サザエさんの素直な落ち(42)

 

扇風機が動かないからと、お客さんの前で、足で蹴って動かすのは行儀が悪すぎます。お父さん!新しい扇風機を買ってあげてください。貴方の娘さんはトンデモナイ行儀の悪い事をしています。

 

朝日文庫版30巻〔118頁〕・昭和40年

『サザエさんの家に、お客様がいらっしゃいました。もう禿げ頭のオジサンでお父さんのお知人のようです。サザエさんが、部屋に案内し、畳に両手をつき挨拶をしています。お客様も畳に両手をつき、頭を深々と下げて、丁寧に挨拶しています、上品なお客さんです。傍らの畳の上には、サザエさんが持ってきた、冷たい飲み物を入れたコップを乗せたお盆が、置いてあります。扇風機も置いてあります』

『サザエさんは、卓袱台を出し、その上に、冷たい飲み物が入ったコップを置きました。お客様は、暑いのか、ハンカチを取り出し、後頭部の首筋の汗を拭っています。サザエさんは、扇風機のコードを持ち、その先の差し込みを壁のコンセントに差し込んでいます』

『扇風機のスイッチを入れましたが回りません。サザエさんは、立ち上がると、「しつれいします」と言うや否や、扇風機を激しく足蹴りしました。扇風機は回りだし、お客さんの方に風が吹きましたが、お客さんは、サザエさんの行儀の悪さに、顔を引きつらせて驚いています』

『お父さんが、会社から帰ってきました。直ぐに、お客さんの所に行こうと、浴衣に着替えています。そこへ、サザエさんが現われ、「やだわ、けっとばさなきゃうごきださないんだもん、ことしこそ買おうよ」と文句を言っています。お父さんは、何事かとサザエさんの顔を見ています』

 

今年も、もはや暑い日が続いています。

エアコンを使うには、まだ早く、扇風機を使おうかと思っています。

サザエさんも、そういう時期にお客さんが現われ、汗をかいているお客さんに扇風機をかけてあげようとしました。

 

扇風機は、古くなっていたのでしょうか、スイッチを入れても、羽根はまわりません。

 

だからと言って、

扇風機を、お客さんの前で足蹴りにしては駄目です。

行儀が悪すぎる。

古くなった扇風機も、お客さんの前で足蹴りにされ、仕方なく動き始めましたが、勢いよく回らないようです。

 

そんなお行儀の悪い事をして、

「やだわ、けっとばさなきゃうごきださないんだもん、ことしこそ買おうよ」お父さんに文句を言っても、お父さんは何事かと思っているでしょう。

 

娘が、友人の前で、扇風機を蹴飛ばすとは、それほど行儀の悪い事をするとは思いませんから。

 

サザエさんの判らない落ち(48)

 

通常、七夕にウナギを食べることはない筈です。

 

朝日文庫版30巻〔133頁〕・昭和40年

『ノリスケさんが、サザエさんの家に遊びに来ました。部屋に入るとカツオ君とワカメちゃんが、忙しそうに、七夕の大笹に飾りつける飾り祈願札を準備しています。カツオ君が紙風船や飾り玉結びなどを準備し。ワカメちゃんは、筆を持って、祈願札に墨で願い事を書き込んでいるようです。ノリスケさんは、そんな二人を見て、「オウきょうはタナバタか!」と言っています』

『台所に行くと、サザエさんが、夕食の準備中です。サザエさんは、電気炊飯器のコードを繋いでいるところでした。ノリスケさんが、笑顔で「バンメシごちそうになっていくかな!」と言うと、サザエさんも、にこやかに「どうぞ」と答えています』

『ノリスケさんが、軽くサザエさんの肩をぽんと叩き。「ウナギでしたね!」と言うと、サザエさんは。怪訝な顔をして「ちがうわあれはウシの日よ」と言っています』

『ノリスケさんは、ガッカリしたような様子で「チエツごまかされないや」というとその場を立ち去りました。サザエさんは「ずうずうしい」と怒っています』

 

ノリスケさんは、何を期待したのでしょう。

カツオ君とワカメちゃんは七夕気分で一杯です。

だからと言って、夕飯にウナギが出てくるとは思われません。

サザエさんが言うように、

ウナギは七夕には出てきません。

夏の暑い丑の日に出てきます。

 

ノリスケさんは、カツオ君とワカメちゃんが七夕の忙しそうなどさくさにまぎれて、

「ウナギでしたね!」

と言えば、サザエさんが

「そうね、きょうは、ウナギにしようかしら」

とでも言うと思ったのでしょうか?

 

ノリスケさんの魂胆が、判らない落ちでした。

ただ、暫く、ウナギを食べていなかったので、ウナギと言えば食べられるかもしれないと、はかない期待感から「言ってみただけ」で外れても良かったことだったのでしょう。

 

確かに、七夕にウナギを食べたことはなかったと記憶しています。

サザエさん―面白い落ち(172)

 

ゴルフ道具は、クロネコヤマトなど宅急便で運びましょう。

 

朝日文庫版43巻〔28頁〕・昭和47年

『ゴルフ場の喫茶店です。ゴルフも済んで、マスオさん達は、コーヒーを飲みました。コーヒーを飲み終えたマスオさんは、ゴルフクラブを運んで来て、まだ、のんびりと休憩している友人に、「きみクルマにつんでってくれよ~」と頼んでいます。友人は、鷹揚に「百えんだぜ」と右手の平を指し出しています』

『頼まれた友人は、マスオさんのゴルフクラブを椅子に立てかけて、座っていると、また別の男がゴルフバッグとゴルフグラブを持ってきて、「オレも」と頼んでいます。友人は、「一つ百えんだ百えん」と満更なさそうでニコニコ笑顔で引きうけています』

『友人は引き受けたゴルフバックやゴルフクラブを、幾つも背負い、両手に持って、「かせがにゃァ」と言いながら、止めていた車の方に運んでいま』

『沢山のゴルフバックを背中に背負い、手にはゴルフバックを持って、留めていた自分の車のところに来ると、其処には、車はありませんでした。地面に大きく「駐車いはんですレッカー車ではこびました ケイシ庁と書いてありました。友人は、汗びっしょりになって、ビツクリしています』

 

友達同士の楽しいゴルフ、自家用車を持っていると、利用されると言うか、稼げると言うか、ゴルフ用具の運び屋になっています。

昔はこんな風景もあったと思います。

今ですと、クロネコヤマトなどの宅急便で運び、便利な世の中になりました。

 

しかし、このマスオさんの友人は可哀そうです。

折角、自家用車でバックやクラブを運び、稼げると思ったのに!

車を留めている所が悪かった。

駐車禁止の場所だったようです。

しかも、警視庁が取り締まっている場所に、堂々と止めていたのが、過ちの初めでした。

 

車が消えてしまった友人は、どうしたのでしょうか?

謝り、返金して何とかなったでしょうが、残念でした。

 

私も車でゴルフに行くと、乗せてくれ、運んでくれと頼まれていました。

特に帰りが大変でした。乗せてあげるのは構いませんが、日が暮れた帰り道、疲れて運転しているのに、隣で鼾をかいて眠っている仲間に腹が立ったものです。

サザエさん―面白い落ち(171)

 

政治家のていたらくに、お婆ちゃんも熱くなっていますよ!

 

朝日文庫版33巻〔112頁〕・昭和41年

『サザエさんが、タラちゃんを背負って公園を散歩しています。背中合わせに置いてある二つのベンチの一方に、和服にエプロンをかけた、栄養が行き届いた顔の膨らんだ奥さんが、ベンチに座り、毛糸の玉を置いて、何か編んでいます。そこへ、サザエさんが通りかかり、奥さんに「ことしのニューモード」と尋ねました。奥さんは、手を横にひらひらさせて、「だめ あたしようそうしないから」と答えています。背中合わせの他方のベンチには、髷を結った、シボンで小さくなったようなお婆ちゃんが座っています』

『奥さんは、後ろを振り返り小さなお婆ちゃんにも話しかけています。奥さんは、おばあちゃんに、頻繁に旅行なさるのとでも話しかけたようです。お婆ちゃんは、大袈裟に手をひらひらさせて、「このとしになっちゃもうおっくうで」と嘆いています』

『奥さんは、このお婆ちゃんは、話し相手にならないと思ったのでしょう、黙々と編み物を始めました。サザエさんは、仕方なく、おばあちゃんの相手をしました。お婆ちゃんは、宗教に関心があるらしく、サザエさんに仏像の話を始めました。サザエさんは、「いまんとこ宗教にかんしんないんです」と、手を横に振って相手にしません。とそこへ、インテリらしい細身の中年の奥さんが、生まれたての赤ん坊を背負ってやってきました。その奥さんは、サザエさん達に近づくや否や、「どーォこのころの政治家のていたらく!!」と切り出しました』

『インテリ風の奥さんが来たら、小さなお婆ちゃん、顔の膨らんだ奥さん、サザエさんは、その奥さんを中に囲んで、喧々諤々と討論を始めました。小さなお婆ちゃんも背を真っすぐに伸ばして、元気に意見を述べているようです』

 

どうしたのでしょう?

過去にも、政治家のていたらく(好ましくない状態やほめられない状態)が続いて辟易した時があったのでしょう。

 

世間の普通の一般的な話題にも関心が無くなった老若の奥様達が、ていたらくな政治家に極端に強い関心を持っていたようです。

4人は、顔を突き合わせ、口角泡を飛ばす勢いで討論を始めました。

 

その頃、何があったか記憶にありません。

 

しかし、何時の時代でも政治家のていたらくは、国民大衆には無関心ではいられないようです。

 

今、安倍内閣の安倍やろうとしていること集団的自衛権の行使容認、周辺事態や非戦闘地域という制限の撤廃といった根本的な変更をやろうとしています。

これらのやろうとしていることが、憲法違反であると言うことが問題になっています。

3人の憲法学者が憲法違反であるとしました、

内閣官房長官「菅」は、白々しく、「憲法違反ではないとする憲法学者を沢山知っている」と広言しました。

しかし、報道番組「報道ステーション」の、憲法学者に対して行った調査では、憲法違反ではないとした学者は1人でした。

その他多数は、憲法違反であるとしています。

官房長官の発言と、報道ステーションの余りにも大きい乖離は、どういうことでしょうか?

 

そして、憲法を「安保法案」に適用させる―と言う「中谷」防衛相の発言は「憲政史上最悪」と非難の声が上がっています。

今一人、妙な大臣がいますね!

「下村」文化相大臣、この人に、オリンピック担当大臣を辞めてもらわないと、2020の東京オリンピックは大変なことになりますよ。

担当大臣でありながら、他人事のような様子で「東京オリンピックスタジアム」建設に関与しています。

 

カネのかかる斬新なデザインのスタジアムは不要ではないのかな!

今のうちに、デザインの変更を含む見直しをしないと、都民の負担は大きくなり大変だ!

それに、オリンピックに間に合わなくなったら、世界の恥だ!おもてなしどころではなくなるぞ!

下村文化相は、素質が疑われる。表情にも全く気力がない。

 

舛添都知事 頑張って、2020の東京オリンピックを成功させましょう。

セラフィット(続き-1)

 

セラフィットをご存じでしょうか?

いや先に紹介し、最近ではテレビでも頻繁に紹介され、アメバでも宣伝されていますから、すでにご存じと思います。

 

焦げ付かないフライパンの商品名ですネ!

以前、フライパンについて、個人的な体験をご紹介しました。

ジャパネットタカタで、フライパンを販売していたのを見ていて、興味を持ち買いました。

ところが、このフライパンが焦げ付くのです。

その焦げ付き方は、異常です。フライパンの内面にべっとりと焦げ付くのです。この焦げ付いたコゲを、フライパンから剥ぎ取る役割が、フライパンを買おうと言いだした私の役割になりました。

焦げ付いたものが、ゴシゴシやっても、なかなか落ちません。

大変な思いをしました。

遂に、そのフライパンを使うのをやめて、近くのスーパーで売っている普通のフライパンを買い使っていました。

 

そんなことがあって、テレビを見ていたら、フライパンの宣伝販売の番組が流れていました。

太った外国のオジサンが、白衣を着て、フライパンを使って見せます。

薄焼き卵を作ります。

焼き上がった薄焼き卵が、フライパンの中を自在に滑っています。

オジサンが、薄焼き卵に息をフーッと吹きかけると、軽く飛びます、飛びます。

まるで、折りたたんだ、ティシュを吹いているようです。

 

これは凄いと、散財してセラフィットを購入しました。

以後、使っています。

 

しかし、焦げ付くのです。

ただ、ジャパネットと違うのは、焦げ付いているコゲが、容易に落ちるのです。

ゴシゴシと力を入れて洗う必要はありません。

発泡ウレタンのタワシを軽く、ときには強く、グルグル回しているうちに、クツ付いたコゲは落ちてしまいます。

後始末が楽になりました。

 

たが、使い方が悪いのでしょうか?

薄焼き卵が上手にできないのです。

PRの動画で、北斗晶さんが、フライパンの中の薄焼き卵に息を吹きかけて、滑らせています。ふわりと飛びます

 

これをやってみたい!

卵を解き、よくかき混ぜて、熱したセラフィットの中に落とし、焼きます。

意外!卵がセラフィットに焦げ付きました。

薄焼き卵が出来ず、フライパンの中を滑り回ることもなく、息を吹きかけても動きません。

仕方なく箸でつかみとり、皿に移して食べることにしました。

 

焦げ付かないと言うセラフィットには、焦げ付かない使い方があるのでしょうか?

 北斗晶さんのように薄い薄焼き卵を焼いて、フ~ッと皿の上に吹き飛ばし、食べてみたい、美味しいだろうな。

と思うのですが、なかなか難しい。

 

旨く行ったら、ご紹介します。

サザエさんの判らない落ち(47)

 

カツオ君が、ノリスケさんに巧妙に仕掛けた賭けでした。

 

朝日文庫版43巻〔141頁〕・昭和47年

『ノリスケさんとカツオ君が、住宅街を仲良く歩いています。すると、カツオ君が「ぼくのとくぎなんだ」と言うと、「まいどおなじみィ~~チリ紙のこうかん」と大きく口を開け叫びました。マスオさんは、楽しそうにカツオ君を見ています』

『カツオくんの叫び声で、近くの家の裏木戸が開き、太った奥さんが、分厚く束ねた古新聞紙を、汗をかきかき、両手に持って現われ、古紙回収の業者ではない、カツオ君とノリスケさんを見て、「ひとさわがせはよしてよ」と怒っています』

『レストランの中で、ノリスケさんとカツオ君は、ノリスケさんのオゴリの洋食を、ナイフとフォークを使って食べています。洋食を食べながら、ノリスケさんは、「オゴルオゴル!たいしたもんだ」とカツオ君褒めると、カツオ君は満足そうな笑顔で、モグモグと食べています』

 

場面は、全く変わります。

 

『先ほどの太った奥さんが、小さな赤ん坊をオンブ紐で、カツオ君に背負わせています。奥さんは、カツオ君に、「あれでよかったの じゃ おもりたのむと確かめると、カツオ君は、「持ちつ持たれつですョ」と答えています』

 

落ちが、よくわかりません。

カツオ君は、ノリスケさんには、次のように洋食を奢ってくれと持ち賭けたと思います。

カツオくん:

「ノリスケおじさん!じつわね、僕、チリ紙交換のオッチャンのものまねが得意なんだよ。

ボクが、

「まいどおなじみィ~~チリ紙のこうかん」

と叫ぶと、それを聞いたオバちゃん達が古新聞を持って家から出てくるんだ」

ノリスケさんは、カツオ君がそんな特技を持っているとは、にわかに信じられなかったでしょう。

だから、ノリスケサンは、

「嘘だろう、信じられないよ、恥かしがり屋の君がそんなことができるなんて!もし、君がやって見せくれて、本当だったら、高級なレストランで洋食を奢るよ」

と、乗ってしまったのでしょう。

実行すると、カツオ君は、大きな声で「チリ紙交換」と叫び、古新聞を持った奥さんが、飛び出してきたのです。

この賭けを実行して、カツオ君の特技が本当であることが明らかになり、賭けに負けたノリスケさんは、レストランでカツオ君に洋食を奢ったのです。

と言うことで、この話は終わりの筈です。

 

しかし、どうなっているんでしょう。

この先に、落ちがあります。

しかも、カツオ君の声に騙されて、慌てて出てきた太った奥さんが、カツオ君に赤ん坊のお守を頼んでいます。

奥さんは、カツオ君に貸を作ったのでしょうか?

 

奥さんは、カツオ君に騙された振りをすると予め約束をして、カツオ君が

「まいどおなじみィ~~チリ紙のこうかん」

と叫んだ直後に古新聞紙を両手に提げて家を飛び出したのでしょう。

その結果、カツオ君は、ノリスケさんとの賭けに勝ち、洋食を食べることができました。

カツオ君は、恐らく、奥さんに、次のように頼んだのでしょう。

その奥さんは、サザエさんと仲の良いオバちゃんだったので気軽に、

「僕のオジサンは、けちん坊なんだ、僕が仲良くしてあげているのに、何にもしてくれない。だから、懲らしめのため、洋食を奢って貰いたいので、オバちゃん協力してください」

と言うことで、

カツオ君が、チリ紙交換と叫んだのも、奥さんが古新聞を持って飛び出してきたのも、皆、カツオ君とオバちゃんが、仕組んでいたのでしょう。

「おばちゃん!上手くいったら、赤ん坊のお守をして、お礼はするよ」

と言うことになっていたと思います。

 

そんなことは知らないノリスケさんは、見事に騙されました

 

と言うことが、この話しの落ちでしょう。

サザエさん―面白い落ち(170)

 

衣服の説明シールは、買う前に十分に調べましょう。

 

朝日文庫版35巻〔133頁〕・昭和42年

『サザエさんは、ワカメちゃんと一緒にデパートにお買い物に来ています。洋服売り場で、男子店員さんが、ショウケースの上に拡げて見せてくれているセータのような上着を、サザエさんは、手にして、丁寧に見ています。そして、「すてき!ちょっと!これいただくわ」とハシャグよう、目を丸く見開いて言っています。男子店員は、「ありがとうございます」「フランスのトップモードです」と得意そうに説明しています』

『サザエさんは、気にいった上着に縫い付けられている品物の説明シールを指で摘まんで丁寧に見ています。男子店員は、にこやかな笑顔で、興味深そうにサザエさんを見ています』

『サザエさんは、ワカメちゃんの手を確りと握って、突然、「綿40%、アクリル10%、ナイロン30%、毛20%、・・するとおセンタクはどうしたらいいんですの?」と男子店員に妙なことを聞きました。男子店員は、その衣服を手にして「ちょっときいてまいります」と店の奥に消えました』

『サザエさんは、握っていたワカメちゃんの手を引っ張って、血相を変えてその場から、「サ、いまのうち!ゼロを一っ見おとしてた!」と言いながら走り去りました』

 

そそっかしい、いわゆる、慌て者のサザエさんがヤリそうなことでした。

綿40%、アクリル10%、ナイロン30%、毛20%という、

多種類の繊維の混紡、あるいは交織の布で作られた上着、

それほど高価なものだったんでしょうか?

多分、男子店員が誇らしげに言うように

「フランスのトップモードです」

だから、高価だったのでしょう。

 

0を一つ見落としたら高価なものになります。

例えば、8,000円台が、80,000円台になります。

これでは、買う気は失せるでしょう。

姿をくらますしかない。

そこで、サザエさんの常套手段、店員さんにその場から去って貰う。

サザエさんは、思いつきました。

その上着が、

綿40%、アクリル10%、ナイロン30%、毛20%という、

多種類の繊維の混紡、あるいは交織の布で作られた上着、

だったのです。

こんないろんな繊維が混ざり合っている衣服は、どうして洗濯すればいいのでしょう。

と言う疑問は出てきます。

洗濯は、どうすればよいのかシールに書いてなければ、男子店員さんに聞くしかない、

店員さんも判りません。

店員さんは、上司に聞いてきますと、奥の方に引っ込む。

 

サザエさんは、今だ、ワカメちゃん、と走り去ってしまいました。

 

見間違えた、一桁も高額な上着を買わずに済んだ、

とホッとしたでしょう。

サザエさん―面白い落ち(169)

 

テレビに現れる押し売りには注意しましょう。

 

朝日文庫版33巻〔53頁〕・昭和41年

『壁塗り職人さん:左官屋さんが、サザエさんの家に呼ばれ、大きな樽に壁土を仕込み仕事の準備をしています。その横を、キリリとしたイケメンで、パリッとしたスーツを着た優秀なセールスマンが、通り過ぎてサザエさんの家の玄関に向かっています』

『セールスマンンは、玄関の中に入り、サザエさんが出てきました。セールスマンは、挨拶すると、続けてサザエさんに「ベッドをおひとついかがですか」、と勧めています。サザエさんは、いきなりの勧誘に「はア・・・・・・」と不思議そうです。左官屋さんは、玄関の外壁を懸命に塗っています』

『セールスマンは、玄関の縁先に腰を下ろすと、パンフレットを拡げ、サザエさんと、後から出てきたお母さんに、商品のベッドの説明を始めました。左官屋さんは、玄関の外壁を塗りながら、優秀なセールスマンのベッドの説明に興味を持ったのか、外壁を塗りながらチラチラと玄関の中を盗み見しています』

『左官屋さんのオジサンは家に帰っています。お茶を飲みながら奥さんと話をしています。奥さんは驚いた様子で、怒っています。オジサンに向かって口をトンガラカシテ、なんだって!おまえさんどうしてもベッドを買うてえのかィ」と文句を言っています。オジサンは、タバコをふかしながら、そうだよといった様子です』

 

優秀なセールスマンですね!

関係のない左官屋さんも、漏れてくるセールスマンの話術に引っかかってしまったのでしょうか?

昔堅気の左官屋さんですから、寝る時は、蒲団で良いのに、ベッドを買うと言い出し、奥さんは驚いています。

 

今も残っているかもしれませんが、昔のセールスマンは、押し売りと言って、家庭の中に、突然トランクに入れた商品を持ち込み、脅しつけるように押し売りをして嫌われていました。

中には、優秀なセールスマンもいたのでしょう。

 

今も押し売りがいます。

しかし、今は、昔と違う押し売りがいます。

彼等は、

楽しくテレビを見ていると、突然、現れるのです。

現代の押し売りは、家庭の中にテレビの中に入ってくるのです。

甲高い声を出して、目の前に現れます。

決して優秀とは思いません。

どうやら、彼等は、店舗を経営せずに、その経費を、値引き、下取り、などに回し、卸値に近い値段で販売しているそうです。

 

商品の宣伝は、少しでも良いところがあればそれをことさら並べたてる。

これを、大袈裟に準備して、テレビに流しています。

真夜中にも現われているそうです。

 

商品について、聞きたいこと、触ってみたいところなどは一切構わず、良さそうなことだけ、一方的に並べたてます。

 

直接対面しているベッドを売りに来た優秀なセールスマンは、サザエさん達の質問に答えてくれるでしょう。

しかし、今、甲高い声で、テレビに現れるような販売員は、何も教えてくれません。とにかく卸値で売っていますから安価です。

 

テレビを見ていて、買いたくなるのは、左官屋さんのオジサンと同様な心理に落ちるからでしょうか。

左官屋さんは、聞いただけで買う気になった。

奥さんは、騙されたら駄目よと怒っている。

 

サザエさん-?????

 

一休み??

 

朝日文庫版35巻〔32頁〕・昭和42年

『ハエが、2匹部屋の中を飛び回って、遊んでいます。サザエさんのお父さんが、スプレー缶を持って、現れました。真剣な顔をして、遊んでいる2匹のハエを目がけてスプレー缶のボタンを押して噴霧しました

『遊んでいた2匹の内、一匹がキリキリ舞いをして、下の食卓の上に落下しました。一匹は、空中に飛び続けて、落ちていく奴を上から見ているようです』

『飛んでいる奴が、落ちて行った奴の方に飛んで近づき、「あわてるなバカ」と言っています』

『サザエさんのお父さんは、部屋を飛んでいた2匹のハエの内、一匹が飛び続けているので可笑しいと思ったのでしょう。スプレー缶を調べています。頭をかきながら「ヘアスプレーか!!」と言っています。落ちて行った奴は、慌てて、落ちもしないで飛び続けている奴の方に飛び上がっていきました』

 

この時のお父さんが、可笑しいのです。

お父さんは、頭頂部には、一本しか髪の毛がないハゲです。

そのハゲのお父さんが、ヘアスプレー缶を手に持っているのです。

 

お父さんは、本当に少ない髪の毛にヘアスプレー拭き付け手を大事にしていたのでしょうか?

賢い一匹のハエは、お父さんが、少ない髪の毛に、毎日ヘアスプレーを噴霧し残り少ない髪の毛を大事にしているのを知っていたのです。

 

たまたま、遊びに来たハエと飛んでいると、そ奴が、お父さんが噴霧しているスプレー缶を殺虫剤と早合点し、ヤラレターと落ちて行ったのが、可笑しかったのでしょう。

「おいおいアレは、ヘアスプレーだぞ、大丈夫だから戻ってこいよ」

言われて、落ちた奴は、飛び上がって戻って来たのです。

 

お父さん、ヘアスプレーを殺虫剤と間違えても、ハエにも害はありませんが、殺虫剤をヘアスプレーと間違えて、頭に振りかけると、お父さん大変ですよ!

サザエさん―面白い落ち(168)

 

カツオくんも良い事をしてます、お父さんの過ちを正しています(3)

 

朝日文庫版33巻〔11頁〕・昭和41年

『サザエさんが、お母さんと夕飯の後片付けをしていると、隣の部屋から、説教している声が、襖の隙間からが聞こえてきます。聞こえてくる声は、「じぶんが悪いとおもったらすなおにあやまる」と言っています。サザエさんとお母さんは、深刻な顔をして聞いています』

『続けて、「勇気がいるけどだいじなことだとおもうな」と説教している声が聞こえてきます。サザエさんは、片手鍋を持って立ち上がり、隣の部屋を窺っています』

『サザエさんは、続けて繰り出される説教が気になり、襖をソーツと開き、中を覗いてみました。すると、お父さんが、カツオ君の前で、畳に手を突き、深々と頭を垂れて「じゃアまァすまなかった」と謝っています。カツオ君は、横柄な態度で畳を叩きながら、「にんげんそこですよ!」とお父さんを説教しているところでした』

『その後、お父さんは、遂に怒り出し、「ちょうしづくな」と棄てゼリフとともに部屋を出ていきました。カツオ君は、舌をぺろりと出しています』

 

カツオ君は、成長が早いのか、声変わりも早かったのでしょうか?

お父さんの声に似てきていたのでしょう。

生意気なことも言うようになり、お父さんがどんな悪い事をしたのか判りませんが、お父さんを説教しはじめていたのです。

 

サザエさんとお母さんは、当初、お父さんがカツオくんを説教していると思っています。

しかし、ちょっと変だぞ!

聞いている内に、声がオヤジっぽくない!

覗いてみたら、やっぱりカツオだ!

 

それにしても、お父さんは、何を悪い事したのでしょう。

自分がしたことを、悪いことだと認め、それを謝ることは、大変なことだと判ります。カツオ君の言う通りです。

そして、したことが悪いこと認めることは、勇気がいることで、大事なことなのです。

お父さんは、しみじみとそうだと思ったのでしょう。

だから、深々と頭を下げ、

すまなかった

と言っています。

 

しかし、そうは思っても息子に説教されるのは気恥ずかしい。

【調子づくな!】

と棄てゼリフもいいたくなるでしょう。