家を出て行けと言ったので、サザエさんは、
「お父さんもマスオさんもいないかよわい私一人の時にやってきて、家を出て行けとは何事だ!けしからん」
と、何時もカツオ君にやっているゲンコツを、大家さんの頭の上にポカリとやってしまっていたのです。
大家さんの頭の上の大きなコブがサザエのゲンコツが拵えたと言われたら、お父さんは、大人しく「スミマセン」と言うほかありませんでした。

サザエさん-日々の暮らし(6)

生まれて間もないタラちゃんは、風邪をひいて、洋装のお母さんに背負われ、その上から“ねんねこ袢纏”を羽織って、お母さんのクラス会に出かけました。

朝日文庫版2巻〔55頁〕・昭和22年
『サザエさんは、「クラス会を致しますのでレインボーグリルに集まりください 20回卒業生」と書いたハガキを受け取っていました。このクラス会に出席するため、サザエさんは、シュミーズ姿で、鏡台の前に坐り、パフで顔面をポンポンと叩いています。傍には、余所行きのベビー服を着て、帽子を被った赤ん坊がハイハイしています』
『サザエさんは、襟の大きい純白のスーツ、その大きい襟には、大きな真っ赤なバラの花のブローチを飾り、大胆なデザインのスカートを履いて、頭には、幅広縁のシャレタ帽子を被り、着飾った姿を、体を斜めにして鏡に映し、満足そうに見ています。赤ん坊は、ハイハイをして、そんなサザエさんを見上げています』
『着飾ったサザエさんは、いよいよ、お出かけしようと赤ん坊を抱き上げました。すると赤ん坊は、「ハ-クション」と大きなクシャミをしました。サザエさんは、眉をひそめ困った様子です』
『サザエさんは、幅広縁のシャレタ帽子を被り、踵の高いシューズを履いて、赤ん坊を背負い、その上から、部厚いねんねこ袢纏を着た恥かしい姿で、情けなさそうな表情で街の中を歩いています』

サザエさんは、つい先日、読者の皆さまに、「私お嫁に行きました」と挨拶していましたが、直ぐに赤ん坊が出来たようです。しかし、サザエさんは、まだまだ、娘気分が、そう簡単には抜けないでいたのしょう。
そんな時、同窓会の案内状が来ました。ハガキを受け取って、
「赤ん坊がいるけど行ってみようかしら、私の赤ん坊を友達に、ご披露する良い機会だわ。赤ん坊は、ベビー服でお洒落して抱っこして行くことにしよう」と決めたようです。
当日になり、浮き浮きと、独身の娘さんのような気分になり、出来る限りのお洒落をしました。
多分、「私のお気に入りの襟の大きいスーツがあったわ。スカートもモダンな柄のスカートがあるし、帽子も結婚前に買った洒落た帽子があったわ、靴も踵の高い靴を持っているわ、それに大きなバラの花びらブローチもあったわ」などなどと精一杯のお洒落をしました。
しかし、ベビー服を着た赤ん坊は、サザエさんのお洒落に長い時間待たされ、寒気がして、抱きあげられた瞬間「ハークション」とやってしまいました。
サザエさんは、「あら、赤ん坊が風邪をひいたようだわ、やめようかしら」とは思いませんでした。
「折角お洒落をしたのだから、クラス会には行くわ!ねんねこ袢纏を羽織って行けば、大丈夫」
と出かけました。
サザエさんは、“お洒落な、洋服と帽子と靴”に、赤ん坊を背負い“ねんねこ袢纏”を羽織った奇妙な姿で、クラス会に出かけました。
この時の赤ん坊が『タラちゃん』でした。
サザエさん-日々の暮らし(5)

共産党は、長く続く野党です。野党の一員として、今後もがんばりましょう。

朝日文庫版2巻〔44頁〕・昭和22年
『磯野家では、家の改修工事をしています。家の瓦を交換しています。左官屋さんが家の屋根に上り、古い瓦を取り外し、新しい瓦を取りつけているところです。袢纏を着た大工さんが、屋根まで届く梯子をのぼり、左官屋さんと一緒に作業をしています。そんな時、サザエさんが、お茶と蒸しイモをお盆に乗せてやって来ました。サザエさんは、作業中の二人に、「大工さんに左官屋さん、お茶が入りましたわー」と持ってきました。梯子に登りかけた大工さんが、「へいあいすみません」と機嫌良く返事をしています』
『2人は、縁側の廊下に腰かけて、大工さんがお茶を飲み、左官屋さんがキセルでたばこをふかしながら、世間話を始めました。大工さんが、「あたしゃあキョウサントウに入れるね!」と力強く言い放しました。すると、左官屋さんは、「だめだよあれは!なんといっても自由トウだよ」と反発しています』
『世間話は、次第に熱を帯びた言い争いになって来ました。袢纏を着た大工さんが腕まくりをして、突き出した腕を振りながら、「キョウサントウでなきゃどうしたってだめだよ!」と力みながら主張しています。左官屋さんは、キセルを突き出し、「なにいってんだよ自由トウだよ!」と言って引きません。2人は蒸しイモには手もつけずに言い争っています』
『とうとう2人は、一緒に仕事をすることができない状態になり、左官屋さんは自転車を押しながら、帽子の上から湯気を出し、「しごとをするもんか!」と罵声を浴びせながら、自転車に跨ろうとしています。大工さんは、道具箱を肩に担ぐと、「ええ!だれがおまえなんかと」とネジリ鉢巻きも飛び上る位に怒り立ち去りました。サザエさんがやってきて、2人に、「屋根のしゅうぜんはどうなるの!」と叫んでいます』

大変なことになりました。仲良く屋根の修繕をやっていたと思った左官屋さんと大工さんは、サザエさんがお茶とふかし芋でおもてなしをしたばっかり、2人が始めた世間話が、政治の話となり、意見が合わず、喧嘩になったようです。
そうです、この時も元気な政党は、「キョウサントウ」だったのです。キョウサントウじゃ駄目だと主張する大工さんの顔は、力強くキリリと怒っています。
この時の左官屋さんが支持する自由党とは、今の自民党の前身でしょう。この政党が、嫌で嫌で堪らない人達の中の一人である大工さんは、野党の中で、特に力強く引きつけられる政党がキョウサントウであったのです。
共産党は、昭和22年頃から、ブレルことなく、与党と戦い続ける野党です。
今、横暴でアブノーマルな与党・自民党と戦うため、野党連合が進められていますが、その中で、共産党は骨太な野党の一員として頑張り、自民党政権を打破して欲しいものです。自民党の世襲の政権では、何処かの国と同じような駄目な政治家が国を滅ぼしてしまう危険があります。既に始まっているかもしれません。
サザエさん-日々の暮らし(4)

サザエさんは、24歳を過ぎてお嫁に行ったようです。

朝日文庫版2巻〔39頁〕・昭和22年
『カツオ君が、座卓でハガキに何か書き込んでいます。ワカメちゃんが、傍にいます。そこへ、サザエさんもやって来ました。カツオ君は、サザエさんに、「ラジオのはなしのいずみにだすんだよ」と教えてくれました。サザエさんは、「どらみせてごらん」と手を差し伸べています』
『ハガキを受け取ったさザエさんは、ハガキを両手で持って、読んでいます。「なになに?ぼくのおねえさんはらいねんみやもとむさしになります・・・・なーにこれ!」。ハガキを読むサザエさんを見上げていたカツオ君は、「わからないかなあ」と笑顔で言いました。ワカメちゃんもカツオ君の横でニコニコしています』
『カツオ君は説明を始めました。「三八(みや)もと六三四(むさし)だからあわせてごらんよ」と言いました。ワカメちゃんが、すかさず、「らいねん二十四だろう」と言いました。サザエさんはギョッとお驚いていま』
『サザエさんは、「そんなもんだしちゃいかん!」と叫びながら、ハガキを持ったカツオ君とワカメちゃんを追っかけています。2人は捕まらないように逃げています』

終戦直後の昔の話です。そのころサザエさんは、24歳だったのですね。結婚適齢期だったようです。
その後、暫くしてサザエさんは、サザエさんの読者皆様に『ことば』を発表し、その中で{・・・・ところで私はお嫁に行きました。皆さまにはお知らせする筈でしたがこうゆう時ですから万事簡単にスピードに致しました}と挨拶しています。
昨今のような大げさな記者会見はありませんでした。この後、直ぐにサザエさんは、赤ん坊をオンブして、お母さんいると、カツオ君とワカメちゃんに言いながら、実家に立ち寄っています。
この後、ご主人の〈フグダマスオさん〉と〈タラちゃん〉が、磯野家に同居することになり、サザエさんの家族として、登場することになったようです。
カツオ君が、ハガキに書いた〈話の泉〉は、日本放送界にとって初めてのクイズ番組
だったそうです。NHKラジオ放送で、司会者として、徳川夢声、和田信賢、高橋圭三、八木治郎、鈴木健二さんなど、そうそうたる司会者で、懐かしい思いです。徳川夢声氏が〈話の泉〉の司会者であったことは、ハッキリと思い出せません。しかし、氏の独特の風貌が蘇って来ました。
サザエさん-日々の暮らし(3)

昔は、本を読むのに熱中して歩いていると、馬の頭に正面衝突する事もありました。

朝日文庫版1巻〔8頁〕・昭和21年
『黒いツウピースを着て、頭に白い帽子を被った若いサザエさんが、本屋さんの前を通りかかると、“新エイゴカイワキマシタ”と書いた大きな立て看板がお店の前に出ていました。サザエさんは興味深そうに振り返って看板を見ています』
『サザエさんは、興味をそそられ、その“新エイゴカイワ”の本を買ってしまったようです。本を買って店を出ると、サザエさんは、夢中になって本を見ながら歩いています』
『荷台に大きな箱を積んだ馬車の馬が、電信柱に結ばれていました。夢中になって、新エイゴカイワ”を俯きかげんに見ながら歩いていたサザエさんは、自分の顔面を馬の頭に正面衝突させてしまいました。サザエさんは目から火花が出るほどでした。馬はキョトンとした顔をしています』
『尻餅をついてしまったサザエさんは、思わず馬に向かって手をあげると、「アイアムソーリー」と謝っています。電信柱に結ばれた馬は、鼻を鳴らして怒っています』

終戦直後の昔の話です。確かに、現在から想像も出来ないでしょうが、町の中を荷台に荷物を積んだ馬車が行き来していました。こんな時でも、夢中で気を取られ、俯いて歩いている人がいたのですね!そして、俯いて歩いていると馬の顔面に衝突したのです。今の世の中では、スマホに夢中になり、俯いて歩き事故を起こしている人々が問題になっていますが、昔は、馬と正面衝突することもあったのです。
今では、街中を、荷車を引いた馬車が行き来することも、馬と衝突することもないでしょう。しかし、サザエさんは、街中で馬と正面衝突をしていたのです。
その時、サザエさんは、何に夢中になっていたのか?夢中になっていたことにも時代を反映していました。若いサザエさんは、英会話を始めようとしていたようです。日本は、戦争でアメリカに負けました。アメリカ軍が進駐してきます。アメリカ軍は、英語をしゃべります、サザエさんは、その時は、日本語しか喋れなかった。そこで、若いサザエさんは、進駐軍の軍人さんやその家族の人達とお喋りするため、英語を勉強しないといけないわ と思ったのでしょう。
だから、立て看板を見て“英会話”の本を求めたのです。本を見ていると、なんだか面白そうだ、つい夢中になり、歩きながら俯いて読んで歩いていると、馬の顔面に頭をぶっつけてしまいました。
今、スマホの画面を見ながら歩いていると極めて危険です。今は、馬の顔面に衝突しないでしょうが、しかし、もっと危険な“車”と衝突して、お陀仏になるかもしれません。注意しましょう。
話は変わり、今日、2016年4月4日の朝日新聞夕刊に“サザエさん”の作者・長谷川町子さんの“1940年ごろの139作品小学館で発掘”という記事が掲載されていました。そのうち約100作品が11日に発売される「長谷川町子の漫画大会」に収められるそうです。今日の夕刊には、当時の「ワライバナシ」という小品に描かれた絵と、又1939年12月号「せうがく三年生」に掲載された漫画が公開されています。いずれも繊細なタッチの絵が優しく描かれています。兄が描いていた荒々しい時代劇劇画に馴染んでいた私は、この優しい絵に惹かれてしまいました。11日に販売される「長谷川町子の漫画大会」を早く手にしたいものです。
サザエさん-日々の暮らし(2)

お賽銭を沢山集めて、暮らしを助ける方法

朝日文庫版40巻〔27頁〕・昭和45年
『有る神社で、衣・袴・冠で正装した神主さんと職員のおじさんが、お賽銭箱を引っくり返して、出てくるお賽銭を茣蓙の上に集めています。箱からは数枚の紙幣と十数個の貨幣しか出てきませんでした。おじさんは、出てくるお賽銭を口を尖らし、眼鏡越しに、不満そうに見ています。神主さんは、「どーも入りがわるかった」と顔を曇らせています』
『神主さんと職員のおじさんは、少ないお賽銭を目にして、対策を話し合っているようです。神主さんが、「つまりイメージが」、職員のおじさんが「わるいんだ」と言うことで、意見が一致したようです』
『神主さんは、本殿の階段を下りた位置の地面を、工事作業員たちに掘らせています。2人の作業員が、スコップを持って、階段の正面に畳2枚ほどの大きさの四角い深い穴を掘っています』
『タラちゃんを連れたサザエさんが、神社にやって来ました。拝殿の前に、煉瓦でふちを固めたコンクリートの堀のような穴が作られており、その傍に立て札が立ててありました。そこには「コインをなげると黒猫のタンゴが鳴ります」と書いてありまし』

今日、このブログを書いていると、テレビの報道番組が、“とにかく明るい安村君が不倫”と面白しろく、かつ可笑しく伝えていて、気になって仕方ありません。多くの観客の前で、パンツを履いている筈の安村君が、一人の女性観客の前でパンツを履かずに見せていたのです。
3月29日のブログ“遠近回想”では、「彼が「ご安心ください。履いてます」と立ち上がった、その時、神の悪戯か?パンツを履いてなかったらどうなるでしょう。ワッハハハと笑ってはいられません。ギャーッと卒倒するご婦人もいるかもしれません?いやそんなご婦人はいない、ア、そうですか!」と書いてしまつていました。
安村さんの不倫の報道は、そのブログの翌日でした。今後は、彼が「ご安心ください。履いてます」と言っても安心して見てはいられません。履いていなかもしれないと目を見はるでしょう。彼の不倫は、神の悪戯ではなく、彼自身の意志です。最近の不倫報道に少し慣れていましたが、パンツを履いている筈の安村さんまでが不倫とはと、驚きました。
つい話が脱線しました。今日のブログに戻ります。
黒ネコのタンゴ、と言えば、皆川おさむさん、懐かしく思い出しました。軽快なタンゴ、早速、U-TUBEで検索すると出てきました。懐かしい子供の歌声を聴きました。今もお元気で御活躍の様子ですが、1969年の僅か6歳のころ歌っていたんですね。当時、街中にも歌声が流れ、子供たちも一緒になって歌っていました。
もう○○年前の古い話、ですが、お賽銭が集まらず弱っていた神主さんも考えたものです。子供達のお小遣いも戴こうという魂胆だったのでしょうか?神聖なる神主さんも、余りにも少ないお賽銭にやむを得なかったのでしょう。しかし、神社に行って、大きな泉のように造られたお賽銭掘りに10円投げ込んだら、堀が歌いだす、
「ララララララ ララ
君はかわいい 僕の黒ネコ
赤いリボンが よく似合うよ
・・・・・途中
     略・・・・・・・・
あじの干物は(ニャオ) おあずけだーよ
ララララララ ララ(ニャオ) 」

を聞いて子供も大人も楽しくなり、結果、神主さんが、多額の出費の甲斐あって、「わしのはかりごとは、上手く行ったわい」と喜べばいいのですが!
どうだったのでしょう?
サザエさん-日々の暮らし(1)

カツオ君の買い物

朝日文庫版40巻〔5頁〕・昭和45年
『カツオ君が、口笛を吹きながら上機嫌で、買い物からお帰りです。両腕を肩のあたりに持ち上げ、左右の腕に、それぞれ、紙包みを持っています』
『カツオ君は、勝手口から台所に入りました、サザエさんが、夕飯の準備をしていました。カツオ君は、右腕に持っていた紙包みを、「へい食パン」と言って、サザエさんの足元にポイと投げました。サザエさんは、振り返って「ゴクロさん」と上機嫌でねぎらっています』
『そして、左腕に持っていた紙袋を、両手で、ソーッと床の上に置きました』
『カツオ君は、慌てて門から飛び出しました。サザエさんの大きな叫び声が響き渡っています。カツオ君は、「あっちがたまごだったんだ」と言いながら走り去って行きました』

今日、学校から帰ったら、お姉さんに「カツオ、お手伝いして、卵と食パンを買ってきてよ!」と頼まれました。特に、何もすることがなかったので、「良いよ買ってくるよ」と家を飛び出しました。
買い物籠を持って買い物に行くのは、男として、チョット気恥かしいので、素手で買い物に出かけました。
パン屋さんで、「食パンください」と一斤の食パンはスライスしてもらい、紙に包んでもらいました。次は、卵だと、八百屋に行きました。「オバちゃん、卵を20個ください」と紙に包んでもらいました。
姉さんに頼まれた、食パンと卵の同じくらいの大きさの包みを両腕に持って、意気揚々と帰って来ました。
勝手口から台所に入るとお姉さんが、夕食の準備をしていました。僕は、食パンと卵を持っている、卵はソーッと置かないと、割れる恐れがあることは分かっていました。ところが、どうしたことか、機嫌良く帰ってきて、その流れで、割れることはない食パンを、お姉さんの足元に、思い切り、ポイと投げたのです。
しかし、どう間違ったのか、食パンの紙包みを持った左腕を動かすべきところ、右腕が勢いよく動き、持っていた卵の紙包みをポイと投げていたのです。
そして、左腕に持った紙包みをソーット置きました。これで無事買い物を済ました。やれやれと胸をなでおろしました。
すると、忽ち、お姉さんが金切り声をあげました。
「カツオ!何と言うことするの、卵は、みんな割れてるよ!」
僕は、ハッと気付きました。投げてはいけない卵の包みを投げて、割れない食パンをソーッと置いたのです。
僕は、お姉さんの大きな叫び声に、恐怖を感じ、逃げろ!逃げろ!と、家から走り去りました。

卵の買い物、持ち帰る途中でも要注意です。カツオ君のような失敗はありませんが、卵パックであっても、ぶっつけたら割れはしないかと注意します。買ったものをリュックに入れて運ぶ時、卵パックが割れはしないかと気になります。背凭れもできません。折角のリュックでの買い物も、卵だけ、ポリ袋に入れ用心深く手に持ち帰ります。
サザエさんー道徳-39

人前で裸になるのは公序良俗に反します。くれぐれも注意しましょう。

朝日文庫版42巻〔27頁〕・昭和46年
『サザエさんが、上は長袖のセータを着て、下は巻きスカートを履いて、二つのコーヒーをお盆に乗せて、リビングに済まし顔で入って来ました』
『部屋に入った途端、巻きスカートを止めていたボタンが、“ピーン”と飛びました』
『すると、巻きスカートが、ポロリと足元に落ちてしまいました。サザエさんは両手にお盆を持ったまま、「アラ」と言い立ちすくんでいます。テーブルを挟んで話し込んでいたお父さんとお客さんは、スカートを着ていないサザエさんの方を見て、顔を赤らめています。サザエさんは、スカートを落として、下半身が丸見えです』
『サザエさんは、お盆をテーブルの上に置くと、太もも辺りをつまんで引くと、「ごあんしんなさってパンティーストッキングざんすから」と言って、足元に落ちた巻きスカートを拾って、リビングから出て行きました。お父さんとお客さんは、ドッとテーブルの上に顔を落としてしまいました』

巻きスカートがポロリと落ち、お父さん達は思わず見てしまいました。“アッ下にはなにもはいてない、裸だ!ギョギョ”と驚いたことでしょう。
サザエさんは、「安心なさって、パンティーストッキング履いてます」と澄ましています。
お父さん達には、まるで裸に見えたのでしょう。裸はいけません、公序良俗に反します。お父さん達は、相当に驚いた様子で、2人とも驚きのあまり頭が落ちてしまい、テーブルに打ちつけています。
2015年に、“とにかく明るい安村”という芸人さんが現れ、裸に見える格好をした後、スクーッと立ち上がると、素っ裸ではなく、パンツを履いているのです。そして、彼は言うのです、「ご安心ください履いてます」とパンツを履いているのを見せるのです。
観客は、もともと彼がパンツを履いているのは分かっていますから、彼が安心してくださいと言ってくれなくても安心しています。ワッハハハと笑ってやるのです。
しかし、皆さん、彼が「ご安心ください。履いてます」と立ち上がった、その時、神の悪戯か?パンツを履いてなかったらどうなるでしょう。ワッハハハと笑ってはいられません。ギャーッと卒倒するご婦人もいるかもしれません?いやそんなご婦人はいない、ア、そうですか!
サザエさんのパンティ―ストッキング姿は、“とにかく明るい安村”の「ご安心ください、履いてます」なる芸の原点を見る思いでした。安村さんも、くれぐれも、パンツのはき忘れはしないように、裸は、見えたものの大小に拘らず、公衆の面前に曝すと、公序良俗に反し、ポリスが駆けつけて、大変なことになりますから用心してください。「ご安心ください、履いてます」と暢気なことは言ってはおれませんよ。
サザエさんも、パンティーストッキング姿は、お父さん達には、刺激が強すぎたようですから、止めましょう。頭をテーブルに打ち付けると大怪我をします。

サザエさんー道徳-38

元気なお子さんを産んで、将来、親を大事にするように育てましょう。

朝日文庫版41巻〔56頁〕・昭和45年
『サザエさんが、ショッピングカートを押して、買い物に出かけていると、途中で、ワンピースを着た、買い物かごを持った、お腹の大きい奥さんに、会いました。サザエさんは、その大きなお腹を見て、「マーおめでたネ」と褒めてあげました』
『お腹の大きい奥さんは、又歩いていると、買った花を手にぶら下げている、エプロン姿の中年の奥さんに会いました。中年の奥さんは、大きなお腹を見て、「アラおめでた」と喜んであげています。大きなお腹の奥さんは、手で口元を隠し嬉しそうに微笑んでいます』
『大きなお腹の奥さんは、さらに歩いていると、大きな大根を買い物籠に入れて手にした、エプロン姿の痩せ細った白髪のお婆さんに会いました。白髪のお婆さんは、大きなお腹を見て、「マー無駄なことをするのネ」とけなしてあげました。お腹の大きい奥さんは、口をポッカリと開け啞然としています』
『お婆さんは、育て上げた子供たちが、自分を足蹴りにして家から追い出している姿を頭に思い浮かべ、「50年もたちゃわかるわよ」とハッキリと言うと、立ち去って行きました。お腹の大きい奥さんは、茫然として』

これはいけません。数年前、こんな嫌みなことを言う、憎たらしいお婆さん達がいたから、我が国の出生率は低下し、年々、人口減少をきたしたのかもしれませ。
今、政府が人口を増やそうという政策を進めている時、このお婆さんの“嫌みな発言”は問題です。お婆さんの、「子供たちが親を大事にしない」と言う嫌みもよく判りますが、だからといって「マー無駄なことをするのネ」と言ってはいけません。
新たな命を身籠ったお腹を抱えたお母さんたちには、きつ過ぎる発言です。
お腹の大きいお母さんは、きっと言ってくれるでしょう。
「オバアチャン、お腹が大きくなっているのは、全然無駄なことじゃないのよ。どんどんと、子供を産むお目出たいことをして、日本の人口を増やし、そして、日本を豊かにするのよ。子供たちが、親を不幸にするのは、親の教育だけじゃなく、学校の「道徳教育」にも問題があるのよ。お婆ちゃん、お子さん達に足蹴にされるのなら、親を大事にする教育もして欲しいと言ってください。教科書で“してはいけないこと”は教えているようだけど、親を大事にしようとはハッキリ言っていないようよ。」

カツオ君!物事は冷静沈着に見て、行動しないと恥かくぞ!

朝日文庫版45巻〔53頁〕・昭和48年
『クリスマスの日です。サザエさんが、テーブルの上に置かれたクリスマスケーキの上に、絞り袋に入れたクリームを絞り出して、何かを書いています。そこへ、カツオ君が現れて、サザエさんに、「ぼくんとこネーブルがないよ!」と文句を言って、「ぼくにもおくれよ」とおねだりしています』
『サザエさんが、ポットを持って、クリスマスツリーが飾られた、部屋中を忙しそうに歩いていると、カツオ君が、後を追っかけてきて、「ねーったらーァ」と口を尖らして、執拗におねだりしています』
『ワカメちゃんとタラちゃんは、テーブルの上のクリスマスケーキを、美味しそうに食べています。テーブルの上には、2個のネーブルが乗っています。カツオ君のケーキもテーブルの上に置いてありますが、カツオ君は、ケーキを食べもせずに、ネーブルを指さして、「ケチ、ブス、イモねーちゃん、いんごーババー」と目を吊り上げて、サザエさんに向かって悪態をついています』
『サザエさんは、カツオ君を全く無視して、擦ったマッチの火を、テーブルの上のネーブルに近づけています。カツオ君は、“クリスマスキャンドル”と小声で呟くと、恥かしそうにしています』

時期外れの出来事ですが、クリスマスの日のことでした。
クリスマスの日、カツオ君、ワカメちゃん、タラちゃんの子供たちは、サザエお姉さんが、準備してくれた、クリスマスケーキを戴くことになりました。3人は、テーブルに着きケーキを食べることになるのですが、ワカメちゃんとタラちゃんは、ケーキをすぐさま食べ始めました。カツオ君は、テーブルの上に、美味しそうなものを見つけました。それは、ワカメちゃんとタラちゃんに近い所に置いてある2個のネーブルです。カツオ君は、それを見て「2個しかない、僕の分がない!」と自分が不当に扱われていると思ってしまったのです。
そう思ったら、「どうして僕の分はないんだ!姉さんは、美味しいネーブルを僕の分は用意しなかったのだ!何故だ、これは、姉さんがワカメちゃんとタラちゃんを依怙贔屓し、俺をのけものにしようとしているんだ!」と内心思うと、これは黙ってはおれない。「僕にもくれよ」と思うと「ケチ、ブス、イモねーちゃん、いんごーババー」と思いつく限りの、あらゆる口汚い言葉を罵ったのです。
お姉さんは、カツオ君のことを相手にしません。
カツオの早合点を分かっていても、“カツオ、よく見なさい、これはネーブルの形に拵えたクリスマスキャンドルよ!”とも言いませんでした。
「それにしてもひどいよ、カツオ君は、お姉さんのことを“ケチ、ブス、イモねーちゃん、いんごーババーは”ないだろう」
カツオ君のネーブルを買わなかったのだから、ケチと言うのは、わかる。
そして、ブスもわかる、さらに、イモねーちゃんも、お姉さんが焼きイモが好きなので判る。
しかし、“いんごーババー”は、ないだろう。酷過ぎるそ!
今回の件は、もとはと言えば、カツオ君がキャンドルの形に拵えられたネーブルを、本物のネーブルと見間違えたことが、事件の発端だ。確かに、フルーツキャンドルは、本物のフルーツと見間違う物がある。
物は、よく見て、発言や行動をしないと予想外の事件に展開していくこともある。その点、サザエお姉さんは、冷静、沈着で偉いネ!カツオ君に何も言わなかったね。

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